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第四間氷期

『第四間氷期』(だいよんかんぴょうき)は、安部公房のSF長編小説。「序曲」「プログラム カード No.1」「プログラム カード No.2」「間奏曲」「ブループリント」の5章から成る。日本で最初の本格的長編SF小説だとされている。万能の電子頭脳「予言機械」を研究開発した博士が、実験台として或る中年男の未来を予言しようとするが、ハプニングに見舞われ事態が思わぬ方向に導かれ、やがて「予言機械」による人類の苛酷な未来予測像と、己の運命が明らかとなる物語。受け容れがたい人類の未来が博士自身の予言機械の未来像であり、それに適応するために、己の研究組織により現在の己が否定されることになるというパラドックスと葛藤が描かれ、日常性と未来の関係、現在にとって未来とは何かを問うている。1958年(昭和33年)、雑誌『世界』7月号から翌年1959年(昭和34年)3月号に連載され、同年7月5日に講談社より単行本刊行された。刊行に際して、初出誌版を大幅に加筆・改稿し、特に最終章の「少年」の登場場面には多くの加筆がなされ、また再刊にあたっても、印刷段階での数多くの脱落部分や誤植個所が修正され刊行された。文庫版は新潮文庫で刊行されている。翻訳版はD.E. Saunders 訳(英題:Inter Ice Age 4)をはじめ世界各国で行われ、高い評価を受けた。なお、1966年(昭和41年)、雑誌『映画芸術』4月号に映画脚本化されたものも掲載されたが、映画化は実現しなかった。安部公房は、『第四間氷期』連載の半年前に作品の構想について以下のように語っている。そして連載後、主題に関わる「未来」と現在の関係については、以下のように語っている。安部は、「現在に、未来の価値を判断する資格があるかどうかはすこぶる疑問で、現在にはなんらかの未来を、否定する資格がないばかりか、肯定する資格もない」と思うとし、「真の未来は、おそらく、その価値判断をこえた、断絶の向うに、〈もの〉のように現われる」と考察しつつ、室町時代のような過去の人間の視点から見た現代がどう映るかを、現代人から見た未来に重ねて、「おそらく、残酷な未来、というものがあるのではない。未来は、それが未来だということで、すでに本来的に残酷なのである。その残酷さの責任は、未来にあるのではなく、むしろ断絶を肯んじようとしない現在の側にあるのだろう」と語り、以下のように説明している。また、『第四間氷期』を執筆中、安部自身が未来との「断絶」の残酷さに苦しめられ、その残酷さから完全にのがれることが不可能なことを知ったとし、以下のように語っている。世界初の予言機械「モスクワ1号」がソビエトで開発され、各自由諸国における天気予報から株価予測、各種の経済指数まで正確に的中させていた。日本もそれに対抗するため、中央計算技術研究所の「私」(勝見博士)が予言機械「KEIGI-1」を開発した。「KEIGI-1」は、人の脳波から、記憶や人格をも再現することができるようになっていた。ソビエトでその後開発された「モスクワ2号」は、未来は共産主義の世の中になるとの予言をし、アメリカはそれに対し抗議を表明し、国際友好をおびやかす政治的予言が非難された。日本のプログラム委員会や統計局もそれに影響され、政治問題に結びつきそうなものを制限し、新しいプログラムを研究所に要請した。一個人の人間の未来を予言してみることにした「私」と助手の頼木は、街で見かけた或る中年男に目をつけ尾行した。男は誰かと待ち合わせしていたが、すっぽかされ愛人のアパートに入っていった。部屋の位置を頼木が確かめに行き、「私」と頼木はひとまず引揚げた。翌日、男が部屋で殺されたという記事が新聞に載った。愛人の女が殺しを自供していたが、状況から犯人は女とは思えなかった。男を尾行していたことをタバコ屋に見られていた「私」と頼木は、自分たちに嫌疑が及び、そこからマスコミに研究所の仕事をかぎつけられることを危惧した。先手を打って真犯人を捜し、予言機械を犯罪捜査に利用できる道を考えた「私」と頼木は、統計局の協力で、警察から男の屍体を中央保険病院に運び、大脳皮質の反射を機械にかけ、生前の記憶を解析した。男の神経の痕跡は、愛人が或る病院で妊娠3週間の堕胎手術を受けて7千円をもらい、その後同じ境遇の妊婦を紹介するブローカーの内職で報酬を受けていたことを語った。「私」に脅迫電話がかかって来た。面倒なことに巻添えをくったと「私」は考えたが、頼木の意見もあり、さらに女も連れ出し機械で調べようとするが、途中で女が毒殺され、神経反応も調べられなくなった。そのとき頼木が世界では哺乳動物の母胎外発生の研究がひそかに盛んに行われていると言い出し、水棲哺乳類を見たことがあるという話をした。前回子宮外妊娠をして、堕胎の処置を迷っていた「私」の妻が、何者かにおびき出されて胎児を堕胎させられた。「私」はこれまでの経緯に何か仕組まれた意図を感じ、頼木がこの件の首謀者ではないかと疑い出した。「私」は頼木と一緒に、中央保険病院の山本博士の義兄が所長をしているという母胎外発生研究所へ行ってみた。そこは鎧橋を渡ったところにある研究所で、水棲鼠や水棲豚などが飼育されていた。「私」は妻が堕胎手術を受けた場所が山本研究所ではないかという確信を深め、妻を予言機械にかけようと思った。「私」は奪われた自分の子供(胎児)が水棲人間として成長し、「私」に抱く感情や暗い未来を考え、胎児を殺してしまいたかった。そのとき「私」の行動を阻止する脅迫電話が再びかかってきた。それは「私」自身の声だった。その声は第一次予言で「私」の未来を見た第二次予言値だった。機械を操作しているのは頼木だったが、それを指示しているのは〈私〉だったのだ。「私」は〈私〉が雇った暗殺者の男と一緒に、実は水棲人間養育場の委員会となっていた「私」の研究所へ行った。〈私〉は、未来を知ったときの「私」が何をするのかすでに予言していて、「私」は殺されることになっていた。「私」の第二次予言値である〈私〉は、「ある未来を救うために、べつの未来を犠牲にしなければならないような時代には殺人もやむを得ない」と言った。「私」の開発した予言機械は、地球がやがて地下の火山活動による海水の生成により水没することを予言し、その対処のために研究員たちにより水棲人間養育がすでになされていたのだった。1966年(昭和41年)、雑誌『映画芸術』4月号に掲載。東宝が映画化を企画したが、実現はしなかった。シナリオの表紙に書かれた脱稿日は、1965年(昭和40年)9月7日となっている。映画監督の堀川弘通によると、軽井沢・千ヶ滝の白木牧場内にある貸別荘で執筆されたものだという。『第四間氷期』の映画化を望んでいた堀川弘道は、「着想の秀抜さ、スケールの雄大さ、一読、私が、この作品の映画化に夢中になったのはもっとも」と語っている。

出典:wikipedia

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