カンナビノイド()は、大麻に含まれる化学物質の総称である。60種類を超える成分が大麻草特有のものとして分離されており、テトラヒドロカンナビノール、カンナビノール、カンナビクロメン、カンナビジオール、カンナビエルソイン、カンナビゲロール、カンナビディバリン などがある。特にTHC・CBN・CBDはカンナビノイドの三大主成分として知られる。なお、陶酔作用がある成分はこの中でもTHCのみとされるが、他のカンナビノイドとの含有比率によって効用には違いが生じる。カンナビノイドは窒素を含まず、酸素と水素、炭素からなるので、アルカロイドには分類されない。時間や空間感覚の変調をもたらし、多幸感・鎮痛・幻覚などの精神神経反応を引き起こす。大麻の有効成分であるテトラヒドロカンナビノール(THC)は強い幻覚作用をもたらす。カンナビノイドは、脳の扁桃体にあるCB受容体の働きを促進させることにより、恐怖体験などにおいて発症したトラウマの症状を軽減する効果を持ち、PTSDを始めとするトラウマによる疾患を治療するための薬としても使用されることがある。カンナビノイド類は、特異的受容体(カンナビノイド受容体)を介して作用する。カンナビノイド受容体としてCBおよびCB受容体がこれまで同定されている。Δ-THCとWIN 55,212-2は脳の神経回路を破綻させることが証明された。ミノサイクリンは、幼若マウスの脳で広範な神経変性やアポトーシスを引き起こした。CB受容体の内在性リガンド(脳内マリファナ)として、2-アラキドノイルグリセロールやパルミトイルエタノールアミドなどが発見されている。CB受容体作動薬はアデニル酸シクラーゼの活性促進作用を併せ持つ。CB受容体の作動薬であるWIN 55,212-2はACの強力な活性促進作用を示した。ミノサイクリンやドキシサイクリンもACの強力な活性促進作用を示した。反対に、CB受容体拮抗薬はACの活性阻害作用を併せ持つ。CB受容体の逆作動薬であるリモナバントはACの活性阻害作用を示した。カンナビノイドは、グルタミン酸・ドーパミン・アセチルコリンを介して記憶へ影響すると考えられている。NMDA神経毒に対し、WIN 55,212-2とCP 55,940は有意に神経保護した。しかし、高濃度での培養は36時間後に神経細胞をアポトーシスさせた。WIN 55,212-2はグルタミン酸阻害作用と、ACh阻害作用が示されている。NMDA神経毒に対し、ミノサイクリンは50%阻害した。グルタミン酸神経毒に対し、ミノサイクリンは50%阻害した。ミノサイクリンとドキシサイクリンはアセチルコリンエステラーゼ阻害作用を示した。Δ-THCのAChE競合阻害K=10.2µM、ブチリルコリンエステラーゼ阻害IC=100µMである。歴史的に、研究用のカンナビノイドの合成は、しばしば薬草のカンナビノイドの構造を基にしており、そして多くの類似体が製造・実験され、特にのグループは早くも1941年に、その後のグループが先導した。新しい化合物はもはや天然のカンナビノイドと関連がないか、あるいは内因性カンナビノイドの構造に基づいている。合成カンナビノイドは、カンナビノイド分子に系統立てた改良を加えることにより、構造とカンナビノイド化合物の活性を決定する実験に特に有用である。2013年(平成25年)2月20日、厚生労働省は幻覚や興奮作用などがある、脱法ドラッグに使われる「合成カンナビノイド類」を指定薬物として包括指定(772物質)する厚生労働省令を公布し、2013年(平成25年)3月22日から施行された。【目次へ移動する】
出典:wikipedia
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