私のしごと館(わたしのしごとかん)は、若者を対象に職業体験の機会、職業情報、職業相談等を提供する施設である。収支相償を前提とする事業ではなく、運営費は雇用保険料で赤字補填されていたが、雇用保険の無駄遣い等の批判や国の予算縮減等を受けて、2010年(平成22年)3月31日で営業終了となった。1989年(平成元年)度から、旧労働省により施策の必要性の議論が始まり、1992年(平成4年)度には、日本国政府(宮澤内閣)が施設の設置構想をまとめた。1995年(平成7年)の閣議決定(村山改造内閣、開館準備の推進)及び1999年(平成11年)の閣議決定(小渕内閣第1次改造内閣、設置の推進)を経て、厚生労働省の重点施策「若年者雇用対策の推進」の一つとして国により設置が推進及び促進された。例えば、2002年(平成14年)12月5日の第155回国会厚生労働委員会第12号では、政府参考人の一人として厚生労働省職業能力開発局長(当時)の坂本由紀子は、若年者のキャリア形成についての意識向上が目的で、建設費4百億円及び土地代など150億円かけ、中高生・修学旅行生・若年者の利用を想定し40万の利用を見込んでいる、とする主旨を述べた。その結果、厚生労働省所管の独立行政法人雇用・能力開発機構が「私のしごと館」として設置することになり、雇用保険法により定められている雇用保険事業のうちの能力開発事業として、若年者の失業予防のための事業を行っていた。 大阪府・京都府・奈良県にまたがる関西文化学術研究都市内にある、古代から木津川でつながる大阪、京都と奈良を結ぶ街道からそれほど離れていないところにあり、施設の行政的な所在地は京都府となる。2003年(平成15年)3月30日にプレオープン、同年10月4日にグランドオープンした。2008年(平成20年)9月1日までは独立行政法人雇用・能力開発機構、9月2日以降は、委託を受けた株式会社コングレが運営していたが、2010年(平成22年)3月31日に閉館(営業終了)となった。2011年(平成23年)10月1日、独立行政法人雇用・能力開発機構が廃止されたことにより、同日より厚生労働省が管理する国有財産となった。2008年(平成20年)3月6日に「第1回私のしごと館のあり方検討会」が開催された。その席で、舛添要一厚生労働大臣(当時)は、私のしごと館に対する様々な批判があることを認め、批判的声には謙虚に耳を傾けると述べている。具体的な批判について、厚生労働省は資料にまとめている。それによれば、次の5点、の指摘が紹介されている。私のしごと館の財源は入場料等の自己収入(2006年度は1.4億円)と雇用保険料による運営交付金(2006年度は14.8億円)である。運営費交付金は事業主が負担する保険料であり、個々の労働者が納めた保険料は使われない。職業能力開発施策という観点から、オープン当時は収支均衡は考えず、収支に関する目標の設定もなく、採算を度外視した運営が行われていた。その後、駐車場有料化や企業広告の開始、法人会員制度導入、体験プログラムの充実や体験料金値上げにより、自己収入は2006年(平成18年)以降、2008年度まで、年々増加していた。2007年(平成19年)には、2009年(平成21年)度の収支改善の目標を設定した改革実行計画(アクションプラン)が策定されたが、2008年9月から民間委託されるに至った。2007年(平成19年)12月の閣議決定(独立行政法人整理合理化計画)において、「私のしごと館」の運営を包括的に民間委託し、第三者委員会による外部評価結果を踏まえて1年以内に存廃を含めその在り方について検討を行うこととされた。これを受けて、「私のしごと館のあり方検討会」で検討された結果、2008年9月1日から2010年8月31日までの2年間の施設の運営を民間委託することになり、入札(2008年6月16日に入札広告、2008年7月11日が応札期限、2008年7月25日に株式会社コングレが落札)が実施されることになった。民間委託後も、厚生労働省、雇用・能力開発機構、経済団体、教育界等によるバックアップを行うこととし、2008年度、2009年度、2010年度と段階を踏んで評価を行い、存廃を含めた在り方を検討することとされた。しかし2008年12月24日の閣議決定において、2010年8月までに廃止されることが明記され、売却を含めた建物の有効活用に向けて検討されることになった。その後、来館者の減少や国の予算節減などの理由により、2010年3月末で閉館せざるを得ない状況となり、2009年11月、独立行政法人雇用・能力開発機構より2009年度末で閉館することが発表され、2010年3月31日で閉館(営業終了)となった。独立行政法人雇用・能力開発機構は、2010年(平成22年)5月31日に、旧「私のしごと館」の土地建物を一般競争入札により売却する公告を行ったが、同年8月30日の締め切りまでに入札参加者は無かった。第2回の入札公告も行われたが、2011年(平成23年)1月24日の締め切りまでに入札参加者はなかった。施設は入札が不調に終わったため、2014年に国から京都府へ譲与された。公益財団法人京都産業21の管理する「けいはんなオープンイノベーションセンター」(略称:KICK)と名称を変え、スマートコミュニティの形成に関わる分野の研究拠点化を目指している。京都国立博物館の収蔵庫があり、文化財避難及び保管の拠点でもある。館内の利用案内映像の紹介、しごと体験の申し込み等。様々な職業や仕事を知るためのゾーン。大型スクリーンによる映像、パネル展示、実物の展示などの他に、電車運転シミュレータの体験もできた。様々な仕事を体験して理解を深めるためのゾーン。入館料とは別に体験料が必要。体験内容と体験料は下記のとおり。パネル展示、映像、実物の展示等により、仕事や職業の変化や今後の未来を考えるゾーン。主にパネル展示を用いて、仕事や働き方の手がかりを探すゾーン。小中学生を対象としたコンピュータによる診断システム(じぶん発見オリエンテーリング)を利用できた。担当者による職業相談、パソコンを用いた各種の情報提供(セミナールーム、職業データベースの検索、職業選択の準備の程度の測定、職業適性診断)の利用。規格展示室(640平方メートル)ホール(200インチスクリーン、300名収容)、各種の会議室等を利用可能。料金は時間当たり700円〜11,500円。2006年10月、日本に民間施設であるキッザニア東京がオープンした。2009年には、兵庫県西宮市にキッザニア甲子園がオープンし、関西地方にも同様の施設ができた。「私のしごと館」と「キッザニア」は未成年に仕事を体験させる点では共通しているが、両施設には以下のような違いがある。韓国政府は、韓国ソウル近郊城南市にを2012年(平成24年)5月に開館した。建設・運営の参考とするために、2007年5月には労働部長官、2008年10月には職業体験館設立運営団長ら6人が相次いで視察に訪れ、「私のしごと館」をモデルにしたい意向を示した。
出典:wikipedia
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