ザブングル (Xabungle) は、テレビアニメ及びアニメーション映画『戦闘メカ ザブングル』に登場する架空の人型巨大ロボット兵器。ザブングルは、語尾に「~タイプ」を付けて「ザブングルタイプ」とも呼ばれる。ザブングルタイプは、惑星ゾラの支配階級であるイノセントが提供するウォーカーマシン(以下WM)の中でもかなり希少なタイプで、分離合体機構を有している。また、ブルーストーン採掘や重機的作業、ブレーカーの用心棒家業向けといった従来の機体とは一線を画し、主人公ジロン・アモスが「まるで人間」と感嘆するほど、人型とその柔軟性を追求している。機体色は青と白のツートン。劇中では主人公たちアイアン・ギアーのクルーが使用する2機しか登場していないが、他にも同型の機体が使用されていることを示唆する台詞があり、20機に満たない数が生産されたとする史料も存在する。なお、広義の意味でのザブングルタイプとの分類も存在し、ウォーカー・ギャリアやブラッカリィがカテゴライズされる事もあり、特にブラッカリィは頭部がザブングルと酷似しているため、ジロンらから「ザブングル…!?」と見紛われた。本機は二機のビークルが人型に合体するマシンであり、上半身となるスポーツカータイプのマシンをブングル・スキッパー、下半身となる航空機タイプのマシンをブングル・ローバーと呼ぶ。不整地が多いゾラにあって、4輪とはいえ車輪幅の狭いブングル・スキッパーにくわえ前輪が飛行機の着陸脚状で3輪のブングル・ローバーは走破性が劣悪であり、序盤以降はWMとして使用することが多かった。またブングル・スキッパー、ブングル・ローバーは前後に連結してザブングル・カー(ブングル・トレーラー)としても使用できた。なお、ブングル・スキッパー、ブングル・ローバーともに飛行能力を有しており、それぞれ飛行形体にも変形できる。しかし、ブングル・スキッパーがザブングルの上半身、車両形体、飛行形体に変形するのに対し、ブングル・ローバーはザブングルの下半身、飛行形体、カーゴ形体の変形であるため、ブングル・ローバーの自走能力は高くない。固定武装としてブングル・スキッパーとブングル・ローバーにはミサイルが装備されており、が、WM状態では使用できない。だがWMとしては珍しい5本指のマニピュレーターを装備しているため、オプションの手持ち武器を多用でき、汎用性は非常に高い。ブルーストーン掘削作業は軽視されており、戦闘用に特化しているのが特徴である。操縦者の能力も相まって劣勢な状況でなければほぼ有利に戦闘を展開していることから、戦闘力は非常に高いと言える。本機は運動性において他のWMに比べ秀でているとされ、出力のスペックも高い。ただし実際の戦闘においてはガバメント・タイプやガラバゴス・タイプに苦戦しており、劇中でもジロンが「もっといいWMが欲しい」と漏らすように、必ずしも全ての面において高性能というわけではない。特にジャンプ等にホバーノズル(ジェット噴射)を使うと燃費が悪く、劇中でラグが「ガソリンを喰いすぎる」とこぼしている。給油口は背面に存在するが、燃料の少ない状態で四つん這いになるとエンジンに上手く燃料がまわらず、ガス欠状態に陥りエンストする場面があった。本機は分離合体機構を始めとする様々な実験的技術を大量に盛り込んだ結果、機体構造が極めて複雑化し、設計段階からの欠陥を多数露呈した。分離時の固定武装は、WM形体時には発射口が全て塞がれて使用できない。逆に分離時は、WM形体時に使用する銃火器を携行するためのウエポンラッチがなく、劇中ではカーゴ形体のブングル・ローバーにライフルをロープで縛りつけ強引に携行していた。合体・変形するには上・下半身を左右逆方向に180°ひねる必要があり、このため通常は2機とも飛翔して空中で合体を行う(アイアン・ギアー艦内で分離状態だった機体が合体していたこともあったが、どうやって艦内で合体させたのかは不明)。変形中は空中で無防備になり、第3話ではダッガー・タイプの対空砲火に晒されたが、幸い劇中で撃墜される事はなかった。複雑な変形機構は深刻な故障を招きやすく、ダイクとチルが搭乗して合体した際は変形中の故障でコクピットのある頭部が胴体に格納されたまま展開せず、視界を失ったまま撃破されかけたこともあった。またブングル・ローバーのコクピットはWM形体時には胴体内で完全密閉されてしまい出入りできない(劇中でこの席に搭乗したダイクの発言)。また流通量が極めて少ない上、ストーリー中途よりイノセントとの交易(補修部品の調達)もできなくなったため、機体各部を破損したジロン機は修理できないまま大破するまで運用され続けた(シビリアンの文明・技術レベルではコンピュータ・コアをはじめとするWMの中枢部品は全くのブラックボックスであるため、イノセントによる再供給に頼っていた)。ザブングルほどの複雑な機構を持つ機体は、以後には登場していない。しかし複雑な動作をする割には劇中ではハンドルとアクセル、クラッチなど現在の自動車とほぼ同じレベルにまで操縦は単純化されており、かなり気軽に乗り回す事ができる(これはザブングルタイプのコンピューター・コアが他のWMに比べて段違いの性能を持っているためである)。イノセントはシビリアン達に完全な「兵器」を与える事で、彼らはどのような行動をするかを推し量るために戦闘型WM=ザブングルタイプを流通させたとみられる。なお、一部の史料では惑星ゾラが大異変に見舞われる以前の旧時代に存在した機動兵器をコピーしたものではないかという推測がなされてはいるが、裏付ける証拠はない。なお、史料『マスターファイル』によれば、第1ロットとして12機のザブングルタイプが作られ、うち2機は技術試験機としてイノセントの手元に残され、10機が2機ずつセットで各地の交易商人に入念な審査の上で売却されたと書かれている。最終生産仕様の6機は合体変形機構を廃しており、翼や車輪を持たず、背面にパックユニットを装着している。また、生産された機体には「寒冷地仕様」や「砂漠仕様」が存在するが、20機に満たない製造数のうちの何機がそれに該当したのかは不明である。デザインは大河原邦男による(コクピットは出渕裕)。ザブングルは交易商人カーゴ一家に支給された2機のみが劇中に登場する。当初はカーゴ一家の所有であったが、ティンプ・シャローンに両親の仇討ちを目指すジロン・アモスがその戦闘力に目をつけ、ラグ・ウラロ率いるサンドラット団との連携によりそのうち1機を強奪逃走、「三日限りの掟」によりジロンの所有となる。しかしカーゴ一家ボスであるキャリング・カーゴの死により一人娘エルチ・カーゴが代替わりをすると、一宿一飯の恩からジロンとサンドラット団を説得しザブングルごとカーゴ一家の一員となり、再びカーゴ一家で2機での運用が再開される。酷使されたジロン機は翼や腕部の車輪を失って合体変形は出来なくなり、WM形体で運用されるようになる。また物語中盤でアイアン・ギアーの同型艦のグレタ・ガリーの変形を阻止し大破、ジロン機は失われた。ウォーカー・ギャリアの登場まで主役機として活躍するのはこちらのジロン機だったが、当時の書籍等ではジロン機を「ザブングル2」あるいは「サブザブングル」と呼ばれていた。『スーパーロボット大戦』などのゲームでの呼称もそれに準じている。主にラグ、エルチ、ブルメらが搭乗したザブングルは原型をとどめたまま最終回まで残り、エンディングではジロンとエルチはともに無傷のザブングルとウォーカー・ギャリアを放棄(戦いの無い未来を暗示)し、走り出す。劇中ではドワス2級司政官の「この周辺のザブングルタイプといえば、アイアン・ギアーの二機しかありません」とのセリフから、登場した2機以外にも流通しているらしいことが分かる。『戦闘メカザブングル大事典』(ラポート)によれば、ザブングルタイプは他のブレーカーへの供与もあったと書かれていることからある程度の数の機体が生産されていた可能性もあるが、文献によっては、アイアン・ギアーの2機だけと述べているものもある。また、「20機に満たない数で打ち切られ、生産はウォーカー・ギャリアタイプに移行した」と記述する史料もある。非公式なものではあるが、TVシリーズの数年後のエピソードを描いた伊藤明弘の漫画『ブルーゲイル』では、ラグの愛機として乗り継がれた。ただし、イノセントの純正部品と十分なメンテが得られないまま使い続けられており、機械的寿命も間近いとされている。劇中ではトラン・トランとの交戦中に脚部にミサイルの直撃を受けて大破、残った上半身も脱出時に甚大なダメージを被り、使用不可能となった。その後はラグの愛馬に「ザブングル」の名が引き継がれたという。鈴木良武によるソノラマ文庫の小説版(全2巻)では合体変形機構は無く、走る事さえできない。イラストではアニメと同じように描かれているが、小説では12.7mm連装機銃と20mm機関砲が装備されており、専用の手持ち武器も登場しないなど、他の機種より人型に近いという特徴を除くと、機能的に一般的なWMに近い存在になっている。なお、もう一機のザブングルにはキッド・ホーラが搭乗してジロンを追撃するが、ほとんど活躍しない。
出典:wikipedia
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