『真言宗未決文』(しんごんしゅうみけつもん)とは、平安時代初期に法相宗の徳一が、空海に対し真言宗の教理への疑問を述べた書である。徳一の疑問は以下の11か条からなる。以上の疑問について徳一は、このような疑問を述べることで謗法の罪になることを恐れるが、疑問を晴らして真言宗を学ぶためである、と言う。本書は、空海の「諸の有縁に勧めて秘密法蔵を写し奉るべき文」(『性霊集』9所収)によって密教の教理に触れた徳一が、『弁顕密二教論』や『即身成仏義』などに触れることなく、『大日経』や『菩提心論』などを学んで、そこで起きた疑問を記した、と考えられている(末木文美士1985)。また本書の末尾には、弥勒菩薩が『瑜伽師地論』を説いたことに関して「鉄塔の疑」と同様の疑問が持たれていたことについて、文書による伝承があることを強調する部分がある。この部分については、「辺主」「大覚師」などといった呼称が出てくることからも、増広されたのではないかと考えられている(末木文美士1985)。徳一が疑問を投げかけた相手である空海は、『広付法伝』のなかで第十一「鉄塔の疑」について触れるのみで、他は黙殺する形となった。そのため、後世、真言宗だけでなく、天台宗からも繰り返し反論がなされた。
出典:wikipedia
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