『シュート!』は、大島司による日本の漫画。『週刊少年マガジン』(講談社)にて、1990年36号より2003年24号まで約13年間にわたって連載された。1994年には第18回講談社漫画賞を受賞。本作は四部編成になっており、それぞれのタイトルは以下のように分けている。主人公は全体を通じて田仲俊彦であるが、第四部ではもう一人の主人公として伊東宏が登場する。舞台となる学校は第一部・第三部が掛川高校、第二部が掛川西中学校、第四部が掛川高校と九里浜学園高校である。(主に第一部の)作風としては、先輩に憧れる一人の少年の心理を中心に描いた物となっている。このため、スポーツ界の冷酷さよりも、スポーツを媒体にしたヒューマニティーを描いている。登場人物の特徴として、「裏主人公」が何人かおり、「表主人公」である田仲よりも大きい存在感を発揮することすらある。単行本でのキャッチフレーズは、「俊彦と一美が織りなす、ハツラツ青春サッカー物語。」。1993年11月7日から1994年12月25日にかけて、フジテレビ系列で『蒼き伝説 シュート!』の題名でアニメ化、1994年3月12日にSMAP主演で実写映画化、冬にはアニメ映画化もされている。『週刊少年マガジン』2014年28号に、ブラジルW杯編を描いた続編の読み切りが掲載された。物語の前年、1年生ばかりの掛川高校サッカー部は藤田東高校を破り、その中心選手で事実上監督も兼ねていた久保嘉晴はすでに伝説的な扱いを受けていた。田仲俊彦は久保に憧れて掛川高校へと進学しサッカー部へ入部、時を同じくして遠藤一美はマネージャーとなる。田仲とともに「掛西中トリオ」と呼ばれていた平松和広と白石健二も掛川高校へと進学していたが、それぞれの事情によりサッカー部には入部しなかった。神谷篤司をはじめとする2年生は「1年生は夏のインターハイ予選に出さない」と宣告すると、不公平に感じた1年生は2年生に紅白戦を挑んだ。戦力差は明らかであったが、平松・白石の途中加入により2年生チーム1点リードの接線で終盤を迎える。終了直前に掛西中トリオが必殺の「トリプルカウンターアタック」を仕掛けたが、神谷に防がれてそのまま試合を終えた。この結果により実力を認め、1年生の試合起用を約束する。久保が病気から復帰し、掛川高校は万全な体制でインターハイ予選を迎えた。苦戦もありながら準決勝まで駒を進め、相手は掛川北高校。斉木誠、広瀬清隆、三橋英二郎らの活躍によって掛川高校は苦境に立たされる。久保は自陣ゴール前で守備に徹していたが、突如白石にボールを要求し猛然とドリブル突破を仕掛ける。久保のドリブルを誰も止めることはできず、掛川北のすべての選手をかわして同点ゴールを決めた(後に伝説として語られる「奇跡の11人抜き」「ゴールトゥゴール」)。しかしその瞬間、久保がピッチに崩れ落ちた。その後「トリプルカウンターアタック」により逆転勝利を収めるが、試合終了後に久保が死んだことを告げられる。久保を欠いたチームは戦力的・精神的に不完全で、決勝戦は藤田東高校に大敗を喫した。転校生の馬堀圭吾がサッカー部に入部する。馬堀は一時、久保に固執するチームメイトと対立するが、紅白戦によって関係性は修復され、チームとしての団結が生まれる結果となる。選手権予選を前に久保の背番号10は田仲に引き継がれた。田仲は10番の重圧に負けて調子を崩したり、久保が自分の目指すべきスタイルと勘違いしてから回るなどするが、一美と神谷の助けにより本来目指すべきスタイルを取り戻している。決勝戦の相手はインターハイと同じ藤田東高校。試合の藤田東優位で進むが、掛西中トリオの活躍で挽回。平松の単独突破で同点、田仲の幻の左で逆転し雪辱を晴らした。全国大会1回戦・埼玉県代表青城南高校戦を圧勝し、2回戦の相手は北海道代表鶴ヶ崎学園高校。氷室明彦の堅守に阻まれロースコアの接戦となるが、最後は平松の決勝点で辛くも勝利する。4回戦の相手は愛知県代表豊川高校。トラブルにより白石を欠いて臨んだこの試合は、互いに点を取り合う展開で終盤を迎えた。終了直前に交代で出場した白石はPKを止め、最後は田仲が決勝点を上げた。準決勝の相手は群馬県代表前山工業高校。田仲とヴィリーが10番を賭けて得点を競い、田仲がハットトリックを達成し、試合も掛川の勝利となった。決勝の相手は東京都代表帝光学園高校。王者帝光相手に延長戦に突入する激戦となり、最後は平松と田仲による「回転軸を2つ持つ幻のシュート」で優勝を決めた。田仲たちはユース代表合宿に招集を受け、久保によく似たジョージ光岡(光岡丈時)と出会う。紆余曲折ありながら日本代表の柱と認知されていく光岡だったが、最終的には光岡は日本ユースと闘いたいと決意し、ブラジルへの帰国を決める。その後発表されたドイツ遠征メンバーでは、田仲が10番を背負うのであった。ドイツ遠征ではドルトムントユースと対戦。トラブルもあり成り行きで光岡も出場し、田仲や神谷に助言を与える。水木光一の誘いを受けて掛川西中学校へ入学した田仲俊彦。入学初日に出会ったのはサッカー部で同じポジションを競う平松和広と、地元では不良として有名な白石健二であった。当初は田仲をライバル視していた平松は、田仲の言葉を受けてパートナーとして意識するようになるが、田仲の小学校時代のパートナー奥山良の激しい嫉妬を受けることとなる。また、白石は担任で監督の大原由実子から入部祝いとしてスパイクを受け取るが…。臨んだ全国大会県予選・南陽中戦。「三連山」の前に先制を許すが、平松の「ヒールリフト」と「トリプルカウンターアタック」で逆転勝利を収める。見取中戦では奥山と、大原由実子の弟・大原裕と対戦する。均衡した試合展開ながら、田仲は大原の堅牢な守備を打ち抜けず、1点のビハインドで終盤を迎えた。「トリプルカウンターアタック」でチャンスを迎えるが、左足のシュートを苦手とする弱点を知る奥山に右足でのシュートを防がれる。左足でのシュートを戸惑う田仲であったが、意を決して左足でシュートを放ち、強烈なシュートが同点ゴールへと突き刺さる。後の「幻の左」の誕生の瞬間であったが、未成熟な骨格が耐えられず左足を痛めてしまう。試合はそのままPK戦に突入し、最後は田仲のゴールで掛西が勝利を収める。この試合により田仲の左足の潜在能力に気づいた水木と大原由実子であったが、今はまだそれを本人に告げる時期ではないと判断する。近い将来、それを開花させてくれる人が現れるのを期待して…。新1年生を加え、インターハイ制覇を目指す掛川高校サッカー部。しかしピッチには田仲俊彦と神谷篤司の姿はなかった。主力2人を欠いたチームは毎試合のように苦戦し、怪我によるベンチスタートであった神谷の途中出場により辛くも決勝トーナメントの駒を進めていく。選手としての壁を感じていた田仲は、スペインを訪れていた。水木光一を頼って訪れるも迷っていたところ、遠藤一美によく似たイザベル・ゴンザレスと、かつてスペインの至宝とまで呼ばれたペドロ・フォルネルと出会う。ペドロはイザベルの兄マルコ・ゴンザレスとライバル関係にあり、試合中にマルコに大怪我を負わせてしまったことからサッカーを離れていた。ペドロをサッカーに復帰させたいと願うイザベルは、田仲にその想いを吐露する。独自のトレーニングにより、田仲は必殺のドリブルを完成させつつあった。ペドロのチーム復帰を望むかつてのチームメイトの要請を受け田仲は3部リーグのチームと契約するが、それに対抗するようにペドロはライバルクラブと契約し、リーグ最終戦で対決することになる。田仲とペドロの点の取り合いに突入した試合は終盤に田仲の「ファントムドリブル」で勝ち越し、熱意を取り戻したペドロはチームへの復帰を決める。スペインで成果を得た田仲は、チームメイトの待つ日本へと帰国した。準決勝を迎えた掛川高校、相手は奥山良率いる清水中央高校。未だ田仲を欠いたチームは、怪我を押して出場した神谷の活躍で善戦するも、終盤同点に追いつかれたところで神谷の膝が限界を迎える。神谷はこのタイミングで退くことに不安を感じたが、タイミング良く試合に駆けつけた田仲と交代する。交代で出場した田仲は、「ファントムドリブル」で決勝点をあげる。決勝の相手は3度藤田東高校。監督には平松和広の父で、かつての名プレーヤー平松修が就任していた。選手としても加納隆次の弟・豪樹、平松修の治療を受けに来日していたマルコ・ゴンザレスと、戦力は大幅に増強されていた。神谷を欠く掛川高校は、高い戦力と神谷を完全コピーした豪樹の前に翻弄される。後半から神谷が投入され試合の流れは一変、豪樹のスタイルを封じて掛川優勢となるが、豪樹が本来のサッカースタイルへと変化させ拮抗した展開となる。同点のまま試合は延長戦に突入、後半戦も終了間際に自陣ゴール前で神谷が単独ドリブルを開始する。次々と藤田東の選手をかわす神谷の姿は、敵味方にかつての「奇跡の11人抜き」を思い起こさせたが、ペナルティーエリア目前にしてDF陣に囲まれてしまう。神谷は田仲にバックパスを送ると田仲は「ファントムドリブル」を開始、マルコまでも抜いて決勝点をあげてハットトリックを達成する。「声」はアニメ版の声優、「学年」は田仲俊彦(トシ)を基準とした学年差(0は同学年)。連載開始時点で創立2年目の新設校、サッカー部は久保らによって創部され2年目。「自由なサッカー」を標榜してトータルフットボールを目指し、4-3-3を基本とした攻撃的なサッカーを繰り広げる。逆境に強く、劣勢となった試合で度々逆転勝利を収め、創部2年にして選手権で優勝するなどの偉業から「ミラクルチーム」と呼ばれる。伊東宏という天才レフティを擁し、伊東を中心に据えた4-5-1や3-5-2を基本とした「キングダムサッカー」を展開する。監督の大原由実子によると、掛川に多いオールラウンダーな選手は少ないが、ポジション別に見ると能力の高い選手が揃っている。静岡に君臨する、全国大会の常連校。伝統的な得意技として「フラッシュパス」を持ち、個々の能力も高い。1年目の冬の選手権静岡県予選で「フラッシュパス」を一度は掛川・平松に完璧に封じられるが、インターハイに向けて平松修が監督となった際に新たな仕掛けとともに復活を遂げている。静岡県西地区における有力校の1つ。立地的にも掛川高校とはライバル関係にある。近年は優勝争いからは遠ざかっているが、静岡県西地区の古豪。静岡のかつての強豪で全国大会への出場経験もあるが、近年は低迷している。不良の集まる高校で、ラフプレーが多い。氷室の入学前までは全国大会出場できる力はなかったが、氷室の入学後は氷室を中心とした守りのチームとして完成している。氷室をリベロに据えたディフェンス陣は大会屈指の強固さ。全体をコンパクトにまとめてゾーンプレスを仕掛けながら、攻撃の指揮をヴィリー、守備の指揮を東が同時に行うことで攻守の切り替えを素早く行う「双頭の竜」と呼ばれる戦術を有する。ディフェンダーとフォワードの層は厚いものの、中盤の実力者が姫野しかいないため攻撃のパターンが少ない。初戦の対掛川戦の前は(主に姫野と市川が)テレビなどで掛川をバカにする発言を繰り返していたが、いざ試合が始まってみれば、試合早々からオフサイドトラップを仕掛けられて攻撃の芽を摘まれる、中盤を支配された挙句に失点を重ねるなど、散々な結果に終わってしまった。高校サッカー界最強と謳われる。相手と同じ戦術を使用し、個々の能力で圧倒する伝統的な戦術は「悪魔の鏡(デモンズミラー)」と呼ばれ、恐れられている。全国から家庭の事情でサッカーを続けられなくなった選手を奨学金で集めている。前沢が監督に就任してからはユーティリティー性のある選手やコンバートした選手でメンバーを揃え、頻繁にポジションチェンジを行う特殊な戦術を用いている。卒業生から毎年東京大学への合格者が出ている県内有数の進学校である。チーム全員が司令塔に必要とされる「空間把握能力」を持っており、それぞれが最善と考えるプレイを行う「11人の司令塔」という特異な戦術を用いる。1993年11月7日から1994年12月25日にかけてフジテレビ系列で『蒼き伝説 シュート!』としてアニメ化。当初は1993年10月17日放送開始予定だったが放送期間の調整のため、前番組の『有言実行三姉妹シュシュトリアン』を3話延長し、11月7日からの放送開始となった。『シュシュトリアン』まで東映不思議コメディーシリーズを放送していたフジテレビの日曜午前9時枠は、本作より東映動画(現・東映アニメーション)が制作するアニメ枠となる。なお、主人公俊彦役の緑川光は本作がテレビアニメ初主演作である。ストーリーは概ね原作『シュート!』に準拠しているが、一美を取り巻く俊彦と和広の駆け引き・健二と夏子の恋模様はドラマティックに描かれている。22話では一美・俊彦の飲酒や、俊彦が一美の胸を見て興奮してトイレに駆け込み、夏子が「朝から元気だから気をつけてね」と一美に言う際どいシーン(KC9巻収録)など未成年にそぐわないシーンはそのまま映像化された。終盤には一美がアイドルとして楽曲をリリースするという設定が加わり、実際にエンディングテーマとなった他、1994年12月16日にメルダックから「KAZUMI」というタイトルで日高のり子が歌うミニアルバムが発売された。2005年にハピネット(発売元:avex mode)からDVD-BOXとレンタルDVDが発売された。1994年冬東映アニメフェアで映画化された。1994年12月4日、全国東映系公開。上映時間30分。同時上映は『劇場版美少女戦士セーラームーンS』と『おさわがせ!スーパーベビー』。1994年3月12日、松竹系にて公開された。監督は大森一樹である。撮影に使用されたのは原作の掛川市の高校ではなく、当時新設校であった神奈川県の公文国際学園。舞台挨拶も東京都区部の松竹系映画館で実施された(なお、当時の掛川市には映画館がなかった。)。原作との相違点としては、前述のロケーションのほか、原作には登場しない遠藤一美の父親が議員という設定になっている。2006年秋頃、ホットペッパーのTVCFに、この作品の映像が使われた。2010年1月4日には『SMAP伝説の映画「シュート!」 スマスマ史上最大の生放送直前一挙公開SP』として、15:00 - 17:54(JST)にフジテレビと一部系列局でHDリマスター版が放送された。ただし、映画自体の放送は15:10 - 17:18までで、その前後には同日放送された『SMAP×SMAP '10 史上最大4時間半生放送! 新春ドリームスペシャル』の事前番組を放送。なお、本作にはのちに男性グループSMAPから脱退したメンバーの森が出演しているが、DVDが発売されている。いずれもアニメを題材とし、『蒼き伝説シュート!』のタイトルで発売された。内容は原作の冬の県大会編に相当するが、馬堀の代わりに久保を使用することもできる。セーブ機能は一切なく、パスワードでコンティニューする形式になっており、試合ごとに異なっている。試合前に特訓と称したミニゲームがあり、クリアすると必殺技の使用回数が一回増える。タイトルを冠した上記の作品以外に、プレイステーション版『コンビネーションプロサッカー Jリーグの監督になって世界をめざせ!』に、作中のユース代表ドイツ遠征メンバーのうち背番号の分かっている14名と、久保、馬堀の16名が実名で登場している。
出典:wikipedia
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