前田土佐守家資料館(まえだとさのかみけしりょうかん)は、石川県金沢市に所在する、前田利家の次男前田利政を家祖とする前田土佐守家に伝来する9,000点に及ぶ歴史資料(石川県指定文化財)を所蔵、展示を行う金沢市立の博物館である。2002年4月27日に開館した。年に4回の特別展の他に、毎年2月頃に近接する金沢市長町研修館で、前田土佐守家資料館連続講座を主催する。前田土佐守家は、加賀藩祖前田利家とその夫人まつの次男である前田利政を家祖とする加賀藩きっての名家であり、加賀八家の一つとして代々、藩の重責を担ってきた家である。家祖利政は、七尾城にあって能登国22万石を領有していたが、関ヶ原の戦いで徳川家康の出陣要請に応じなかったことから領地を没収された。その後京都(嵯峨)に隠棲し、本阿弥光悦など多くの文化人や豪商と交流していた。2代直之(なおゆき)は、幼少時に祖母芳春院(まつ)にひきとられて養育された。芳春院の尽力があって、3代藩主前田利常に召し抱えられた。これ以後藩政期を通じて1万余石の禄高をもって、代々「八家」の一つとして藩の要職を歴任し、10代直信(なおのぶ)の時に明治維新を迎えた。藩政期の当主10人のうち4人が従五位下土佐守(2は近江守)に叙爵されていることから、一般に「前田土佐守家」と称されている。古文書を中心に江戸時代初期~明治にかけての資料9000点からなり、「芳春院自筆消息」「織田信長黒印状」「豊臣秀吉消息」をはじめとする貴重な資料が多数みられ、加賀藩や加賀藩上級武士の歴史や文化について学び知ることができる。江戸時代には、加賀藩の加賀騒動、仙台藩の伊達騒動、福岡藩の黒田騒動、佐賀藩の鍋島騒動、薩摩藩のお由羅騒動などさまざまな御家騒動が起こっている。加賀騒動は、異例の出世で藩主側近にまで上り詰めた大槻朝元(おおつきとももと・通称は伝蔵)ら藩政改革派と藩の門閥重臣5代前田直躬(なおみ)ら保守派の対立抗争であったと言われている。直躬は、とにかく几帳面で、筆まめな学者・文化人でもあり、加賀騒動の大槻関係の資料を集めて記録として残している。一面、和歌を冷泉為村に学び、能や茶の湯をたしなみ、和歌短冊なども数多く残されている。「前田土佐守家史料を読む会」を催し、古文書に触れたことがない初心者を対象に館が所蔵する史料をテキストにして古文書解読の講座を行っている。この受講者達によって史料の翻刻が行われる。
出典:wikipedia
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