審 栄（しん えい、生没年不詳）は、中国の後漢時代末期の武将。冀州魏郡陰安県の人。審配の甥（兄の子）。袁紹の子袁尚配下。建安9年（204年）2月、曹操が袁尚の本拠である鄴を攻めた際、審栄の叔父審配がこれを守備した。審栄も、審配の指揮下で東門校尉を務めていたが、同年8月、東門を開いて曹操に寝返った。捕えられた審配は、裏切者が審栄と曹操から聞かされると、「役立たずの小僧の分際で」と罵り悔しがった。こうして審配は処刑されたが、その後の審栄の消息は不明である。小説『三国志演義』では、辛の友人とされ、審配に一族を皆殺しにされた辛に同情して曹操に内通したという展開になっている。しかし正史では、審配が皆殺しにしたのは辛の兄辛評の家族のみで、辛の家族は辛うじて窮地を脱している。また、審栄が辛と友人であったかどうかについても、史実では記載が無い。もっとも、辛が怒りの余り捕えられた審配を鞭打ったこと、審配が捕らえられた後曹操が開門した人物は審栄だと告げる件は、『演義』でも正史でもほぼ同一である。中国中央電視台のドラマ『三国演義』では開城のくだりが若干異なる。叔父審配の疲労困憊に心を痛めた審栄は、審配を労わって休ませ、その直後に一人で城門まで降り立って開門、包囲する曹軍を前にして無言のまま刀を首に突き付けて、引いた。開門と審栄の死を見た曹軍は、一瞬の間を置いた後、城内へ突撃する。

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