フォーミュラ4(Formula 4、F4)は、モータースポーツの一カテゴリーである。フォーミュラカーレースの中でフォーミュラ3 (F3) の下位に位置し、以下に分類される。日本のF4は、日本独自のジュニア・フォーミュラの一つである。運営はエンジンチューナー・レーシングカーコンストラクター及びサーキット等の代表者で構成される日本F4協会が行っている。FJ1600とF3の間を埋めるカテゴリーとして1993年に創設(当初の名称はFJJ)。当時F3への参戦コストが高騰し、FJ1600からF3へのステップアップが非常に困難になっていたことが背景にある。同カテゴリー出身の有名選手には道上龍・荒聖治らがいる。現在は日本自動車連盟 (JAF) の地方選手権として、東日本・西日本の2シリーズが行われている。後述するFIA-F4が日本に導入されてからは、JAF-F4と表記される場合がある。エンジンは、現在は排気量が最大2,000ccの量産L4エンジンを改造したもので、価格はレギュレーションで最高220万円(2011年より)とされている。シリーズ発足から2009年までは排気量の上限は1,850ccだった。当初はトヨタ、マツダ及び日産のエンジン等も使われていたが、後にパフォーマンスや入手性から戸田レーシング製のホンダ・B18Cエンジンの事実上ワンメイクになった。このエンジンもベースエンジンの入手が困難になったため、2010年からエンジン排気量の上限を2,000ccに拡大。2,000ccエンジンについては、戸田レーシングがホンダのK20A、トムスがトヨタの3ZRをベースとしたエンジンを供給している。2012年現在はこれに加え日産・SR20やホンダ・B20C、さらに従来のホンダ・B18Cを独自にボアアップしたエンジンも使用されている。レギュレーション上は従来の1,850ccエンジンと2,000ccエンジンの混走が認められており、性能の均衡化を図るべく、2,000ccエンジンについてはリストリクターによる出力制限が設けられている。規定改正後暫くの間は実際に混走状態が続いていたが、2012年のF4コンストラクター日本一決定戦では全車が2,000ccエンジンを搭載し、移行がほぼ完了した。シャシーも価格がレギュレーションで最高680万円(2011年より)とされ、かつては東京R&D製なども存在したが、後にウエストレーシングカーズの事実上のワンメイクになった。2010年よりカーボンコンポジットモノコックの使用が認められたため、日本自動車レース工業会(JMIA)がF4への積極参入を図る姿勢を表明し、新型シャシーが東京R&D・ムーンクラフト・ZAP SPEEDなど複数のコンストラクターから発売された。なお従来マシンの使用も引き続き可能だが、最低重量が変更されたためその分の調整が必要である。また後述するように、2014年からは旧フォーミュラチャレンジ・ジャパン (FCJ) のマシンも参戦している。タイヤはワンメイクで、シリーズ発足から2011年まではADVAN(横浜ゴム)が指定されていたが、2012年よりダンロップ(住友ゴム工業)に変更になった。近年は、F4においても参戦コストの高騰や支援企業の減少等によりエントラントは減少傾向にあり、2000年代後半にはシリーズ全戦に参戦する台数が10台を割っていた。FJ1600及びF4のエントラントを支援するジャパン・スカラシップ・システム (JSS) は、2006年より「F4日本一決定戦」と題し、FJ1600と同様に優勝者にF3などへのステップアップチャンスを与えるシステムを導入するなどの改革を行ったものの、2006年より発足したほぼ同格のカテゴリーであるフォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ:トヨタ・日産・ホンダの自動車メーカー3社が支援)に近年エントラントの人気が集まったことなどから、参戦台数の減少が続いた。これに対し前述したように、2010年よりエンジン排気量の拡大・新しいマシン規定など、カテゴリ発足以来の大規模なレギュレーション変更が行われた結果、参戦台数は増加する傾向を見せており、今のところはレギュレーション変更が成功したといえる。さらに2013年限りでFCJがシリーズを終了。これに伴い2014年からはトヨタ・ホンダの両メーカーがF4にて若手ドライバー育成活動を行う方針を明らかにしており、カテゴリーの重要性は高まりつつある。F4では2012年より、使用するマシン種別や年齢等に応じて、総合チャンピオンとは別に以下の3つのクラスを設けている。2014年に「FCクラス」が新設されたことで、クラスは全4クラスとなった。国内でも数少ない、日本国内の複数のシャシーコンストラクターが鎬を削るカテゴリーであるという点から、2010年よりF4に「国土交通大臣賞」が設定され、東西シリーズ及び日本一決定戦を通じて最も優勝回数の多いシャシーを製造したメーカーに国土交通大臣杯が授与されることになった。過去の結果は以下の通り。フランスF4()は、フォーミュラ・ルノーの下位カテゴリーであるフォーミュラ・ルノー・キャンパス (Formula Renault Campus) を2011年に名称変更したものである。元々はフォーミュラ・ルノーへのステップアップカテゴリーとして1993年に創設。2010年にはF4 ユーロカップ1.6 (F4 Eurocup 1.6) と名称を改めワールドシリーズ・バイ・ルノーの下位カテゴリーとなったが、同年限りで同シリーズから離脱。2011年より主催者であるフランスモータースポーツ連盟 (FFSA) が「若手ドライバーの育成アカデミー」として同カテゴリーを再編したことから現在の名称に改められた。その名称からもわかるように、マシンはルノー製1.6リッターエンジンを搭載したワンメイク。また若手ドライバー育成を目的とするため、「1月1日時点で満15歳から23歳までのドライバー」に参加資格を限定している。イギリスではブリティッシュ・レーシング・ドライバーズ・クラブ (BRDC) の主催で、2013年よりBRDC Formula 4()の名称でレースが行われている。元々は2006年より同国の750 Motor Clubが主催していたレースが前身。2013年にBRDCとモータースポーツ・ビジョン (MSV) が主催を引き継ぎ、Ralph Firman Racing(RFR)が製造するシャシーに2リッターエンジンを搭載したワンメイクレースである。FIA-F4は、FIAシングルシーター委員会会長(当時)のゲルハルト・ベルガーが主導するジュニアフォーミュラ再編プログラムの一環として、カートとF3の間をつなぐ新たな入門カテゴリとして創設された。ベルガーは前述のフランスF4、BRDC F4やフォーミュラ・ルノーなどを本カテゴリに集約する狙いを示しているが、既に同様のレースを開催しているプロモーター達からの反発も予想される。2014年にイタリアシリーズが開幕したのを皮切りに、2015年より世界各国・各地域において選手権がスタートした。FIAの基準に従い行われるF4シリーズについては「FIA Certified」の認可が与えられ、原則として国ごとのモータースポーツ統括団体 (ASN) の主催で開催される。日本ではSUPER GTを主催するGTアソシエイション (GTA) が運営団体に名乗りを上げ、服部尚貴がプロジェクトリーダーに就任。2015年よりFIA-F4選手権 (F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP) が開幕し、海外ラウンドを除くSUPER GT全戦でサポートレースとして開催されている。競技は1ラウンドあたり予選1回・2レース制。入賞ポイントはJAF地方選手権規定に則り上位10位までに20-15-12-10-8-6-4-3-2-1点が与えられ、全得点の80%を対象とする有効ポイント制で年間順位を決める。ドライバーの参加資格は16歳以上で「限定国内競技運転者許可証A」以上、「国際ドライバーライセンスB」以下の競技ライセンス所持者。ただし、2012年から2014年にGP2、スーパーフォーミュラ、フォーミュラ・ニッポン、F3のレースで3位以内に入賞した者は参加できない。FIA-F4参戦のメリットとして、国内自動車レースの最高峰カテゴリのひとつであるSUPER GTと併催されることで、メーカーやスポンサー、観客に対するアピール度が高まることが挙げられる。レース映像はGTAテレビが制作し、SUPER GTのレース中継を行うJ SPORTSでダイジェスト放送されているほか、テレビ東京系列の「SUPER GT+」でも取り上げられることがある。ホンダ、トヨタはドライバー育成プログラムの支援をFIA-F4へ移しており、また、シリーズチャンピオンには上位カテゴリへのステップアップにつながる奨学金が用意される。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。