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シュメール王名表

シュメール王名表(-おうめいひょう)は、古代メソポタミアにおいて、シュメール人、及びセム系などの他の民族の王朝の王をシュメール語で列記した古代のテキストである。後世のバビロニア王名表やアッシリア王名表もこれと同様のものである。王名表には、「公式な」王権や王の推移が王の在位年数とともに記録されている。当時の王権観では、王権は神から授けられ、軍事的征服によってある都市から別の都市へと推移すると考えられていた。シュメール王名表に記されている唯一の女王は、キシュ第3王朝の1代限りの君主であった酒場の女主人ク・バウである。シュメール王名表には、大洪水以前の時代の在位期間が異常に長い、明らかに神話上の人物であると考えられる王や、存在が確実視できる王が混在している。だからといって、そうした王名表の初期の王たちを切り捨ててしまうべきではない。実在と考えられる王たちもまた、後世に同様に神話的偶像となったからである。なお、不自然に長い在位期間の多くは「12」で割り切ることが可能である。近年の考古学上の発見によって実在が確認された王名表中の最古の年代の人物はキシュ王エンメバラゲシであり、彼の名はギルガメシュ叙事詩にも登場する。このことは、ギルガメシュもウルクの実在の王であり、単なる伝説上の人物ではないということを示している。王名表にはラガシュの歴代エンシ(祭司王)の名が含まれていないが、彼らについては前25世紀頃以降の碑文から直接窺い知ることができる。もう一人、王名表に記された初期の王で存在が確実視されているのが、ウルク王ルガルザゲシ(前23世紀)である。彼はラガシュを征服したが、後にアッカドのサルゴンに倒された。他に正確な史料が少ないため、前3千年紀の年代学においてはシュメール王名表が中心的な史料となる。しかし、このシュメール王名表にも問題はある。初期の王の在位期間が異常に長い場合がある上、諸王朝は1つずつ交替するのではなく同時代に複数存在し、それぞれ独自の都市を支配していたと考えられるからである。このため現在では、初期の王の西暦紀元年代が古い刊行物によるものよりもっと新しくなると思われる。グティ時代の継続期間がかなり不確実なため、ウル第3王朝(前21世紀)以前の出来事の年代を特定するのはほぼ不可能である(シュルギ、ウル・ナンムの項も参照)。

出典:wikipedia

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