上田丸子電鉄丸子線(うえだまるこでんてつまるこせん)は、長野県上田市の上田東駅から大屋駅を経て、同県丸子町(現・上田市)の丸子町駅までを結んでいた、上田交通の前身、上田丸子電鉄の鉄道路線。1969年(昭和44年)に廃止された。上田市の市街地の東部にあった上田東駅を起点とし、信越本線(現・しなの鉄道線)信濃国分寺駅の少し上田駅寄りにあった八日堂駅から、信越本線に並行して大屋駅まで東進し、そこから南進して千曲川を渡り、丸子町の北部地区を通って丸子町駅までを結んでいた。丸子線は郷土の製糸業者が中心になって1916年(大正5年)に設立した丸子鉄道(株)によって、1918年(大正7年)11月21日に大屋 - 丸子町間を、それから7年後の1925年(大正14年)に上田東 - 大屋間を開通させた。1943年(昭和18年)10月21日に丸子鉄道(株)が(株)上田電鉄(1939年(昭和14年)8月30日に(株)上田温泉電気軌道から社名変更)と合併して上田丸子電鉄(株)となった際、線名がつけられて丸子線となった(それまでは丸子鉄道線だった)。開通したいきさつから、貨物で上田市と丸子町を連絡するイメージの強い路線となっていた。しかし1960年以降は貨物輸送の主流がトラックに移り、さらに路線全体が国道と並行していたため、これらモータリゼーションの台頭により赤字路線に転落した。さらに信越本線が大屋 - 上田間を複線化する際に沿線にあった信濃国分寺遺跡保存が支障となったため、この区間で同線と並行していた丸子線の路盤を複線化用地として譲り渡すことになった。ところが地元の了解をとりつけたものの今度は並行バスを運行していた千曲バスと代行バスの本数について折り合いがつかず廃止が決まらなかった。新潟陸運局が調停に乗り出し上田-丸子間千曲バス62往復上田丸子電鉄41往復でまとまり、1969年(昭和44年)4月20日廃止となった。開業時用意された車両は蒸気機関車1両と2軸客車3両、貨車2両。翌年蒸気機関車1両と2軸客車2両を増備した。電化により車両を置き換えし、合併直前の在籍車両は電気機関車2両、電車4両、ガソリンカー1両、貨車6両であった。丸子線は別所線、真田傍陽線と出自が異なり、また線路も直接つながっていないため、三線相互間の車両異動は多くなかった。丸子線ではこのほかにモハ3120形(3121・3122)とモハ3210形(3211 - 3212)も使用されていた。上田東駅 - 染屋駅 - 上堀駅 - 八日堂駅 - 神川駅 - 岩下駅 - 東特前駅 - 大屋駅 - 信濃石井駅 - 下長瀬駅 - 長瀬駅 - 上長瀬駅 - 丸子鐘紡駅 - 中丸子駅 - 上丸子駅 - 丸子町駅※駅名は廃止時点のもの。改称された駅の開業時の名称は、丸子鐘紡駅が下丸子駅。路線名等は廃止時点のもの。丸子線は1925年8月1日の開通から1969年4月19日の廃線まで、大屋駅 - 八日堂駅間で信越本線と並行しており、電車と列車との競争になることは日常茶飯事であった。当線元運転士の女性の随想に、顔見知りの国鉄の蒸気機関車の機関士から「大屋 - 八日堂間を競争しよう」と持ちかけられたエピソードが別所線昇圧直後に刊行された『なつかしの上田丸子電鉄』(唐沢昌弘・金子万平編、銀河書房、1987年)に収録されている。その女性運転士は戦時中から終戦直後にかけて、出征した男性社員の代わりに運転士を務めた。随想によると、時速約80キロまで出せる電車は性能的に勝てるものの、当線は信越本線と違い、頻繁に中間駅があるため速度を維持することができず、電車が停車した横を蒸機の機関士が“「勝った」とばかりに”汽笛を鳴らして追い抜いていったという。もっとも、当線の末期にあたる信越本線電化後に設定された電車特急あさまなどの高速列車とは勝負にならなかった。上田丸子電鉄(現:上田交通)の前身上田温泉電気軌道の青木線が、上田駅と松本駅を結ぶ路線として計画されていて、同線が廃止された後、松本電気鉄道(現在のアルピコ交通)と合弁で上田松本電鉄を設立、両駅を結ぶ鉄道を計画していたのは有名である。だが実はもうひとつの前身である丸子鉄道も、松本駅を結ぶ路線を計画していたのである。1992年に刊行された『丸子町史』歴史編下巻近・現代編に、幻の丸子鉄道路線図として紹介された開業時の『丸子鐡道線路圖』が掲載されているが、それによると終点の丸子町駅から内村温泉郷の霊泉寺温泉・鹿教湯温泉を通り、そこから東筑摩郡四賀村(現:松本市) - 浅間温泉を経て松本駅に達するというものであった。だがトンネル工事という点で問題があったため、実現にはいたらなかったちなみに浅間温泉と松本駅を結ぶ路線は、筑摩電気鉄道(現在のアルピコ交通)によって浅間線として実現しているが、こちらは路面電車である。
出典:wikipedia
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