2015年カタルーニャ自治州議会選挙は、2015年9月27日に投開票された第11回目のカタルーニャ自治州議会選挙である。全135議席が改選された。2015年1月15日にはスペイン・カタルーニャ州政府首相のアルトゥール・マスによって、2015年中にカタルーニャ自治州議会選挙を行う計画が発表された。カタルーニャ独立問題においてスペイン1978年憲法に基づく合法的な住民投票を実施できないことから、マス首相はこの州議会選挙がカタルーニャ独立の賛否を問う代替投票となる選挙であるとした。2010年と2012年にも州議会選挙が行われていることから、この選挙はわずか5年間で3度目の州議会選挙となった。カタルーニャ民主集中(CDC)とカタルーニャ民主連合(UDC)は1977年の総選挙から常に集中と統一(CiU)という政党連合で選挙に臨んでいたが、2015年6月にはCiUが解体しており、両者が袂を分かってから初の州議会選挙だった。UDCは単独で候補を擁立したが、CDCはジュンツ・パル・シ(JxSí)という選挙プラットフォームの下でカタルーニャ共和主義左翼(ERC)、カタルーニャ共和主義者(DC)、左翼主義者運動(MES)と協同し、カタルーニャ国民会議(ANC)、オムニウム・クルトゥラル、独立のための自治体協会(AMI)の支援を受けた。創設から間もないポデーモス、カタルーニャ緑のイニシアティヴ(ICV)、カタルーニャ統一左翼(EUiA)、エクオは、2015年5月の地方自治体選挙におけるバルサローナ・アン・クムーをベースとしたカタルーニャ・シ・カ・アス・ポット(CSQEP)という選挙プラットフォームの下に集合し、活動家のリュイス・ラベイが筆頭候補となった。ジュンツ・パル・シで協同するCDCのマス、ERCのウリオル・ジュンケーラスを除けば、すべての政党が前回選挙から筆頭候補を変更した。カタルーニャ社会主義者党(PSC)の筆頭候補にはが立ち、元バルセロナ市長のシャビエル・ガルシーア・アルビオルはカタルーニャ国民党(PPC)の代表となった。シウダダーノス(C's)は数か月後の総選挙で党を取り仕切るアルベール・リベラの代役にイネス・アリマダスが選ばれた。カタルーニャ自治州議会の135議席は、カタルーニャ州を構成する4県それぞれを一つの選挙区とする4選挙区から選出される。ドント方式と厳正拘束名簿式の比例代表制が採用されている。2015年時点でカタルーニャ州は独自の選挙法を有していないため、選挙制度はカタルーニャ自治憲章とスペイン国の一般選挙法の下に規定される。議席はバルセロナ県に85議席、ジローナ県に17議席、リェイダ県に15議席、タラゴナ県に18議席が割り振られた。投票は秘密投票での普通選挙に基づいている。各選挙区の有効票のうち3%以上を獲得した政党のみが議席を得る。2012年のカタルーニャ自治州議会選挙で集中と統一(CiU)は18議席を失う予期せぬ敗北を喫し、カタルーニャ州政府首相のアルトゥール・マスは困難な政治的状況に置かれた。正式な選挙連立ではないとはいえ、CiUのマス政権を支持すると約束したカタルーニャ共和主義左翼(ERC)の党首ウリオル・ジュンケーラスとの協定への署名を余儀なくされ、その見返りにカタルーニャの独立の迅速な遂行を求められた。2013年1月23日、カタルーニャ自治州議会は「カタルーニャ住民の主権と決定権に関する宣言」を採択し、「民主的で正当な理由に基づき、カタルーニャ住民は主権を有する政治的・法的主体という資質を有する」と謳った。5月8日にはによってこの宣言が暫定的に延期され、2014年3月25日には主権の主張が無効かつ違憲であるとする判断が下された。これと時を同じくして、投票予定の政党を調べる世論調査では、1932年以降で初めてERCがトップに立った。2012年州選挙での大敗の結果として、また経済危機に対するマスの経営管理やCiUの大物による汚職スキャンダルの結果として、CiUの支持率は低下した。CiU創設者のはアンドラでの未申告の相続に関する脱税スキャンダルに巻き込まれ、付随してカタルーニャ州首相時代の贈収賄、横領、不法行為、密売、公文書偽造、資金洗浄などの犯罪行為が捜査された。2013年12月12日、カタルーニャ州政府はスペイン政府と交渉するための政治的権限を得ることを目的として、2014年11月9日にカタルーニャ独立の賛否を問う拘束力のない住民投票を行うと発表した。スペイン政府のマリアーノ・ラホイ・ブレイ首相はこの住民投票を阻止する意向を示し、このような住民投票が違法であり自治州の権限の範囲外にあるとした。このような状況ではあったが住民投票は予定通り開催され、独立反対派がのきなみ棄権したことから投票率は約40%と低調だったものの、80%以上の投票が独立賛成に投じられた。独立賛成派の政党はこの結果を成功であるとし、CiUは住民投票後の世論調査で支持率を回復した。2014年11月25日にはマスが公衆の前でカタルーニャ独立に向けた計画を説明し、もし共同での選挙名簿の提出などでERCと合意に達するならば、2015年中に独立の賛否を問う法的拘束力を持った臨時議会選挙を行うことを提示した。ERCのジュンケーラスは計画の大半に同意したが、共同での選挙名簿提出などについてはCiUとの協定破棄を示唆して拒否した。両政党は最終的に合意に達し、2015年1月26日、マスは自治州議会選挙が9月27日に実施される可能性を発表した。仮にカタルーニャが独立すれば新カタルーニャはEU非加盟国となるとマリアーノ・ラホイ・ブレイは述べた。ホセ・マヌエル・ガルシア=マルガーリョは新カタルーニャ国はEU非加盟にはならないとする立場をとりながらも、キャピタルフライト、銀行閉鎖、貿易への打撃の可能性があると主張した。ウリオル・ジュンケラスは、(独立した後に悲惨なことがおこると)不必要な恐怖を煽るスペイン政府を非難した。2015年6月には集中と統一(CiU)を構成するカタルーニャ民主連合(UDC)とカタルーニャ民主集中(CDC)の間の緊張がピークに達した。CDCは方法が合法的でなくともカタルーニャの完全な独立を支持したが、一方のUDCはスペイン政府の承認なしの独立に反対した。このような意見の相違の結果、6月14日にはUDCとして独立プロセスの継続を支持すべきかどうか党員による投票が行われた。この投票後にはUDCとCDCの指導者が会合を持ち、CDCからUDCに対して独立計画を支持するかどうか「2、3日以内」に決断するよう最後通牒を行った。6月17日にUDCが主導した会合後、UDCは現在の任期満了までは議会の安定を維持することで合意に達したものの、カタルーニャ州政府内に持つ3閣僚を任期満了とともに引き上げることが発表された。同日夜にはCDCの全国執行委員会が開催された。翌日の記者会見では、2015年の州議会選挙でUDCとCDCは協同しないこと、CiUという政治的プロジェクトが解体され、両政党の37年間の協力関係が終わりを告げたことが確認された。2015年7月中旬までに、カタルーニャ民主集中(CDC)、カタルーニャ共和主義左翼(ERC)、独立を支持するカタルーニャ国民会議(ANC)、オムニウム・クルトゥラルの間で、州議会選挙でジュンツ・パル・シ(JxSí)という選挙プラットフォームを形成する交渉が合意に達した。この合意はCDCとERCの双方が主導することで承認され、バルセロナ県選挙区の選挙名簿最上位には3人の無所属候補、かつて (ICV)から選出されていた元欧州議会議員のラウル・ルメーバ、元カタルーニャ国民会議代表のカルマ・フルカデイ、オムニウム会長のムリエル・カザルスを置くことで合意を得た。マスとジュンケーラスは選挙名簿の4位と5位に書きこまれ、マスは筆頭候補でないながらもカタルーニャ州首相候補となった。この選挙連合は中道右派のCDCが主導することが予定されており、州議会でCDCを支援する中道左派のERC、UDCから分裂したカタルーニャ民主主義者(DC)、カタルーニャ社会主義者党(PSC)から分裂した左翼主義者運動(MES)が支援に回った。市民社会における独立賛成派の活動家や、カタルーニャ独立支持の象徴的存在である元FCバルセロナ監督のジュゼップ・グアルディオラもジュンツ・パル・シを支援した。独立を強硬に主張する(CUP)もジュンツ・パル・シへの参加を呼びかけられていたが、カタルーニャ民主集中とカタルーニャ共和主義左翼の両政党が主導権を握っていることを理由に参加を拒否し、単独で候補を擁立することを宣言した。2015年5月の地方自治体選挙のバルセロナ市議会選挙では、ポデーモス、カタルーニャ緑のイニシアティヴ(ICV)、カタルーニャ統一左翼 (EUiA)による選挙プラットフォーム、バルサローナ・アン・クムーが成功を収めた。マス首相によるカタルーニャ独立計画の代替案となるために、カタルーニャ自治州議会選挙でも範囲をカタルーニャ州全域に広げてバルサローナ・アン・クムー同様の選挙連合を組む構想が協議された。2015年7月15日にはすでに政党間の協議が決着に近づき、カタルーニャ州議会選挙ではカタルーニャ・シ・カ・アス・ポット(CSQEP)という名称で協同することで合意に達した。7月23日、この選挙プラットフォームは筆頭候補(カタルーニャ州首相候補)にリュイス・ラベイを提示することを決定した。一方で7月29日、環境保護論者による政党エクオもカタルーニャ・シ・カ・アス・ポットに参加することが発表された。投票予定の政党の比率を示している。調査によって獲得が見込まれる議席数を示している。カタルーニャ州議会の総議席数は135議席であり、過半数は68議席である。選挙区別の獲得議席数は以下のようになった:
出典:wikipedia
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