野比 玉子(のび たまこ)は、藤子・F・不二雄の漫画作品『ドラえもん』に登場する架空の人物であり、副主人公野比のび太の母。初期の作中(旧版)では「野比のぶ子」となっている話があるが、後に「玉子」に固定された。夫は野比のび助。38歳。旧姓が「片岡」。怠けた印象があるのび太にはやや厳しい専業主婦。のび太たち家族からは基本的に「ママ」、のび助からは「きみ」とも呼ばれる。また外部の人間からは「のび太君のお母さん」、「野比さん家の奥さん」と呼ばれ、本名の「玉子」と呼ばれることはほとんどない(公式HPおよびスタッフロールでも「ママ」とのみ表記されている)。外見は大人としても比較的長身。スリムな体型だが、本人は体重増加を気にする場面があった。癖は舌で唇をなめること。また、のび太が使っていた(部屋に置いていた)ドラえもんの道具を、それが何かもわからず勝手に使ってしまった結果のび太やドラえもんたちが被害を受けたりと、作品中のトラブルメーカー的な役回りも持っている。ニッと笑うと、女優の池内淳子に似ていると自称。なお、のび太同様かなりの近眼であり、眼鏡を外すと新聞も読めずのび太そっくりの「3」の字型のショボショボした目つきになるが、アニメ第2作1期「ママは小学五年生」(1994年12月9日放映)では「眼鏡を外すとかなりの美人」という設定に変更され、その言動も時に「まだまだ若い」ものがあるように変更された。「ママ、小学生になる」(2015年11月6日放送)では偶然「タイムふろしき」を被った玉子が小学生になり、のび太と行動を共にするが、その頃にはまだメガネは不要だったようで、素顔の玉子が登場する。家族は母親と兄(いずれも名前は不明)と弟の玉夫がいるが、父親は原作では一度も登場していない(のちにアニメで登場している)。のび太としずかの息子であるノビスケにとっては父方の祖母。しずかとは嫁姑の関係となる。夫であるのび助との馴れ初めは学生時代に、玉子の落とした定期券をのび助が拾い、返そうとして追いかけたこと(のび助が画家の道への援助者の申し出を断った直後)。1959年11月3日に婚約、OL時代に結婚。現在の姿ののび太と子供時代を含め何度か会っているが覚えていないらしい(これは夫のび助も同様)。この頃から気が強い性格で、物を出しっ放しにしたりドアを開けっ放しにするなどややずぼらな面も見せている(なお、このずぼらな面はのび太に受け継がれている)。連載当初は一人息子ののび太に対し非常に甘く、のび太を「のびちゃん」と呼んだり、怖い思いをしたのび太に膝枕をして慰めたり、宿題を忘れたため学校を休むと言って部屋に閉じこもったのび太をなだめて行かせようとしており、小学館の学習雑誌での連載開始時の人物紹介では、のび助ともども「あまくてぜったいにのび太をおこらない」とされている。また作中でものび太の「猫を飼いたい」との希望に笑顔で同意するなど、動物嫌いの部分も見せていない。しかし、当初の穏やかな性格は徐々に鳴りを潜め、高度成長期の教育ママを模した様なのび太に厳しい母親像が定着していくこととなる。また、時にはドラえもんの秘密道具やスネ夫から借りた漫画も燃やす、廃品回収に出す、時には2階ののび太の部屋の窓から外に向かって投げ捨てるという乱暴な手段に訴えることもある。どんなに珍しいものでも捨てることに躊躇しない。なかには、自分で勝手につまづいて転んだものを窓から外に放り投げ、その後再びそれにつまづいて転び、最終的には物置にしまい込み、それがうるさい音を出すと箒で滅多打ちに殴打したこともあるなど、ヒステリックな描写も目立つ。成績不振や怠け癖が著しいのび太への説教は長く(無論正座で聴かせている)、平均で1時間、明記されている中での最高記録は2時間15分59秒というものになっている。のび助のような具体的なアドバイスは皆無で、ガミガミと叱るだけの理不尽なケースがほとんどであり、中期からは理由もなくのび太を叱るパターンが多くなっている。また、のび太がジャイアンやスネ夫にいじめられているのを知ってか知らずか、ジャイアンやスネ夫が家の前で待ち構えているのにも関わらず有無を言わさずお使いに行かせようとしていたり、自分を殴ろうと待ち伏せしているジャイアンを恐れて学校に行こうとしないのび太を強引に学校に行かせようとしていた。のび太の失敗に対しては、ジャイアンのいじめや不可抗力がある場合でも事情や理由も聞かず頭ごなしに叱ることが多く、基本的に息子に対する信頼は乏しく、のび太よりもスネ夫のおべっかを信用する場面も見られる。そもそものび太を信用しなくなったのは、のび太が普段から嘘を付くことが多いことが一因であるが、これも玉子があまりに厳しいため、それを逃れる為に嘘を吐くようになってしまった背景もある。道具を容赦なく捨てることや動物嫌いも含め、屁理屈扱いしてのび太の主張を聞こうとしないことも多い。成績の悪さや家事手伝いを怠けていることを理由に夏休みに遊びに行くことを許さず、夏休みの期間中ずっと宿題や勉強をするようにのび太に言ったこともある(その際、のび太に対して「机の前から離れたら承知しないから」と脅してもいる。なお、この時点で既にのび太は宿題を終えていたのだが、玉子はそれを頭から信じず、事実を理解することができなかった)。のび助と会話がこじれ、のび太に八つ当たりすることも少なくない。のび太も諦めているのか、玉子によって理不尽な目にあっても反論したりドラえもん以外の第三者に弁明することはまれである。のび太にとって、玉子の怒りは何よりも恐怖である。のび太は「ぼくのこわいもの」と題した作文で、「おおかみ男」がこわいが、「でも、もっとこわいものがあるのです。それは、うちのママのおこった顔です」と書き、玉子に見られて怒られてしまった。また、あの手この手で人に開けさせようとするが、開けると怖いお化けが出てくる道具「パンドラボックス」を(道具の力もあって)無理矢理のび太に開けさせたが、出てきたお化けさえのび太は「ママよりましだ」と評した。また、その恐ろしさをのび太は「鬼」または「(童話に出てくるような)恐ろしい魔女」と比喩したことがある。しかし、ただ厳しいだけの母親ではなく、行方不明だったのび太が帰宅した際は号泣しながらのび太を抱き締め、その他にものび太が何か悪いことをして悩んでいた時にはそれを察して優しくたしなめたり、のび太がテストで30点を取ってきたときは褒めるなど無理に高望みをしたりしない、のび太がドラえもんの道具を使って学校の裏山に家出をしたため叱ったあとにこの家出事件解決後の帰宅時に夕食が済んでいるにもかかわらずおにぎりを握ってあげたりなど、常にヒステリックというわけではなく、自主的に行動を起こしてわずかでも結果を出した場合は褒めている。またのび太が100点をテストで取った時には号泣し額縁に入れて飾ると喜んでいた。しずか、スネ夫、ジャイアン、出木杉が皆ペットを飼っているのとは対照的に、玉子は動物嫌いであるため、基本的には捨て犬や捨てネコを拾ったのび太に「捨ててらっしゃい!」と動物に対しては冷酷ともとれる態度を取る。のび太の「ペットを飼いたい」という願いを断った回数は100回に達する。ペットを飼うことに憧れるのび太が、玉子に隠れて犬やネコを一時的に保護したり、あるいは恐竜を飼ったり、「台風のたまご」で生まれたフー子や宇宙から来た宇宙人や生物にした掃除機まで追い出そうとするなど、後のことまでは考えない。女性の例に漏れず、ゴキブリは苦手。また、ドラえもん並にネズミが苦手で、一緒に悲鳴を挙げてゴーゴーダンスを踊ったことも。ただし一辺倒に駄目というわけではなく、ハンドバッグを見つけてくれたペコをのび太が飼うことを許したり、一度情の移った子ネコを飼おうとしたこともあり、のび助の会社の上司から預かったハムスターを可愛がる場面もある。またのび太が怪我をしたスズメの雛を拾って巣立ちのときまで内緒で育てていたことをすでに承知してその様子を影で見守っていたり、他にもドラえもんの道具で生まれたキー坊を飼うことを認めるといった例外も見られる。嫌う理由については「動物の可愛さを知らないから」とのび太は分析しているが、世話を怠けて死なせてしまう危険性があるからとも取れる。また、野比家では金魚や亀を飼っている場面が何度かある。ただ、金魚に関しては作中で「また死んだ」と言っていることから、飼ってもすぐ死んでしまうらしい。野良猫のクロに獲られたこともある。主要5人(ドラえもん・のび太・しずか・ジャイアン・スネ夫)のキャラクターが目立つため埋もれがちだが、アニメ版では全話に登場している。のび太が目の前にいる時はそうでもないが普段はおっちょこちょいでやや抜けていたり、のび助を呆れさせたり、何もない所で転んだりすることもあった。生け花を習っており、家元から褒められたこともある。近所の主婦たちとコーラスグループを作っており、玉子の歌唱力もなかなかのもの。のび太が産まれた際にのび助が「君に似たら成績優秀」と言っていることから、学業は優秀であったと思われる。しかしアニメ版では、小学校5年の彼女はテストで35点をとるという風に成績が良くないと見られる描写がある。のび助とは対照的にビールは好きではないようだが、上等なウィスキーは美味しいと感じる。また、一回酒を飲んでしまうと止まらなくなり、挙句には屋根に上って踊り狂うほど酒癖が悪い。タバコを快く思っていないようだがドラえもんの道具の影響でタバコを吸ったことがあった。また、暇なときには週刊誌を読むが、普段はめったに本を読まないという。旅行は好きでは無く、「お金をかけてくたびれにいく」と形容したこともある。その一方でのび助に旅行に行くよういったこともありのび助が同じように形容した際には「たまにはそんな疲れ方をしてみたい」と嫌味を言ったこともあり前述の形容は単なる逃げ口上ともいえる。活動的であり、学校の裏山がゴルフ場として開発されようとした際は地球環境に関する本を熟読し、先陣に立って反対活動を行った。のび助と同様に原作の初期設定で戦争中やその後の食糧事情の厳しさを経験しているため、食べ物を粗末にすることに対して快く思っていない。しかし自分が太りすぎであると思った際には食事を抜くダイエットをしている。ただ、その際は腹が減っているためとてもイライラしており、とばっちりでドラえもん、のび太、のび助に当たり散らすことがある。なお、2007年に放映された「ママのダイヤを盗み出せ」では玉子が7歳の時に松田聖子のサイン会があった設定であるなど、戦後生まれに変更されている。性質上「のび太が鬱になる気分/辛くなる原因」として描写されることが多いため「非常にうっとうしい母親」のイメージが強いが、それはのび太が勉強や手伝いなどを「やれば出来るのに面倒くさがってやらない」為でもある事も多い。のび太自身は玉子に頭が上がらないものの、彼女を母として非常に慕っている。ドラえもんのことも居候あるいはのび太のペット的存在という認識で、ドラえもんを「家族としてカウントしない」こともあったが、家族同様の愛情を持っている。小学生の頃やのび太が乳幼児の時に、タイムマシンで過去にやってきたのび太とドラえもんには何度も出会っているが、その時々のことを現在はすっかり忘れてしまっている。また、自宅のテレビが映らなくなったとき、テレビの角をチョップで叩いて直したこともある。未来デパートから自転車が来る話では、パパのゴルフセット買い替えを反対したり、自分の持ち物は新しくしたいと主張してケンカしていたことも。またのび助とは、互いの買い替えをめぐって口論になることが多い。小原乃梨子(1973年、アニメ第1作)→千々松幸子(1979年4月から2005年3月まで、アニメ第2作1期)→三石琴乃(2005年4月以降、アニメ第2作2期)。少女時代は2000年は川上とも子、2005年4月以降は三石琴乃が演じている。テレビ朝日系アニメでは初回より登場。舞台版『ドラえもん のび太とアニマル惑星』 - 澤田育子
出典:wikipedia
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