ソヴレメンヌイ級駆逐艦(ソヴレメンヌイきゅうくちくかん、)は、ソビエト連邦海軍およびロシア海軍が運用するミサイル駆逐艦の艦級。ソ連海軍での正式名は956型艦隊水雷艇()、計画名は「サルィーチ」(、ヨーロッパノスリの意)であった。ソヴレメンヌイ級は中国人民解放軍海軍でも運用されており、中華人民共和国(以下、中国)では「ソヴレメンヌイ」(現代の、最新の)を翻訳した現代級、あるいは ネームシップの艦名から杭州級の名で呼ばれる。設計作業は、I・ルビス主任設計官によって進められた。設計面では、先行する1134型ミサイル巡洋艦(クレスタI型)および1134A型大型対潜艦(クレスタII型)をもとに発展させたものとなっている。なお、隠顕式のフィンスタビライザーを備えている。主機関も1134型・1134A型の構成がおおむね踏襲されており、ボイラーとしてはスーパーチャージャー付きのKVN-98/64型(圧力、温度500℃)、蒸気タービンはTV-12型とされており、合計出力は、最大、定格となっている。また7番艦以降では、ボイラーは、信頼性を向上させたKVG-5に換装されている。戦術・技術規則(, OTZ)において、本級の任務は下記のように規定されていた。この要求に応じて、本級では、防空戦および対水上戦が重視されている。なお防空については、艦隊防空を補完する艦と位置づけられていた。一方、対潜戦能力は、自衛上の必要最低限とされている。戦術情報処理装置としては、サプフィール-Uが搭載されている。主センサーとなる3次元レーダーには、初期建造艦3隻ではMR-710「フレガート」を、4・5番艦では改良型のMP-710M「フレガート-M」が搭載されたのち、6番艦以降ではMR-750「フレガート-MA」が搭載された。一方、ソナーとしては、捜索用としては中周波(5キロヘルツ級)のMG-335MS「プラーチナ」(NATO名「ブル・ホーン」)を艦首に装備するほか、対潜ロケット砲の射撃指揮のため、高周波のMG-7(NATO名「ホエール・タン」)も併載している。なお輸出版では、SSN-137曳航式アレイの装備も可能とされている。艦隊防空用としてはM-22「ウラガーン」を備えており、3R90「オレーフ」(NATO名「フロント・ドーム」)火器管制レーダーとMS-196単装ミサイル発射機、艦対空ミサイルによって構成されている。本級では、火器管制レーダーは6基、また単装ミサイル発射機は2基を備えている。艦対空ミサイルとしては、原型艦では9M38(SA-N-7「ガドフライ」)を用いていたが、改良型の956A型では、射程を延伸した9M38ME1(SA-N-12「グリズリー」)に換装されている。単装ミサイル発射機1基につき24発が収容されており、最大発射速度はそれぞれ毎分5発ずつである。なお、単装ミサイル発射機の旋回範囲は、艦首尾線から両舷側30度ずつに制限されているともいわれている。一方、対艦兵器としては、956型ではP-270「モスキート」艦対艦ミサイル・システムが採用された。この3M80ミサイルは重量4トン級の大型ミサイルであり、4連装のKT-190発射筒に収容されて、艦橋構造物両脇に配置された。この装備要領は、1134型のURPK-3対潜ミサイル、1134A型のP-35艦対艦ミサイルと同じものであった。また956A型では、射程を延伸したP-100「モスキート-M」の3M82ミサイルに対応した、より長い発射筒が搭載された。これらのための射撃指揮装置として、艦橋直上にMR-331「ミネラル」(NATO名「バンド・スタンド」)を備えている。火器管制レーダーの形式名はME1/ME2とされており、直径3.2 m×高さ4.5メートルという大型のレドーム内に、横長と円形の2つのパラボラアンテナを背中合わせに配置しており、動作周波数はLバンドとされる。アクティブ・モードでは250 km以内の50目標を同時追尾、パッシブ・モードでは450 kmまで探知可能であり、また情報処理装置は200目標を同時に処理可能とされる。またME3データ・リンク装置(NATO名「ライト・バルド」)も連接されている。上記の通り、対潜兵器は最低限とされており、RBU-1000「スメールチ3」 6連装対潜ロケット砲2基と魚雷発射管のみを搭載している。上記の要求に基づいて艦砲射撃が相応に重視されたこともあり、主砲としてはAK-130 130mm連装速射砲を2基、ダブル・エンダーに搭載している。射撃指揮には、MR-184M(NATO名「カイト・スクリーチC」)火器管制レーダーのほか、電子光学式の「スクイーズ・ボックス」も用いられる。艦中部の02甲板レベルにヘリコプター甲板が設定されている。その直前にはハンガーが設けられており、中型ヘリコプター(対潜戦用のKa-27PL、または対水上測的用のKa-25/27RT)1機を収容できるが、スペースの制約から一部が入れ子式とされており、発着時など機体を収容していない際にはこの部分を短縮させることになる。これを含めて、他のロシア艦と比して航空艤装は全体に簡素なものであり、哨戒ヘリコプターのための弾庫も設けられていない。1 - 14番艦。原型。ただし、1 - 3番艦および4 - 5番艦はレーダーが異なる。15 - 20番艦。艦対空ミサイルを「ヨーシュ」に換装。対艦ミサイル「モスキート」を射程延長型の「モスキートM」に換装。(ただし、中国海軍に売却された2隻は、「ヨーシュ」ではなく、旧来型の対空ミサイルを搭載)21番艦以降。艦後部の130 mm連装砲を廃止し、代わりに対艦ミサイル「オーニクス」の垂直発射機を搭載する改良型。計画のみ。改「杭州」級。中華人民共和国が2001年に2隻追加発注したタイプ。 艦対空ミサイル及び艦対艦ミサイルを射程延長型に換装。艦後部130 mm連装砲塔を廃止し、近接防空システムを「AK-630」4基に替えて「カシュターン(CADS-N-1)」2基を搭載、艦中央部ヘリコプター格納庫を入れ子式から固定式への変更、など改正が施されている。
出典:wikipedia
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