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パート・ド・ヴェール

パート・ド・ヴェール(, )はガラス工芸の一種。ガラスの粉末を型の中で熔融して成型するガラス工芸の技法の1つで、フランス語で「ガラスの練り粉」を意味する。「パート」は本来焼き物用に練った土を指す言葉で、まず粘土やワックス等の素材で作品の原型となる塑像を作り、それをもとに耐火石膏などで鋳型を作って様々な色のガラスの粉に糊を加えて練ったもの(ヴェール)を詰め、そのまま窯の中で焼成して、冷えたあと鋳型から取り出し表面を研磨して仕上げるもので、陶磁器とガラス双方の長所を備えた中間的製法とされている。鋳型に詰めるガラスの粉は、その目的に合わせて粒の細かさや色の種類・濃淡などを自由に調合でき、さらに細部まで自在に色を付けることができるため、吹きガラスでは作ることが出来ない極めて繊細で表現豊かな作品の制作が可能である。吹きガラスやトンボ玉などの「ホットワーク」と呼ばれる技法と違って、その造形過程で熱く溶けたガラスを扱わないため比較的安全に制作できるが、一方でその作業工程では、原型や鋳型作り、ガラス粉の詰め込みと焼成、研磨に至るまで、多くの手間と時間がかかり、微妙で繊細な技量が要求される。古代メソポタミア文明の頃から金属の鋳造技術を応用した「鋳造ガラス」として伝わり 、かつては彫りくぼめた石や焼成した粘土製の型に珪砂(石英砂)や水晶、また着色に微量の金属鉱石などを粉にしたものを詰め、鋳型ごと窯に入れて約750℃以上で熔融する工程を繰り返してガラスを焼成したとされている。ビーズ、ペンダント、皿、碗、盃、壷など、多様なものが作られ高級品として扱われたが、ガラスを取り出す過程で鋳型を壊す必要があり、作品ごとに鋳型から作り直さねばならなかったため大量生産には向かなかった。その後、古代ローマ時代(紀元前1世紀)になって、より大型のものを簡単に大量生産できる吹きガラスの技法が発明されるとその流行に伴って衰退し、文献も残されないまま完全に失伝したため「幻の技法」と呼ばれるようになった。その後、19世紀末のアール・ヌーヴォーの流行とともにフランス人陶芸家、アンリ・クロ(1840-1907)によって1885年頃に再興されると、様々な作家の手によって多くの高級美術品が生み出された。透明感のあるカラフルで繊細な素地のランプや常夜灯などの作品を特徴としたガブリエル・アンジィ=ルソー(1885-1953)、アンリ=ベルジェなどの彫刻家から原型の提供を受け、トカゲ、魚、女性像などをあしらった灰皿や小物などの作品を残したヴィクトール・アマルリック・ワルター(1869-1959)、人面や昆虫の文様を多色で浮き彫りにした作品と透明感のある斑紋入りの単色地を特徴として、装飾パネルや教会のステンドグラスにパート・ド・ヴェールを応用したフランソワ=エミール・デコルシュモン(1880-1971)、人体をモデルにした彫像に秀作が多いジョルジュ・デプレ(1862-1952)、上品な色調の極めて軽量薄手な作品を残したアルベール=ルイ・ダムーズ(1848-1926)らが知られているが、それぞれの作家が徹底して秘密主義をとり後世に残さなかったため、その技法は再び失われることとなった。わが国では、岩城硝子製作所が1933年(昭和8年)頃からこの技法の再現に着手した。特別に編成された研究チームによる約4年の取り組みののち、小柴外一(1901-1973)らの手によって日本で初めてその制作に成功した。小柴は第二次世界大戦後に独立した後もパート・ド・ヴェールによる制作をライフワークとし、戦後の苦しい状況下にありながらアール・ヌーヴォー的な作風と日本的なニュアンスを併せ持つ独創的な作品を発表しつづけた。1962年にアメリカのハーヴィー・K・リトルトンとドミニク・ラビーノによるガラスの小型溶解炉の開発によって、個人の作家による独創的かつ多彩な作品の制作が実現可能になり、これを契機とした「スタジオ・グラス運動(グラス・アーツ運動)」が世界規模で展開された。アメリカ政府の芸術振興政策の始まりともあいまって、多くの学校や個人のスタジオに溶解炉が設置され、制作活動が盛んに行われるようになった。わが国でもこの影響を受け、各地の工房や作家による多彩な制作活動が展開され始めた。1970年代には由水常雄(1936-)によって実験考古学の分野からメソポタミア時代のパート・ド・ヴェールの製作技法が復元された。様々な作家がその技法にアイデアやモチーフを見出し、自らの作品のオリジナリティとして展開するなど、パート・ド・ヴェールを取り入れた作品づくりが広がり始めた。現在では、作家ごとに様々な改良が加えられてその作風と技法は多様化し、現代ガラスの中に新しいジャンルを築き始めている。

出典:wikipedia

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