レアル（）は、スペイン語圏・ポルトガル語圏の通貨。現行通貨はブラジル・レアルのみだが、かつては多くの国で使われていた。スペイン語・ポルトガル語とも、仮名では「レアル」と音写されるのが慣例だが、ポルトガル語での実際の発音は若干異なり、ポルトガルでは （リアル）、ブラジルでは （ヘアウ）となる。複数形はスペイン語ではレアレス ()、ポルトガル語ではレイス () またはレアイス () である。ただし「レアイス」は、ブラジル新レアル（1994年以降）に限り使われる。一般名称としては、両言語で「王（の）」を意味する語で、英語の （ロイヤル）と同根である。14世紀半ばのペドロ1世の時代に、初めてレアル銀貨が発行された。その価値は3マラベディだった。その後もさまざまなレアル銀貨が作られ続けた。その価値は初期は一定しなかったが、1497年には34（32とも）マラベディのビロン貨（銀含有率の低い銀貨）に固定された。8レアル銀貨は、ドルもしくはペソとも呼ばれた。1566年、16レアルに等しい通貨としてエスクード金貨が発行された。1850年、にともない、レアルが通貨名称として採用された。1864年、レアルは、「1レアル = 10エスクード」のレートでエスクードにデノミネーションされた。1868年、エスクードは「0.4エスクード（=4レアル）= 1ペセタ」のレートでペセタにデノミネーションされた。これらのレートをユーロに換算すると、「665.544レアル = 1ユーロ」となる。1380年ごろのフェルナンド1世の時代、120ディニェイロの価値を持つ銀貨として発行された。1854年、1000レアル=金1.62585gとする金本位制が制定され、1891年まで続いた。このころから、「1000レアル（1000レイス）」を略した「ミルレイス ()」という呼び方が広まり、1000レアル（1ミルレイス）を「1$000」と書くなど、レアルがミルレイスの補助通貨であるかのように扱われることもあった。1911年、「1000レアル = 1エスクード」のレートでデノミネーションされた。このレートをユーロに換算すると、「20万0482レアル = 1ユーロ」となる。中南米のスペイン植民地で使われていたスペイン植民地レアルが、植民地独立後も各国の通貨として使われた。原則として、スペイン本国同様、「1レアル = 1/16エスクード = 1/8ペソ」だった。ただし例外的にベネズエラでは十進化がなされ、「1レアル = 1/10ペソ = 1/10ベネゾラノ」だった。まだブラジルがポルトガル植民地だった1790年に、ブラジル・レアルが初めて導入され、1822年の独立後もそのまま使われ続けた。1942年、「1000レアル（1ミルレイス）= 1クルゼイロ」のレートでクルゼイロにデノミネーションされた。その後もスーパーインフレに伴い、デノミネーションが繰り返された。1994年、「2750クルゼイロレアル = 1レアル」のレートでデノミネーションされ、52年ぶりにレアルが通貨となった。1942年以前の旧レアルとの換算レートは「275京旧レアル = 1新レアル」となる。 「レアル」はアラブ世界に伝わり「リアル（リヤル）」となった。現在も、いくつかのアラブ国家やイランなどで使われている。オランダ領のキュラソー島では、1793年から1827年まで、スペイン・レアルに由来するキュラソー・レアール () が使われていた。

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