日本泳法(にほんえいほう)は、古式泳法(こしきえいほう)とも呼ばれる、日本古来の泳ぎ方のことである。これらは明治以降の名称であり、通常は「水術」「水練」「踏水術」「游泳術」「泅水術」等が本来の名称である。江戸時代初期より約400年の歴史を持つとされ、日本水泳連盟公認の流派は13ある。通常の泳ぎ方のみではなく、甲冑を着用したまま(武装したまま)の着衣水泳というべき泳法や、水中での格闘技術や立ち泳ぎの体制での火縄銃の射撃など、武術としての水中での戦闘技術も含む(流派によっては操船術も含む)ものである。海や河での戦闘、あるいは護身のための泳ぎである。かつては武士のたしなみとして重んじられた。古武道と同じく、江戸時代に発展したものが多い。しかし江戸時代後期を中心に生じたものにはその時代に実戦がなかったため実用性が高くないものも少なくない。発祥した地方の水勢に合わせた技術が発展しており、一流派ですべての水勢に対して必要な泳法を備えるものはないとされる。技術的にはシンクロナイズドスイミングと共通するものがあり、日本にシンクロナイズドスイミングを導入したのもその共通性に注目した日本泳法の団体である。極端なものでは、捕虜化を想定して、拘束状態で前進を行う奥義泳法の「全身がらめ」といった危険な技も実在、継承されており、現在でも高度泳法として教えられている。現在、13の流派が日本水泳連盟により公認されており、毎年春には全国各地で日本泳法研究会が、毎年夏には日本泳法大会が開催される。また、日本水泳連盟は、範士、教士、練士、游士の4つの日本泳法の資格を認定している。日本泳法を学ぶ場はほとんどが一般のプールであり、特別のイベントでない限り甲冑や褌等の伝統的スタイルで泳ぐことはない。古色を求める事が目的ではなく、男女とも普通の競泳用水着を着用している場合がほとんどであるが、男子には昔ながらの褌を正装とする流派も存在する。臨海学校で実践的泳法として教えている学校もあり、学習院初等科(小堀流踏水術)、日出学園小学校(神伝流)、巣鴨中学校(水府流太田派)、開成中学校(水府流太田派)、日比谷高校(神伝流)などがある。日本泳法は古くからあった泳ぎ方で、現在競泳競技で泳がれている4種目は日本から見れば外来の泳法である。競泳ではなく、隊列を組んでの泳法や遠泳など、海や川での遊泳を前提に発達してきた。1932年(昭和7年)、文部省の指示によって日本水上競技連盟(現・日本水泳連盟)は、在来の(すなわち古式)泳法のうち重要なものを採択し、スピードを主とした競技泳法を加えて「標準泳法」として、国民必修のものとした。それはクロール、背泳(せおよぎ)、平泳(ひらおよぎ)、伸泳(のしおよぎ)、片抜手(かたぬきて)、扇平泳(あおりひらおよぎ)、抜手(ぬきて)、立泳(たちおよぎ)、潜(もぐ)り、浮身(うきみ)、逆飛(さかとび)、立飛(たちとび)の12種で、足の動作はばた足、扇足、蛙足、踏(ふみ)足の4種であった。13流派中、水府流太田派は明治時代初期、それ以外は江戸時代に誕生している。『北斎漫画』第四編より、左上から順を追って説明。
出典:wikipedia
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