ひょっとこは、口をすぼめて曲げたような表情の男性、あるいはその面のこと。潮吹き面(しおふきめん)ともいう。左右の目の大きさが違うこともあり、頬被りをしている場合もある。あるいは面を付けた人は頬被りをすることが多い。女性の「おかめ」(おたふく)と対にあつかわれることもある。ひょっとこは田楽や祭礼における舞いや踊りの中での道化役としてしばしば登場する。ひょっとこの語源は竈(かまど)の火を竹筒で吹く「火男」がなまったという説がある。また、口が徳利のようであることから「非徳利」からとの説などもある。舞楽に登場する「二の舞」に登場する滑稽な役を演ずる役の面が神楽へ移行したものが、滑稽な道化役としてのひょっとこの登場のはじまりだと考えられている里神楽(さとかぐら)では、一連の番数の神楽のほかに番外として舞われる「もどき」と称される踊りにひょっとこの面をつけた踊りが舞われた。ひょっとこの面の造型自体は、猿楽などで使用されていた「黒尉」の面などに由来している。同種の面は「うそぶき」と呼ばれ、目はまるく、口をとがらせて突き出た形につくられている。現代まで見られるひょっとこの面の祖型が出来あがりはじめたのは室町時代であると見られており、江戸時代に里神楽・町神楽などを通じて一般的になっていったとされる。岩手県に伝わる昔話には以下のようなものがあり、『江刺郡昔話』(佐々木喜善・編、1922年)などで報告されている。その子の名前が「ひょうとく」であったところから「ひょっとこ」という名称が生まれたとされている。このような昔話は東北地方には同様の類話が多く確認されており、登場する子供の名称が異なっていることがあるが(うんとく、したり等)おおむねその後身が火神(かまど神)となったとされており、「ひょっとこ」と火が関係がある、という民間語源に近い解説例としてよく採り上げられている。うんとく、したり、ひょうとくなどの登場する昔話は、竈の神として最終的にまつられる箇所以外は、「竜宮童子」などに分類される昔話と似た構造(異世界から子供をもらう・その子供が富をもたらす・その子供を邪慳にあつかって富を失うまたは没落する)になっている。ひょっとこの登場する作品を列挙することは枚挙に暇がないが、時代や各文芸におけるひょっとこの変遷を考える上で役立ちそうなものとして紹介する。面をつけ滑稽な踊りをすることは現代の各地の神楽や祭りでも見ることができる。大規模にひょっとこを取り上げたものには、宮崎県日向市で開催されている「日向ひょっとこ夏祭り」がある。祭り自体は1984年(昭和59年)に始まった新しいものではあるが、毎年数万の観客を集め、2000人近い踊り手が市内を練り歩く、同市最大かつ宮崎県を代表するお祭りである。この祭りで踊られる腰を前後にグラインドさせて痙攣する動きが特徴的な「永田のひょっとこ踊り」は明治期に日向市塩見永田地区で眼科医を開業していた医師・橘公行が里神楽を元に考案したとされ、現在は地元の橘ひょっとこ踊り保存会によって引き継がれている。島根県の民謡「安来節」にもひょっとこ顔の男踊りとして、「ドジョウ掬い踊り」がある。出雲国(島根県)はかつて製鉄が盛んであり、その砂鉄採取が所作の源流とされ、炎と関係の深い金属精錬神への奉納踊りの側面もあったとも考えられている。冷暖房に使用するダクトの部材において、主管から分岐する場合に抵抗を減らすために風の流れる方向に広がった台形状の取り出し管のことを「ひょっとこ」と呼称する。吹き出し口に取り出す場合に、天井開口から作業できるように、内側から折り倒せるように加工した取り出し管を「内ひょっとこ」と呼称する。ともに取り出し部分にあたる鉄板がひょっとこの面の口のように飛び出していることからの呼称である。
出典:wikipedia
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