略字(りゃくじ)とは漢字について本来の字体から点や画を省略したもの、あるいはある文字に代わって用いられる字画を省略した文字のことである。一部の略字は日本工業規格(JIS)やUnicodeに登録されている。現在の日本では、概ね以下の意味に用いられる。「略字」と似たような使われ方をする言葉に「俗字」がある。俗字は世間で通用するが正格ではない字体の文字であり正式に通用しない文字を指すこともあるが、漢和字典では正統とされている文字に対する異体字を指していう。手書きなどで用いられるが、正式な文書では用いられない略字は古くから書き文字として用いられている歴史のあるものから比較的近年発生したと考えられるアルファベットを用いて一部分を置き換えたものまでさまざまである(実例は次節参照)。このような略字は「くずし字」と同様、日本漢字能力検定の採点の対象にならないなど正式な日本の漢字としては認められていない部分がある。また、義務教育では略字を学ばせないことやOA化により手書きの文字に触れる機会が少なくなったことから現代人の間では略字が定着しているとはいえなくなっている。機械彫刻のように細かい文字が表記できない場合や、看板のように細かいと遠くからの視認性が悪い場合に略字が用いられる。JIS(日本工業規格)にはJIS Z 8906の機械彫刻用標準書体で略字が規定されている。一方、パソコンの縮小表示や携帯電話などの小型携帯端末における表示に用いられる。非常に小さいサイズのフォントで、少ないドットをもって文字を表すための一つの手段として簡略化された字形が用いられることも多い。特に「門構え」の文字や、「濾」などは画数も多く複雑であるため、「」や「」などと略されることが検討されてきた。JIS Z 8903に規定がある。いわゆる「拡張新字体」は、表外漢字に新字体に倣った簡略化(〈祇〉示+氏→ネ+氏 、(手偏+國)→ 掴、(口偏+亞)→ 唖 など)を行った字体である。表外漢字については当用漢字や常用漢字では何ら定めがなかったが2000年の国語審議会答申「表外漢字字体表」において主として「康熙字典」に準拠した字体が「印刷標準字体」とされたことから、印刷字体における拡張新字体の利用は固有名詞以外では今後淘汰(とうた)されていくものと考えられる(この拡張新字体の一種である「朝日文字」は、2007年1月に廃止された)。2004年の人名用漢字追加の際も、表外漢字字体表にあるものは、一部の例外を除き印刷標準字体の字形で追加され、基本的に正字体で追加される形となった。しかし、その数年後に正字体で追加された字の1つである「」の拡張新字体の「祷」を使いたいという訴えがあり、裁判となり、JIS第1水準であるため平常平易だという判決が下り使用を認め人名用漢字に追加されるということがあった(また、これとは別に「曾」の略体に基づく異体字「曽」「弥」の旧字体「彌」等はいずれも人名用漢字に追加されている)。なお「表外漢字字体表」はあくまで印刷字体の標準を定めるものであり、筆記に係る字体を定めるものではない。表外漢字を対象とする日本漢字能力検定 の準1級以上の試験(2級以下の試験では常用漢字のみが対象となる)では、いわゆる「拡張新字体」を用いて回答することが認められている。日本のナンバープレートにおいては以前、愛媛県の「愛媛」の字を崩した略字により表示していた。当時は鉄板製であり錆びてしまうので、水はけを良くするための独自の略字である。なお、2003年10月以降に発行されたものは、「愛媛」の字を普通の書体で表示している。日本のナンバープレートには滋賀県の「滋賀」の「滋」の「」の部分で「()」(ノ(はらい)+厶(シ・ござる))の3,6画目の点が省略されているのも見られる。JIS Z 8903では、標準の字形をこの略字形で表現している。1963年の名神高速道路の開通に合わせ誕生し、ドライバーの視認性を高めるよう工夫されていたかつて高速道路のフォント(書体)では、文字の画数が大胆に省略されていた。その特徴について下記に記述する。上記の例11の「闘」と「斗」は、正字と略字というよりはまったく別の文字である。したがってこれらの関係は、「正字と略字」というより「正式用法と代用」という関係に当たるとも言える。上記の例9の「濾」も同様の可能性がある(「」は「瀘」の略字と見る者もいる)。小学校の国語の教科書では「年齢」を「年令」、年齢の「〇〇歳」を「〇〇才」と表記しているが「令」は「齢」の略字ではなく「才」も「歳」の略字ではない。「齢」「令」「歳」「才」はそれぞれ独立した別個の漢字であって、互いに「正字と略字」という関係にあるわけではない。「齢」「歳」は常用漢字ではあっても小学校課程での教育漢字ではないので教えないが、非常に使用頻度の高い字であるので、まぜ書きを避けるべく「齢」を「令」、「歳」を「才」で代用しているのである。したがって中学校で「齢」「歳」を習った後は「令」「才」は使うべきではないのだが、画数が少ないため略字のような使い方(いわゆる教育漢字代用による俗用)をされている。また、「才」に「とし(とせ)」の人名用字訓(※政府推奨)が与えられている。宮城県塩竈市の「竈」を拡張新字体の「竃」(「塩竃市」)や同じ「かま」と読む代用字体の「釜」(「塩釜市」)に、福岡県糟屋郡の「糟」を同じ「かす」と読む代用字体の「粕」(「粕屋郡」)に使用されている事がある。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。