『Kanon』(カノン)は、ゲームブランド・Keyが1作目に制作した恋愛アドベンチャーゲーム、およびそれを原作としてメディアミックス的展開がなされたアニメやコミックなどの作品群のことをいう。少年少女の恋愛劇にファンタジーなどを絡めたアドベンチャーゲームであり、シナリオが感動に特化した泣きゲーとして支持を集めた。『Kanon』は、18禁パソコン用ソフトとして1999年6月4日にKeyより発売された。性的要素だけでなく、シナリオに「泣き」「感動」の要素を取り入れた、いわゆる「泣きゲー」と呼ばれるジャンルの先駆けとなった作品で「泣きゲーの金字塔」と呼ばれ、以後の恋愛アドベンチャーゲームに多大な影響を与えた。また、感動要素に隠れがちではあるものの、ビジュアルアーツ社長の馬場隆博は、日常描写に楽しさを持ち込んだ点を大きく評価している。追加要素等を加えての再発売だけでなく、パソコン用ソフトとしての枠を超えてコンシューマゲーム機やモバイルデバイスにも広く移植されており、テレビアニメや小説、漫画といったメディアミックス的な展開が行われている。『Kanon』は今までにゲームのほかにも、さまざまなメディアミックス的展開がなされてきた。テレビアニメは、2002年と2006年に2度製作された。1度目は東映アニメーションによって制作され、フジテレビ・関西テレビで放送された。2度目は2006年に、テレビアニメ版『AIR』を制作した京都アニメーションによって制作され、BS-iにて放送された。小説は清水マリコ著によってパラダイムより、各ヒロインを中心に据えた18禁版が全5巻刊行され、2009年から2011年まで新たな加筆修正を加えた全年齢版(文庫サイズ)が全6巻で刊行された。漫画は2002年から2003年に森嶋プチ画で月刊コミック電撃大王で連載された全2巻が刊行され、2006年から2007年には霜月絹鯊画でドラゴンエイジピュアで連載された全2巻が刊行された。さらに、原作で描かれていなかった部分を独自に描いたドラマCD、ゲーム・アニメなどを原作とした公式/非公式アンソロジーコミックなど関連商品も多数発売された。シナリオライターの1人である久弥直樹が同人活動で出版した、非公式のアナザーストーリーもある。家庭の事情により北国(「雪の街」)の叔母の家に居候することになった相沢祐一。7年前まではよく訪れていたにも関わらず、彼には当時のことが思い出せずにいた。そんな中、彼はそこで出会った5人の少女達と交流を深め、幼い頃の大切な記憶を取り戻していく。まず、両親の海外赴任に伴い、叔母の水瀬家に居候させてもらうことになり、「雪の街」へ7年ぶりに帰ってくる。そこで「水瀬名雪」に再会する所から物語は始まる。名雪との関わりあいから、他の各ヒロインに出会っていく流れである。また、様々な事情により、水瀬家に居候をするヒロインも存在する。そして、各ヒロインのルートにおけるストーリーへと繋がっていく。それから、ヒロインを通じて、過去の記憶を戻していき、その絆を深めていく。また、名雪自身についても、とある事件によるエピソードから信頼関係を戻していくストーリールートもある。ゲームのルートにおける性質上、詳細は「登場キャラクター」の項目を参照。パソコン版、携帯ゲーム、スマートフォン版は声が収録されていないため、それ以外の声優を記載。本作品は、長い歴史を持つ東映アニメーションにおいて、初めて美少女ゲームを取り扱った作品である。2002年1月30日から同年3月27日まで全13話が放送されたほか、後日談としてDVD全巻購入者特典の特別編1話が制作されている。映像フォーマットはNTSCアナログ放送。京都アニメーションで再アニメ化した際に、アニメ版というのでどちらかわかりやすくするため、一部では「フジKanon」と呼ばれている。キャラクターデザインは原作独特の絵柄を大幅に変えることなく、かつアニメーション風に表現したものとなっている。実体を持たない「魔物」を怪物のように描写したことも話題になった。音楽は担当の神津裕之による本作オリジナル楽曲と原作楽曲を神津がアレンジしたものが混在する。オリジナル楽曲は主に本作オリジナルの主題歌アレンジと、メインヒロイン5人のオリジナルイメージ曲で構成されている。最終回の挿入歌・エンディングのみ原作の歌唱曲が使用された。シナリオは原作における多数のエピソードが、少ない話数にできるだけ詰め込まれ、かつ一本の話としてまとめ上げられている。特にメインとなる月宮あゆ、水瀬名雪シナリオは、あゆのシナリオを下地にしながら名雪の心情や成長を描く構成になっているのが特徴。。また、その他のヒロインについても各シナリオにおけるサブキャラクターとの交流が主軸とされ、特にラスト部分で原作と異なる表現・展開がなされた。特別編の14話「風花」(かざはな、テレビ未放送)は、最終回のラストシーンの補足と各ヒロインのその後が描かれたオリジナルエピソードで、特典にして重要な役割を持つエピローグである。この作品はDVD全巻購入者特典であり、DVD-BOXには収録されていないため入手困難である。作中、「CLANNAD」の文字がプリントされたパーカーを登場人物の北川潤が着ているシーンがあり、当時開発中であったCLANNADの存在をいち早く明らかにしていた。サブタイトルは一部を除いて原作のBGMのタイトルを用いている。2006年10月5日から2007年3月15日までBS-i(現BS-TBS)で全24話が放送された。映像フォーマットはISDB-Sデジタルハイビジョン。キャラクターデザインは原作のイメージを念頭に置きつつ、樋上いたるの現在の絵柄に寄ったアレンジが成された。シナリオについても原作が特に意識されており、1枚絵で表現されたシーンを再現する演出が数多く取り入れられ、主題歌・BGMも、Keyスタッフ作曲のもの(半分は、原作で使用され、オリジナルサウンドトラックに収録されているもので、ほかに『anemoscope』、アレンジベストアルバム『recollections』、ピアノアレンジアルバム『Re-feel』、コンピレーションミニアルバム『Ma-Na』から)が使用されている。また、前作よりも話数が多いこともあり、原作のエピソードをより多く組み込んでいる。一方では原作が発売されてから7年が経過していることから、情勢の変化により世界観は多少古い。また重要なエピソードの合間では独自の表現が押し出されることもあり、主に主人公や北川潤については大胆に改変された部分もある。この改変部分には、原作シナリオ担当である麻枝准の要請によるものも多数含まれる。他、ゲームには登場しない、オリジナルキャラとして過去に主人公が好きだったお姉さん「沢渡 真琴(さわたり まこと)」(ヒロインの沢渡 真琴とは別人)が登場する。なおDVD初回限定版の特典として、原作スタッフのコメンタリーが収録されている。麻枝がアニメのどこを監修したかなどを語っているほか、ビジュアルアーツ社長も出演している。サブタイトルには全て音楽用語が用いられている。2000年10月6日から2000年12月29日まで放送されていた、ドリームキャスト版Kanonのタイアップ番組。パーソナリティは田村ゆかりと川上とも子。全13回。水瀬さんち参照。著者は清水マリコ。
出典:wikipedia
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