スーパー耐久(スーパーたいきゅう)は、日本国内で行われる自動車レースの1カテゴリ。市販の四輪車両に改造を施し勝敗が争われる。スーパー耐久は、市販車を改造した車両によって行われるツーリングカーレースである。類似のカテゴリにSUPER GTがあるが、SUPER GTではエンジンや車体等にかなり大幅な改造が認められているのに対し、スーパー耐久では市販の量産自動車に対し小規模の改造を施したマシンとなり、市販車の実力テスト的な形でレースが行なわれる。改造範囲の狭さゆえ、NISMO、TRDなどの自動車メーカー系ワークス・チームが参戦することは稀で、個人規模のプライベーターチームが数多く参戦しており、また車種もバラエティに富む事から、「偉大なる草レース」の別名で知られ、「S耐(えすたい)」の略称、愛称でも親しまれている。車両規定は日本自動車連盟(JAF)の定めるJAF-N1を基本とし、ベースとなる車両はFIAグループN、A又はJAF-N1として公認されているか、JAF 登録車両又はSTO が認めた車両として登録されていなければならない。市販エアロパーツやレース用ブレーキの装着を認めていることなどから、現状ではJAF-N1には合致せず、JAF-NE(定義されない車両)として独自の車両規定で開催されている。改造範囲は狭く、例えばなど、様々な面で市販車の性能を逸脱しないようになっている。安全上の理由から装着するロールケージについては、安全性向上と車体剛性アップのため溶接止めされるほか、車体自体も溶接によるスポット増しを行う。また、車体の補強は一定範囲で認められている。レース形式は、500kmまたは規定時間(現在は3-4時間だが、過去には24時間レースも開催。)内の周回数による耐久レースとなっており、2-3名(24時間レースのみ最大4名まで)のドライバーによる走行と、最低2回のピットストップを行わなければならない。500kmレースの場合、レース時間は3-4時間にも及び、F1やフォーミュラ・ニッポンのレース時間が通常2時間以下、SUPER GTでも2-3時間程度であることと比べても、スーパー耐久の戦いは長時間に及ぶこととなる。スーパー耐久を象徴するもう一つの特徴として、F1やSUPER GTなど他のモータースポーツで頻繁に見られる、いわゆる「ピットストップでの人海戦術」が使えないという点が挙げられる。例えば「タイヤ交換は2名、その他の作業は4名までしか携われない」という規定があり、これは、ワークスチームとプライベーターチームとの格差を無くし、「どのチームも対等かつ互角の条件で戦う」ための措置として設けられたものである。1990年に発足した「N1耐久シリーズ」が前身。当時はFIAの定めるグループN規定に準拠したJAF制定「N1」規定に属する車で争うシリーズとして開催されており、参加するドライバーもアマチュアとプロの中間レベルのドライバーがメインだった。しかし、1994年に全日本ツーリングカー選手権がグループA車両による耐久レース(JTC)からTuring car ClassⅡ(2,000cc 自然吸気エンジンの4ドア車両 後にグループSTに改名)車両によるスプリントレース(JTCC)に移行した以降、JTCに参戦していたトップドライバーやチームがN1耐久に参戦するようになり、レースのレベルが大きく上昇し始めた。1995年に、耐久レースという過酷な状況に多くの市販車が対応できるよう、ウィークポイントをカバーする改造(オイルクーラーの追加等)を認めたことから「N1を超えるN1」という意味でシリーズの名称を「スーパーN1耐久」と改称。1998年に「市場の活力をレースに取り込もう」という発想から、市販エアロパーツの装着を可能にする等、自動車アフターマーケットとの連動を主眼とするレギュレーション改正を行った結果、便宜上「N2」規定へ移行したためシリーズ名称から「N1」の文字を外し、現在の「スーパー耐久」に再度改称した。2002年には、レースに参加するチーム(エントラント)で構成される「N1リーグ」とレースプロモーター、サーキットで構成される「スーパー耐久協会」との対立が表面化。一部のスポーツ新聞では「内紛」のタイトルで対立の表面化が報じられたが、その後両者の話し合いによって、新たなシリーズ統括組織として「スーパー耐久リーグ(STL)」が発足。それまでは主催者側のみで構成されていた連合組織に、この時からエントラント側(N1リーグ)の代表者が加わることになった。2005年にはSTLの内部機構改革に伴い、組織名称を「スーパー耐久機構(STO)」と改めた。また同年、チーム(エントラント)団体である「N1リーグ」の代表者選出方法をチームからの推薦に変更、新たな代表者が選出され、新体制となった。その翌年である2006年からは新体制の組織名称をN1リーグから「スーパー耐久エントラントリーグ(STEL)」に改め、アマチュアリズムに徹したエントラント支援組織とした組織骨子の原点回帰を行った。なお、あくまでもSTOはシリーズの統括組織、STELはエントラントの支援組織である。2000年代後半に入ると海外進出を念頭に置いた動きが目立ちはじめ、2007年9月には韓国の太白レーシングパークからの招待を受ける形で、12チームが同サーキットで行われる韓国チームとの特別戦に参加した。そして2010年にはノンタイトル戦(Special Stage)という形で、初の海外戦をマレーシア・セパンサーキットで行う予定だったが、諸般の事情により中止となった。2011年も「Asia Round」として、韓国・中国で3戦を行う予定が組まれていたが、東北地方太平洋沖地震の影響によりレース日程が大幅に変更され、最終的に福島第一原子力発電所事故の影響も受けた結果全戦が中止となっている(詳細は後述)。この年より、ヨコハマタイヤのワンメイクとなった。2012年は新たな試みとして、ST-GT3クラスについてのみ第4戦を選択制とした。同クラスのエントラントは、岡山国際サーキットでの通常のシリーズ戦以外に、その1週間後にセパンサーキットで行われる12時間耐久レースでもシリーズポイントを獲得できるとされた。2013年はインジェ・スピーディウム(韓国)でシリーズ戦が開催された(大鵬湾国際サーキット(台湾)については、現地オーガナイザーとの交渉が不調に終わり中止)。2012年第5戦ではスーパー耐久初の死亡事故(OSAMU選手)が発生したため、これを踏まえ、2013年からはHANSを着用するレギュレーションが採用された。スーパー耐久は排気量や駆動方式により複数のクラス(2010年現在は5クラス)に分けてシリーズが展開される。なおターボ装着車については排気量に対しターボ係数として1.7を乗じた値をクラス分けに使用する(例:排気量2,000ccターボのランサーエボリューションは2,000cc(排気量)×1.7(ターボ係数)=3,400ccをクラス分けの基準とする、この場合はST2クラスとなる)。また、原則として2座席車両での参戦は不可。特認を受ければ参戦可能だが、日本国内での新車価格が1,200万円を超える車両は特認も認められないほか、特認の場合も原則としてST4/ST5クラスへの参戦はできないなど制限がある。このため、いわゆるスーパーカーを用いた参戦が事実上困難となっており、より量産車による戦いの色彩を濃くしている。なお、STOの特認を受けることで、レースバージョンでの参加(例:ポルシェ911JGN)や、本来の排気量や駆動方式によるクラス分けに該当しないクラスへの参戦(具体例は後述)も認められることがあり、その結果同一の車種が複数のクラスにまたがって参戦する場合もある。2005年よりクラス名称が改められ、従来「クラス1 - 4」と呼ばれていたクラスが「ST1 - 4」、「グループN+」と呼ばれていたクラスが「ST5」にそれぞれ改められた。また2006年にはST5の代わりに2,000cc以下の2座席スポーツカーを対象とした「ST-スポーツクラス(ST-S)」が新設されたが、実質的に同年限りで消滅している。2010年には「ST5」の名称で、新たに1,500cc以下の車を対象としたクラスが設けられた。また2011年からは、新たに国際自動車連盟(FIA)の「FIA GT3規定」に基づいた新クラス「ST-X」(2012年・2013年シーズンの名称はGT3クラス)が設けられるほか、ワンメイクレースの開催支援クラスとなる「ST-A」クラスも加わる。ST1クラス以下の5クラスは、規定により7台未満(2014年より)の出走の場合は上のクラスに統合される。ST5はST4に、ST4はST3に、ST3はST2に、ST2はST1に、ST1の場合はクラス不成立となるが、大会において総合順位での賞が設定されていれば参加できる。2011年シーズンは、同年3月に発生した東北地方太平洋沖地震の影響などから、当初発表された日程が大幅に変更されたため、変更前と変更後の日程を併記する。またその後も福島第一原子力発電所事故の影響から中国ラウンドが事実上中止されるなど、断続的に日程変更が発表されている。スーパー耐久のイメージガールは「Super Girls」(スーパーガールズ)と称している。毎年ユニットを結成し、レースのPR活動やオリジナルソングの発表など、幅広く活躍している。
出典:wikipedia
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