『NEO FASCIO』(ネオ・ファッショ)は、日本のミュージシャンである氷室京介の2枚目のアルバムである。1989年9月27日に東芝EMIのイーストワールドレーベルよりCDでリリースされた。本作はコンセプトアルバムとなっており、カリスマの否定やファシズムの持つ危険性を音楽で表現している。テーマの難解さ故に、「もしかしたら、このアルバムは売れないかもしれない。だけどさ、そこの結果なんかよりも重いものを今回はテーマにしたい」という本人の弁の通り、コンセプト・アルバムであることを明確にした。しかし、本アルバムは初登場1位を獲得し、セールス的には充分な成果を上げた。参加ミュージシャンはヴォーカルと一部の曲のギターで氷室自身、ギター・ベース・キーボードをプロデューサーの佐久間正英、そしてドラムのそうる透の3人しか参加していない。これは、同じバンドメンバーだった布袋寅泰が、BOØWY解散後のソロデビュー作『GUITARHYTHM』(1988年)を基本的に3人で制作したことに対してのライバル心の現われとも言われている。それとは別に、予定されていたスタッフがたまたま急病でレコーディングに参加出来なくなった事に乗じて、佐久間が自分のイメージ通りの作品を作るべく殆どのパートを自分一人で演奏してしまったと言う説も有力である。アルバムリリース前に、東京都心を始め、地方都市に至るまで街角の広告用のボードにアルバムのジャケットを表示した広告を掲示していた。また、先行シングルとなった「MISTY〜微妙に〜」(1989年)のミュージック・ビデオでは本アルバムのコンセプトを表現しており、独裁者(カリスマ)を氷室自身が演じ、戦争によって傷ついた若者や氷室の手に血液が付着するなどの演出がなされていたが、当時発生した東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件の影響により、特定地域では放送禁止処分となり、放送可能な地域でもモノクロでの放送となった。本作を受けての全国ツアーは「NEO FASCIO TOUR」と題し、1989年10月6日の群馬音楽センターを皮切りに23都市全36公演を実施、ツアーファイナルの1990年1月17日、1月18日には日本武道館2DAYSを行っている。また、その後追加公演として「NEO FASCIO ENCORE TOUR ARENA '90」と題し、7都市全7公演を実施し、最終日の4月3日にはソロとして2度目となる東京ドーム公演を実現している。ある評論家が氷室にとってこれは1990年代に向けた『MORAL』(1982年)に違いないと発言したが、氷室はそのことを否定せず、BOØWY時代を含めてそれまでに作り上げてきたアルバムの中で、『MORAL』が最も同質であるとも語っている。「歌のトップテン」の「アルバムトップテン」ではアーティスト名はHIMURO KYOSUKEとクレジットされていた。
出典:wikipedia
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