LC-90は、ビーチクラフト キングエアC90を改造した連絡輸送機。海上自衛隊の各航空基地に1機ずつ計5機配備されている。また、派生型のTC-90が計器飛行訓練用の練習機として第202教育航空隊（徳島）に28機配備されている。LC-90よりも取得が先であったTC-90は、初期に導入された機体から退役が始まっているが、現在も調達が続いている。2016年5月、日本から最大5機のTC-90をフィリピン海軍へ有償貸与する事が両国間で合意した。自衛隊装備の他国供与第一号となる。南シナ海での監視能力強化を図りたいフィリピンはP-1への置き換えで余剰機が発生する大型哨戒機P-3Cを希望していたが、運用に高度な能力を必要とし維持費も高いP-3Cに代わり、より扱い易く維持費が安いTC-90の移転が前年から検討されていた。TC-90は専用の哨戒装備を持たないため、導入した状態では目視による哨戒しか出来ないが、フィリピン海軍が連絡機と兼用するブリテン・ノーマン_アイランダーに比べ作戦行動範囲が約2倍となり、レーダー類を積載する余裕もあるなど、能力向上が見込める。防衛省においては、人道支援・災害救援での能力向上を挙げている当初は無償や格安での譲渡が検討されたが、日本の財政法は国有財産の無償供与や実勢価格より安く売却することを禁じており、C90の中古市場価格（2016年時点）である3000万円での売却を求めた日本と、無償供与を求めるフィリピン側と折り合わなかったため、貸与という形となった

出典:wikipedia