王国の歌 (おうこくのうた、英語: Kingdom Songs) ないしは賛美の歌 (さんびのうた) は、エホバの証人によって用いられる賛美歌である。かつては「御国の歌」(みくにのうた)とも呼ばれていた。2016年現在は 154曲が歌われている。当初、聖書研究者(エホバの証人の1931年までの呼称)は、一般に知られた歌や賛美歌を多く使用していた。以来、彼らの集会で音楽を用いる習慣は多くの発展を重ねてきた。初期には、エホバの証人は有名なメロディーに独自の歌詞を付けたものも用いた(中には、ベートーヴェンやハイドンのような有名な作曲家による曲もあった)。1930年代の終わりに地元の集会で歌う習慣は廃止されたが、1944年に再び導入された。この時以降、歌集全体をエホバの証人に特化したものにするよう、一層の努力が払われるようになった。こうして、今日では曲・歌詞ともに、すべてエホバの証人自身による作品となっている。1879年、エホバの証人による最初の歌集 『花嫁の歌 ("Songs of the Bride")』 が出版された。これは 144曲からなる歌集であった。次いで出版されたのは、1890年の 『千年期黎明の詩と賛美歌 ("Poems and Hymns of the Millennial Dawn")』 で、151編の詩と 333曲の歌が収録されていた(そのほとんどは有名な作家の作品)。これに続いたのは 1896年2月1日号の 「ものみの塔 (The Watchtower)」 誌で、エホバの証人の作詞になる 11曲が掲載された。さらに別の歌集が 1900年に出版された。81曲の歌が掲載され、その多くは一人の人物の作品であった。1905年には、1890年に出版された 333曲を収録した、楽譜付きの歌集が発表された。この歌集は英語以外の数ヶ国語でも出版された(主にダイジェスト版で)。1925年 には、特に子どもや若者のための歌集が出版された。この歌集は 『王国の賛美歌 ("Kingdom Hymns")』 と呼ばれ、80曲の歌が収録されていた。1928年には、『エホバにささげる賛美の歌 ("Songs of Praise to Jehovah")』 と題する歌集が出版された。この歌集には新旧織り交ぜて 337曲が収録された。1940年代以降に出版された歌集を以下に挙げる:通常、会衆の集会では三つの歌が歌われる。集会の始まりと終わりにはそれぞれ歌と祈りが捧げられ、また、集会の二つの部を分ける中間の歌が歌われる。歌は、集会のプログラムに合った主題の歌が選曲される。「神の言葉から宝を探す」(注・これに続く「野外奉仕に励む」の開始時には歌を歌わない)・「クリスチャンとして生活する」および「ものみの塔研究」 の始まりの歌は、かならず協会により歌番号が指定され、「神の言葉から宝を探す」および「クリスチャンとして生活する」で用いる歌は 『生活と奉仕 集会ワークブック』に、「ものみの塔研究」 で用いる歌は、研究で用いる号の 「ものみの塔」 誌上に掲載される。なお、「公開講演」の開始前の歌は、通常 講演者自身が、講演の内容を考慮して選曲する。王国の歌はまた、大会やエホバの証人の各国事務所 における行事等でも歌われる。集会や大会の際は、オーケストラ伴奏曲に併せて斉唱する。地区大会の際には集会前にオーケストラ伴奏に合わせた音楽ビデオが用いられる。王国会館に伴奏用楽器は置かれない。エホバの証人の結婚式は、(一般的なブライダル・マーチではなく) 結婚に関連した王国の歌を用いる典型的な儀式である。また、エホバの証人の告別式(葬式)でも、適切な王国の歌が歌われることがある。楽譜上は四部合唱が可能であるが、日本のエホバの証人の集会等では、主旋律のみを歌うのが半ば慣例化している。しかし、アフリカ諸国では混成合唱で唱われるケースが多い。かつては、集会終了時間が超過すると、1番のみを歌って「結びの祈り」とする習慣があったが、現在の歌集では曲が短いため、賛美の歌の省略は行われなくなった。また、比較的長時間の講話が連続する「大会」では、中間の歌の時間が「トイレタイム」と化し、歌の開始と同時に一斉に聴衆が移動することが問題となり、しばしば会衆あての回状で「賛美の歌は重要な崇拝の一部」である旨の通達がなされる場合がある。エホバの証人は、「賛美の歌」を世俗的に用いることに極めて否定的である。それゆえ、ロック調やゴスペル調にアレンジして歌うことなどはなく、個人が私的にアレンジした演奏を公表することは推奨されていない(ただし、王国会館外で挙行する結婚式等では、あまり極端にアレンジしないことを条件に合奏が認められるが、それでもエレキギターやドラムセットの使用を伴うことは常識的にはない)。また、度重なる注意にもかかわらず、かかる行為を繰り返す成員には、協会から排斥される場合があり、商業的に利用した場合には、除名処分に相当することもある。また、それらを頒布する行為には協会は強く否定的である。http://www.archive.org/details/Songs_of_Praise_to_Jehovah に1928年の歌集に収められた一部の曲の合唱をMP3化したものがある(ただしロシア語またはウクライナ語)。これは、現在のいわゆる「ブルックリン本部派」からラザフォード会長の死去時に分離したグループによる録音であるが、78、90、325、335、336番は古くから親しまれてきた曲であることがわかる。
出典:wikipedia
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