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名鉄モ800形電車 (2代)

名鉄モ800形電車(めいてつモ800がたでんしゃ)は、かつて名古屋鉄道(名鉄)に在籍した路面電車車両。車両中央部分を低床構造とする部分低床構造の超低床電車である。美濃町線・田神線用に3両が投入され、2000年(平成12年)より運行を開始した。2005年(平成17年)3月末をもって路線が廃止されたため、3両のうち1両は豊橋鉄道に譲渡され豊橋鉄道モ800形電車(2代)となり、残りの2両は福井鉄道へ譲渡されて福井鉄道モ800形電車となった。本項では名鉄時代とあわせて移籍後の状況についても記述する。モ800形が投入された名鉄美濃町線は、岐阜県の岐阜市と関市・美濃市を結んでいた路線である。ただし投入前年の1999年(平成11年)に関市から美濃市内までの区間が廃止されており、導入時点では関駅が終点であった。起点は岐阜市内の徹明町駅とされていたが、大部分の列車が田神線経由で各務原線の新岐阜駅(2005年名鉄岐阜駅へ改称)へ乗り入れており、新岐阜駅と関方面を結ぶ系統が主流となっていた。美濃町線・田神線は道路上を走る併用軌道区間も存在する路面電車線で、架線電圧は直流600ボルトを採用していた。一方で鉄道線の各務原線の架線電圧は直流1,500ボルトであり、新岐阜駅へと乗り入れる車両は双方の電圧に対応する複電圧車に限定された。モ800形投入以前の段階では、直通運転に伴って1970年(昭和45年)に導入されたモ600形と、1980年(昭和55年)に導入された連接車のモ880形が新岐阜・関方面間の直通列車に充当されていた。しかしながら先に投入されたモ600形は、床面の高さ(レール上面からの高さ)が1.0メートルという高床式車両で、乗客の乗り降りに難がある上に、冷房化が困難であった(モ880形は1990年代初頭に冷房化)。新岐阜直通用以外の美濃町線用車両も冷房化が進む中で、名鉄では、冷房化・バリアフリー化を求める現代社会にはそぐわない車両であると判断し、代替車両のモ800形を投入することとなった。モ800形を開発した当時、名鉄以外の路面電車事業者を見ると、熊本市交通局9700形(1997年導入)や広島電鉄5000形(1999年導入)といった車両が新造され、100%低床構造の超低床電車が普及しつつあった。この趨勢に鑑み名鉄では新造車モ800形のコンセプトを「これからの時代にふさわしい低床車両」としたが、車両の長さを14メートル級と想定し、既存の車両と保守面で互換性を持たせることを設計の条件としたため、長編成で特殊な台車や駆動装置を持つ熊本や広島で導入されたような車両の採用は不可能であった。このような条件を満たすべく、モ800形は在来車と同じ構造の台車・駆動装置を使用するボギー車ながら、台車間の車両中央部を低床構造とする部分低床車とされた。車両メーカーは日本車輌製造。先行する超低床電車2形式は日本国外で製造された主要機器ないし車両全体を輸入しており国外の技術によるものであったが、モ800形は部分低床車ではあるが日本初の国産超低床電車である。モ800形は、全長14.78メートル、全幅2.22メートルの車体を備える。車体の高さは3.32メートルで、パンタグラフ折りたたみ高さは3.88メートルとなっている。車両重量は18.9トン。車体の塗装は名鉄のイメージカラー赤色(名鉄スカーレット)ではなく、ライトグレーを基調にグリーンを配するものとされた。新型の低床車両ということで斬新で清潔なヨーロッパ風の塗装とし、さわやかなイメージとして人と地球に優しい交通機関であることを表現しているという。部分低床車であり、車内は高床部分と低床部分に分かれる。高床部分は台車上から運転台にかけて(すなわち車両両端)であり、レール上面からの高さは72センチメートル。一方低床部分は車両中央部で、レール上面からの高さは42センチメートルとなっている。高床部分と低床部分は階段ではなく10パーセントの勾配のスロープで繋がれる。この10パーセントの勾配は他の電車のスロープ(参考としたのはパノラマカーの展望客室、国外の部分低床車など)にも採用されており、電車車内に10パーセントのスロープを設置して急ブレーキ時の立席客の安全性などを検証した結果問題点がなかったことからモ800形でも採用された。ドアは片側3か所ずつ計6か所配置されている。運行に際しては「中乗り前降り」方式を採用していることから、低床部分にある中央のドアが乗車用、高床部分にある前後の運転台側のドアが降車用である。乗車用ドア部分は20%のスロープによってさらに床面が下げられており、ドアと連動して展開されるドア外のステップはレール上面から38センチメートルの高さとなっている。この結果、ドアステップと停留場のホームとの段差は7.5センチメートルに抑えられ、附属する引き出し式補助板を用いることで車椅子利用者の乗降にも対応する。このように乗車口の段差を解消することで乗車時間の短縮を図っている。反対に降車用ドア部分は段差が残るが、これはワンマン運転時に運転手が運賃の収受などを行うことから低床化にかかわらず迅速な降車は望めない、との判断からである。なお乗車用ドアは幅120センチメートルの両開き戸、降車用ドアは幅75センチメートルの折戸である。車内にスロープがありロングシートは適当でないことから座席はクロスシートが基本である。クロスシートはドア間に5列ずつあり、通路を挟んで2人掛け座席と1人掛け座席が並ぶが、両運転台寄りの各2列は両側に1人掛け座席が並ぶ。中央部、乗車用ドアの向い側のみロングシートが配置されており、2か所のうち片側は車椅子スペースを兼ねるため折りたたみ式の座席となっている。定員は72名で、そのうち座席定員は30名である。車内は明るい空間とするため、内張りの化粧板にはライトグレー系の明るい色彩を採用。座席の生地は明るい青色を主体に黄色・橙色のペイントタッチ模様が入るものとした。またスタンションポールも視認性の良いローズピンクで塗装されている。車体前面の前照灯はシールドビーム、尾灯はLEDによる。前面中央部には「乗車中」の文字を表示する表示器を配する。また側面車端部の下部には車幅灯があり、運転台の方向指示スイッチを操作することでウインカーとして使用できる。台車は車体重量を心皿と両側側受けの3点で支持するインダイレクトマウント方式のボギー台車で、形式名はFS-567形。枕バネは空気バネ方式、軸箱支持装置はペデスタル式。外側の動輪と内側の従軸で車輪の大きさが異なる異径車輪台車でもあり、車輪の直径は動輪が610ミリメートル、従輪が530ミリメートルとなっている。内側の従輪を小径としたのは、スロープ部分を車端方向へ寄せて低床部分を可能な限り広くとるため。なお動輪も床面を極力下げるために在来車両よりも小径である。台車側面には走行時周囲に威圧感を与えないよう台車カバーが取り付けられた。主電動機は出力60キロワットのかご形三相誘導電動機(形式名MB-5090-A形)で、1両につき2台搭載。「WN継手」で動軸を駆動するWN駆動方式を名鉄で初めて採用している。主電動機へ送る電力を制御する制御装置はIGBTによるVVVFインバータ制御方式で、装置の形式名はMAP-062-15V91形。1台の制御装置で2台の主電動機を制御する(1C2M方式)。また制御装置は美濃町線・田神線の架線電圧600ボルトおよび各務原線の架線電圧1,500ボルトの双方に対応する複電圧仕様である。電圧による主回路つなぎの変更はなく、ソフトウェアでインバータの制御定数を変更することで出力電圧を同一とし、複電圧に対応する。制御モードの切り替えは電圧切り替え地点(デッドセクション)の通過を検知して自動的に行われる。設計最高速度は60キロメートル毎時だが、名鉄線での営業最高速度は40キロメートル毎時に留まる。ブレーキは、主電動機による回生ブレーキを併用する電気指令式電磁直通ブレーキである(形式名MBS-R形)。応荷重装置も附属する。台車に設置された空気ブレーキ用の基礎ブレーキ装置は片押し式踏面ブレーキ。ブレーキ関連の機器は運転台床下に配置されており、関駅側床下には空気圧縮機、反対側の新岐阜駅側床下にはブレーキ作用装置や保安ブレーキ装置がそれぞれ配置されている。また圧縮機からの空気を溜める空気タンクは細長い形状としてスロープ部分の床下に取り付けられている。集電装置はシングルアーム式で、屋根上の関駅側に設置。冷房装置はCU771A形ユニットクーラーを採用する。この他にも、低床構造により床下にスペースがないことから、通常床下にある制御装置、補助電源装置、接触器などをモ800形では屋根上に置いている。なお補助電源装置(静止形インバータ)も制御装置と同様の機能により複電圧に対応しており、これによって冷房装置が架線電圧1,500ボルト区間(各務原線内)でも作動する。他の直通用複電圧車(モ880形およびモ870形)の冷房装置は各務原線内では作動しなかった。運転台の機器は、モ800形に先立って岐阜市内線・揖斐線に投入されたモ780形を基本的に踏襲。左手側にマスター・コントローラー(主幹制御器)、右手側にブレーキレバーを配置する2ハンドル方式となっている。ワンマン運転に対応しており、運賃箱・整理券発行機・自動放送設備などを運転台で集中制御できる。モ800形は2000年(平成12年)6月30日付で3両(801・802・803)がそろって竣工。同年7月19日より営業運転を開始した。運行路線は美濃町線・田神線と田神線に接続する各務原線の一部(新岐阜 - 田神間)である。運転開始にあわせて新岐阜駅と新関駅にて発車記念式が開催された。運転開始後、2000年11月に岐阜県による「GIFUバリアフリー賞」を受賞。次いで翌2001年(平成13年)8月には鉄道友の会の「ローレル賞」を受賞した。ローレル賞受賞は、国外の連接式超低床電車とは異なる設計思想を持つ1両単位のボギー車を、設計上の様々な制約の中で実現した点が評価されたためである。受賞を記念して8月5日に、新岐阜駅などでの記念イベントや記念列車の運行が名鉄および鉄道友の会により開催された。モ800形運転開始から2年経った2002年(平成14年)9月、名鉄は乗客減少が続く美濃町線・田神線および岐阜市内線・揖斐線(4路線をあわせて「岐阜600V線区」などと総称する)からの事業撤退の意を沿線自治体に対して表明するに至る。存続に向けた動きがあったものの2005年(平成17年)3月31日限りで岐阜600V線区はすべて廃止された。路線の廃線に伴ってモ800形は名鉄では廃車となる。結果的に、モ800形は岐阜600V線区に投入された最後の新造車両となった。短期間に終わった名鉄在籍中で特記すべきことは、岐阜を離れて福井県の福井鉄道に貸し出されたことである。貸し出されたのは802。2001年10月9日深夜に岐阜を出発し、翌日福井に到着した。福井鉄道への貸し出しは10月12日から11月4日まで24日間にわたって行われたトランジットモール実験のためである。同実験は福井市の中心市街地に位置するJR福井駅前電車通りにて市の「賑わいの道づくり事業」の一環として実施。期間中には「すまいるトラム」と称し、福武線の福井駅前と福井新駅(現・赤十字前駅)・田原町駅の間においてそれぞれ30分間隔でシャトル電車が運転された。このシャトル電車に、802は福井鉄道に在籍するモ560形562とともに充当された。福井鉄道は当初、802ではなくモ570形575を名鉄から譲り受けて使用する予定であったが、古い車両では社会実験の効果が薄れるとして急遽デビューから1年余りの新車を借り受けて使用した。実験終了後、802はただちに岐阜へ返却されている。名鉄美濃町線の廃止に伴い、モ800形3両のうち1両(801)は豊橋鉄道に譲渡された。形式名はモ800形のままで、車両番号も801で変更はない。赤岩口車庫への搬入は2005年4月26日。801が移籍した豊橋鉄道の東田本線は、愛知県豊橋市を走る路面電車線である。名鉄の岐阜600V線区の廃線に伴い、801とモ780形7両の計8両が豊橋鉄道へと移り、旧型の在来車を置き換えた。入線に際して赤岩口の自社工場にて改造されたが、ワンマン運転関連機器の追加設置などの小改造に留まり、塗装は変更されていない。営業運転の開始は2005年8月2日。同日、豊橋市市制施行100周年を記念する「とよはし100祭」の最初のイベントとして、駅前停留場にて801の発車式が開催された。モ800形の導入により豊橋では低床車両の有用性が知られるようになり、2008年(平成20年)の100%低床構造超低床電車T1000形(愛称「ほっトラム」)の導入に繋がった。東田本線では前側のドアを乗車口、中央のドアを降車口とする「前乗り中降り」方式を採っており、名鉄時代とは逆である。また同線のうち井原より運動公園前へ分岐する支線には、分岐点に半径11メートルの急カーブがあるが、モ800形はこのカーブを曲がれない(最小曲線半径は25メートル)。このことから駅前 - 井原 - 赤岩口間のみの運行となっている(T1000形も同様)。2011年(平成23年)5月、801は車体に防犯や交通安全を呼びかけるメッセージや愛知県警察のマスコット「コノハけいぶ」が描かれたラッピング電車「安全安心号」となり、11日に駅前停留場にて出発式が開催された。さらに翌2012年(平成24年)4月にはパトロールカーをイメージした白黒の車体塗装の「パト電車」となり、10日に同じく駅前停留場で出発式が開かれた。名鉄美濃町線の廃止に伴い、モ800形3両のうち2両(802・803)は福井鉄道に譲渡された。形式名はモ800形のままで、車両番号も802・803で変更はなく、福井鉄道では801は欠番となっている。2両のうち802は前述の通り2001年に福井鉄道に期間限定で貸し出された車両である。またモ800形以外にもモ880形とモ770形も名鉄から福井鉄道へと渡った。福井鉄道への譲渡に先立ち、名鉄岐阜検車区において福井鉄道仕様への改造工事が実施された。モ800形に施工された改造は、塗装変更、方向幕・自動放送の交換、自動列車停止装置 (ATS) の交換(M式ATSから福井鉄道仕様へ)、列車無線機の交換、それに電圧転換器の撤去である。車体の塗装は白・青・緑・黄緑の4色からなる新しいもので、それぞれ福井の雪・海・山・野をイメージしているという。工事終了後の2005年9月28日、第一陣として西武生駅(現・北府駅)の福井鉄道車両工場に802と770形2両が到着。モ800形のうち残る1両は30日に到着した。802・803が移籍した福井鉄道の福武線は、福井県の越前市(旧武生市)・鯖江市・福井市を結ぶ20キロメートル余りの鉄道路線で、福井市内の一部に道路上を走る併用軌道区間があるという特徴を持つ。車両は開業時から鉄道線用の高床車両が主力で、ドアに乗降用のステップを取り付けて併用軌道区間に直通させていた。だが名鉄から低床車両3形式(モ880形・モ770形・モ800形)を譲り受けるのを機に鉄道線区間の駅ホームを切り下げ(ホーム高さは88センチメートルから32センチメートルへ)、全線で低床車両を運転することとなった。車両の購入・改造とホームの改修に要する総事業費は約3億8,000万円と見込まれたが、福井鉄道では国・県・沿線自治体から補助金の交付を受けることでこの事業を実施。車両の整備と並行してホームの整備を進めた。本格運転開始に先立ち、福井鉄道では新型車両を積極的に宣伝するため、2005年10月15日の鉄道の日イベントにおいて803を使用した西武生駅構内の試乗会を実施した。続いて21日から11月3日にかけての国民文化祭(ふくい2005)の期間中に、併用軌道区間のうち福井駅前 - 田原町間のシャトル電車に803を投入し、初めての営業運転を行っている。ホーム改修竣工後の2006年(平成18年)4月1日より福武線全線における低床車両の営業運転が開始された。当日はまず770形による記念列車が招待客を乗せて武生新駅(現・越前武生駅)を出発、次いで低床車両による最初の定期列車として802が同駅を出発した。他の車両も同日に順次営業運転へ投入されている。モ800形を含む低床車両の運転開始により、旧型の高床車両は順次淘汰されていった。豊橋鉄道と同じく、福井鉄道でもモ800形の移籍後に100%低床構造の超低床電車が導入された。F1000形(愛称「FUKURAM」)がそれで、2013年(平成25年)より運転を開始している。雑誌記事書籍

出典:wikipedia

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