ルリクワガタ属は昆虫綱甲虫目クワガタムシ科に属する比較的古いタイプの分類群のひとつ。日本を含む東アジアやヨーロッパ、北アメリカなどの冷涼な温帯地方に生息する。体長は1cm程度、雄の大顎も大きく発達せず、決して目立った属ではないが、青、緑、黄色など色彩変異に富んだ瑠璃色に輝くことから、熱心な収集家も多い。他のクワガタムシとは違い、春から初夏にかけて、標高の高いブナ帯に現れる。採集方法はこの属はブナの新芽を傷つけて吸汁することが知られているため春に新芽を見て回ることや冬に立ち枯れや倒木などの材を材割りして蛹室内で越冬中の成虫を採集することが多い。成虫が小型で寿命が短いこと、気温の高い都市部では温度管理は必須であることなどから1990年代以降のクワガタ飼育ブームでも注目されることはなかった。世界で30種程が記載されている。もともと小さい上に、微妙な色合い、発達の悪い大顎の形状や前胸背板の形、交尾器の形態などによって見分けるため、慣れなければ非常に難しいし、確実な同定には双眼顕微鏡が必要となる。また、雌雄の判別も難しく、高山に住んでいる事も本種の生態の解明を阻んでいる。4種が生息する。日本国内で最も個体数が多いルリクワガタ属。前胸後縁左右両端が尖っている。幼虫は林床、地面に埋もれ掛けた水分の多い朽木に棲む。成虫は春期にブナ等の新芽に盛んに飛来する。2007年11月、井村有希は雌雄の交尾器、特に雄交尾器の内袋を完全に反転膨隆させて形質を比較することで、日本鞘翅学会の英文誌"Elytra"に日本産ルリクワガタ属の分類を再検討する論文2報を発表した。これらの論文でタカネルリクワガタ "Platycerus sue" Imura が新種記載されるとともに、従来、ニセコルリクワガタ "Platycerus sugitai"(基産地四国)の紀伊半島に産する群とされた個体群がキイルリクワガタ "Platycerus akitaorum"、九州に産する群とされた個体群がキュウシュウルリクワガタ "Platycerus urushiyamai" と種に格上げされ新たに新種記載、"Platycerus sugitai" の和名はシコクルリクワガタとあらためられた。タカネルリクワガタを含めた上記4種は、外形的にはよく似ているが、井村によると雌雄生殖器の形態が大きく異なり既知種との判別は容易であるとされている。またここで新種タカネルリクワガタ "Platycerus sue" Imuraについては、生息地が四国の石鎚山の一部であり、産地名の公表が採集者の殺到と乱獲を招きかねないため、分布範囲、生息環境、生態等に関するより詳細な知見が明らかになり、かつ保全対策に対する目処が立つまで、産地名の公表は差し控えたいとしており、詳細な原記載産地が公表されない形で新種記載が行われるという異例の事態となった(のち記載者らにより公表された)。また、ルリクワガタ "Platycerus delicatulus" については、1969年のコルリクワガタの記載以前はルリクワガタ属の各種が「ルリクワガタ」と称されていたことなどから、混乱を避けるため、種としての和名を「オオルリクワガタ」と変更することが提案されている。これら井村に従えば、本邦産のPlatycerus属は次の7種となる。※なお日本鞘翅学会などの調査で生態的特性の近いコルリクワガタと比較しても生息密度が高いことや生息地は国定公園や森林生態系保護地域などにより保護されていることや生息地が急峻な斜面であるため人工構造物を設置することや捕獲は難しいなどの理由で絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律による国内希少野生動植物種への指定は後に見送られることになる。最近新種の記載が多く、現在10種余りが知られている。現在1種余りが知られている。種や亜種の整理がされておらず、いくつか形態などの点で異質な個体群が確認されているものの、ヨーロッパルリクワガタの亜種なのか独立種なのかもはっきりとしていない。これからの研究が期待される。中国産に極めて近い種類が多いとされている。北アメリカにはルリクワガタ属の他に、後述するニセルリクワガタ属と、ムカシルリクワガタ属の3属が分布している。ルリクワガタ属以外にも、「ルリクワガタ」とつく属がいくつか存在し、それらはルリクワガタ属ほど金属光沢がない。ムカシルリクワガタ属(Platyceropsis)と、ニセルリクワガタ属(Platyceroides)の2属に分かれている。このうち、ムカシルリクワガタも、ニセルリクワガタも、あまりルリクワガタのスマートな形状に似ておらず、ズングリして、地味な色彩の姿はルリクワガタというよりは、ゴミムシダマシ類や、マグソクワガタ類に似ており、化石などで見つかる原始的なクワガタムシにも形状が似ている。ニセルリクワガタ属ムカシルリクワガタ属
出典:wikipedia
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