株式会社カウボーイ（英称:"CowBoy Co., Ltd."）は、かつて北海道内を中心にスーパーマーケットを展開していた会社。創業者の中野晃が、食肉卸店を始めた事が始まりである。株式会社カネイチを設立後、土日限定の食料品専門店の1号店「カウボーイ伏古店」を開業。開業後、会社名も株式会社カウボーイに変更した。カウボーイは、アメリカンスタイルのショッピングセンターをイメージした店舗を目指し、単なる形にはまった店舗ではなく、「型破りな怖い物知らず」、「日々挑戦者」をイメージとして名づけられた。開業当初は、上述の通り土日限定の営業の食料品専門店であったが、後に毎日営業となり、酒・電気製品・衣料品・スポーツ用品・洋服を取り扱うようになる。酒、米、ガソリンなどの価格破壊的な廉売攻勢で人件費を抑えて価格に還元することを狙い、見事成功した。1990年代にはモール型店舗の開発を開始。この時、大手スーパーも本格参入していなかった為、モール型店舗の草分けとなった。開発の際の融資はメインバンクであった北海道拓殖銀行が、不動産担保があれば積極的に融資した。1997年11月15日に北海道拓殖銀行が、更に、1998年10月28日には日本長期信用銀行が相次いで経営破綻した。メインバンクの相次ぐ破綻はカウボーイの運命を大きく変えてしまう。2000年に入ってから、イオンやイトーヨーカドー等の大手スーパーが北海道に攻勢をかけ、カウボーイはスーパー事業の他にスーパー銭湯、割烹温泉、ガソリンスタンド、パークゴルフ場、スーパーでは前例がない葬儀事業にまで着手、それらをカウボーイの敷地内に出店し、大手スーパーとの差別化を図った。ところが、2001年にアルコール系自動車燃料の格安販売を始めるがガソリンとほぼ同等の課税対象になったため撤退、さらに牛海綿状脳症（BSE）問題で食肉部門が大打撃を受ける。2004年には上越店内に「割烹温泉 上越の湯」を開業させた矢先に新潟県中越地震が発生する等、カウボーイにとっては大きな痛手となった。更に小型スーパー事業で、ニチメン（現：双日）やサンドラッグと提携を結んだ上で、買収したドリームハウスとデイリーカウボーイを入店させたミニ複合施設の展開や、東京等の首都圏進出を企てるなど積極的な対抗策に出るものの、銀行の融資姿勢が従来の不動産担保重視から収益性重視へと大きく変わって資金を得られなくなったことも重なり、2001年9月期に684億円あった連結売上高も2006年9月期には492億円に急落。カウボーイは余力が無くなっていた。2006年12月に、ゴールドマンサックス証券とスパークス証券の支援の元で経営再建が決まり、創業者の中野は全ての職を辞任した。関連子会社の清算及び譲渡、不採算店舗の閉鎖等を行い順調に事が進むと思われたが、追い討ちをかけるように2008年3月にリーマン・ショックが発生し、経営再建に暗雲が立ち込めた。2008年7月には福岡県発祥の大手スーパートライアルカンパニーがゴールドマン・サックス証券が所持していた発行済み株式の30％弱を譲り受け、カウボーイはトライアルと業務提携を行った。同年9月から「カウボーイ」から「トライアル」に屋号を変更を行ったが食品関連はカウボーイが調達していた。2010年1月21日にカウボーイはトライアルに吸収合併され解散、約42年の歴史に幕を下ろした。カウボーイを追われた中野は2008年に「アウトロー」を創業し、原点に戻る形で金土日限定営業のディスカウントショップを札幌市内で3店舗展開（2012年以降は全店舗平日も営業）又、ネットスーパーも展開している。2014年現在は3店舗あったうち2店舗を閉店し（米里店 2013年10月・篠路店 2013年12月）、本郷店のみの営業となっている。ネットスーパーは現在休止中。★は、カウボーイが吸収合併で消滅するまで存続していた店舗を指す。

出典:wikipedia