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グレイルクエスト

『グレイルクエスト』("Grailquest")は、アイルランドの作家ハービー・ブレナン(J・H・ブレナン)による、アーサー王物語と聖杯伝説を題材としたゲームブックのシリーズ。1984年-1987年に発行され、全8巻に及ぶ。『グレイルクエスト』は著者ブレナンのユーモアあふれる筆致で知られる。しかしそれは相手を愉快な気分にしたり一緒に笑いあうようなものではなく、当人はニコリともせずに痛烈な皮肉をぶつけ、相手を沈黙させるアイルランド流ユーモア「デッドパン」である。読者はブレナンと劇中の語り部役マーリンからちくちくと皮肉られるが、そうした自分の姿に気づき、自らを笑う余裕が出てきたとき、デッドパンの魅力を知ることになる。ゲームブックの祖である『ファイティング・ファンタジー』の地の文が、誰でも楽しめるようにするため平板かつ無個性な声で語るのに対し、著者が積極的に読者に語りかけてくる本シリーズでは、テーブルトークRPGのゲームマスターとプレイヤーの間のやり取りを疑似体験できる。『グレイルクエスト』の項目数は200前後と、一般的なゲームブックと比較してかなり少ない。ロールプレイングゲーム (RPG) の要素を取り入れようとすると項目数はその倍くらい必要になる。項目数が少ないと、内容が分岐するだけの小説にならざるを得ない。読者が展開の選択権を持つゲームブックは、通常の小説への感情移入とは異った形での「主人公との一体感」をもたらすため、主人公が勝手に行動して読者の意志と齟齬を生む分岐小説は不満を招きがちである。しかし本シリーズの読者は「魔法によって主人公の肉体に宿った存在」とされるため、自主的な行動をとる主人公を俯瞰しても違和感がない。また、結果的にほとんどの項目を読破する構造になっているため、ボリューム不足を感じさせることもない。項目数の少なさを補うのが、『ドラゴンの洞窟』のストーンマーテン村で用いるような見取り図の存在である。読むべき項目を図の形で提示することによって、「道は東と西に続いている」のような移動のための描写を省くことができる。しかし見取り図と項目を照らし合わせる作業が単調になりがちであるのと、項目の構造を解き明かすパズル要素が失われることから、この手法を取り入れた人気ゲームブック作品は少ない。本シリーズが数少ない成功例であるのは、著者のユーモア感覚によって各場面の描写を読むこと自体が楽しくなっているからである。分岐小説形式を選んだブレナンだが、ヒットするゲームブックにはRPGの要素が必須であることは承知しており、本シリーズにも忘れず取り入れている。しかし、その要素は未加工で投入されている。たとえば敵との戦闘を回避する「友好反応」や「ワイロ」は無くてもかまわないルールだが、RPGでは交渉が行えるため選択肢に加えられている。『ドラゴンの洞窟』の冒頭では装備品をリストの中から買い揃えるが、実際に役立つ品は多くない。買い物という行為自体がRPGのキャラクター作成時における楽しみのひとつであり、その目的を果たした後はあまり詳しく調整されていないのである。同巻の魔法リストも同様で、一覧を眺めて読者に楽しんでもらうことが第一であり、各魔法の使用に際して精緻なパズル的要素は組み込まれていない。普通ならこのような手法は通用しないが、皮肉とユーモアに満ちた本シリーズにおいては、いい加減さも笑いの種として機能している。14は主人公ピップが死亡したときに行く項目である。通常のゲームブックであれば、死亡して再開した場合「先の展開を知っている読者」と「未知の冒険に挑む主人公」との間に認識の断絶が生じ、一体感がなくなる。しかし『グレイルクエスト』では、死から14を経て生に戻ることもまた冒険の一部であり、ピップの体験が途切れることはない。一度倒した敵と遭遇してもそれは幽霊であり、世界の時間が巻き戻るわけではないのである。このメタフィクション的な構造が、最後まで主人公と読者の一体感を維持し続ける仕掛けとなっている。いつ魔術師マーリンに会えるのかと問われて「この次に死んだら……」と答える『ドラゴンの洞窟』第133項目のように、時にはピップ自身が14の過程を踏まえた発言をすることもあり、本シリーズにおける死は作品の前提にして笑いの対象である。「14」はゲームブックファンの間で通じる暗号のようなものであり、『グレイルクエスト』へのオマージュ要素を含む他作品でもしばしば死を意味する番号として扱われる。日本では二見書房より『ドラゴン・ファンタジー』シリーズとして1985年-1987年に発行された。ゲームブックブームの当時、二見書房も初心者向けの作品『タイム・マシン』シリーズを翻訳出版していた。そのころの二見の担当編集者が「ちょっとおかしなゲームブックがある」と本シリーズを紹介され、その奇抜さが気に入って刊行を決定。癖のある内容だけに主流にはなりえないと思われたが、2巻が出たころから好評を得るようになり、人気シリーズの地位に就いた。日本語訳では、以下に挙げる理由で原文の一部が削除されている。その一方で、原文では「XXへ行け」程度だった箇所に、前述の二見書房の編集者によって数行にわたる描写の補綴が行われている。日本語版のイラストはフーゴ・ハルによる。もともとフーゴはアナログゲームのシステムチェックなどに携わっていた人物であり、イラストはあくまで趣味の範疇だったが、原書の絵が雑に見えたので描き換えようという話が出て、なりゆきで挿絵も担当することになったという。イラストにはゴヤの『巨人』など、さまざまな素材がコラージュのように散りばめられている。ブレナンは自著が日本で出版されていることを承知しており、『七つの奇怪群島』では日本人読者限定で生命点を増加するボーナスを与えている。また、著者の素性についての問い合わせが多く寄せられた二見書房がマリ・ポリンジャー出版社に照会したところ、ブレナン当人から日本向けに返答があり、『魔獣王国の秘剣』巻末に掲載された。2004年からは、創土社より復刊が始まっている。創土社版には新しいイラストや解説が追加されたほか、2巻からは二見版では省略されていた文章が補完されるようになった。物語はアーサー王の時代、彼が統治するアバロン王国に魔術師マーリンがプレイヤーの意識だけを召喚し、ピップの肉体に宿らせる、という設定で始まる。英語版がイギリスと北米で出版されたほか、イタリア語、スペイン語、チェコ語、デンマーク語、フランス語版が存在する。北米では最後の2巻は出版されなかった。英語版の挿絵は『ウォッチメン』の彩色を担当した、日本語版の挿絵はフーゴ・ハルによる。

出典:wikipedia

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