エイトル・ヴィラ=ロボス(Heitor Villa-Lobos 1887年3月5日 - 1959年11月17日)はブラジル出身の作曲家。独学で作曲を勉強し、クラシックの技法にブラジル独自の音楽を取り込んだ作風で知られる。ヴィラ=ロボスは、南米のみならず、20世紀を代表する作曲家の一人である。また、多作家としても知られ、その夥しい作品数は20世紀最大とも言われる。1988年から発行されていたブラジルの旧500クルザード紙幣に肖像が使用されていた。また、切手にも肖像が使用されていた。ヴィラ=ロボスは1887年、リオ・デ・ジャネイロに生まれた。彼に音楽の手ほどきをしたのは、アマチュア音楽家であった父親(スペイン系)と叔母であった。特に叔母はJ.S.バッハの平均律クラヴィーア曲集を好んで弾いたと伝えられており、エイトルのその後の音楽に大きな影響を与えた。こうした家庭で、ピアノ、クラリネット、チェロを演奏することを学んだ彼は、1899年の父の死後、10代でカフェでチェロを弾いて生計を立てることとなった。1905年にはブラジル東北部に民謡の収集に出かけた。この後、彼はリオ・デ・ジャネイロの音楽院で学ぶが、アカデミックな態度とは常に一線を画していた。1912年に再びブラジル奥地に出かけた後、リオ・デ・ジャネイロに戻った彼は1915年11月13日に新作のコンサートを開き、これを契機に、1922年にはサンパウロの近代音楽週間に招かれることとなった。こうした活動が認められ、政府の奨学金を得て、1923年にパリへ留学した。彼は1930年までパリで暮らすが、この間にアルトゥール・ルービンシュタインからエドガー・ヴァレーズにいたる幅広い音楽家・芸術家の喝采を得た。1930年に帰国後は、リオ・デ・ジャネイロの音楽院の院長に就任した。音楽院の教育課程を見直すと同時に、ブラジル音楽の真価を知らしめるべく、ブラジルの民俗音楽に根ざした作品を創作し、世界各地で演奏を行った。その音楽はパリをはじめ各地で大成功を収め、彼は20世紀を代表する作曲家の一人となったのであった。1959年、故郷リオ・デ・ジャネイロで72年の輝かしい人生を閉じた。創作期は3つに分けられる。ブラジルの民族的モダニズム音楽を模索したパリ留学までが第1期、パリ留学時代とそれ以後の音楽教師の第2期が1940年代前半まで、それ以後ブラジルの代表的作曲家との国際的評価を得てからの安定した創作期が第3期である。12曲の交響曲、17曲の弦楽四重奏曲といった古典的な形式によった作品から9曲の『ブラジル風バッハ』のような実験的な性格を持つ作品まで、実に1,000曲近くに及ぶ膨大な作品を遺した作曲家であり、その全貌を捉えることは容易なことではない。以下、主な作品を列記する。原題は“Bachianas Brasileiras”。終生J.S.バッハを深く敬愛していたヴィラ=ロボスは、ブラジルの民俗音楽を素材にバッハが書いたような組曲を創作しようと試み、9曲の「ブラジル風バッハ」のシリーズを作曲した。その名の通り、ブラジルの民俗音楽素材に基づき変奏や対位法的処理が行われる充実した作品となっている。9曲は楽器編成が異なっているため、通して演奏されることは希であるが、ヴィラ=ロボスを代表する作品として、いずれも著名な作品である。ショーロス (Chôros) は、都会化された民俗舞曲に基づく、ブラジル風のセレナードとも言うべき音楽である。ヴィラ=ロボスは、第14番まで+2曲のショーロスを遺している(ただし、第13番と第14番は楽譜紛失のため演奏不可能)。このシリーズも作品ごとに楽器編成が異なっており、時には都会風の洗練されたダンス・ミュージック、時には荒々しい音型を大胆に使いエネルギッシュな舞踏と、さまざまな表情を見せる。ヴィラ=ロボスは12曲の交響曲を作曲したが、その古典的形式という制約が彼の音楽のテンペラメントと必ずしも一致せず、彼の作品中では第二義的な作品群にとどまっており、耳にする機会は希である。比較的知られているのは以下の作品。 (第3番から第5番の3曲は第一次世界大戦終結を記念してブラジル政府から委嘱された3部作となっている)ヴィルトゥオーソではなかったヴィラ=ロボスは自身の演奏活動に協奏曲は必要とせず、モダニズムの模索の過程で作曲した第1期と、名声を得て演奏家からの依頼に応えて作曲した第3期に協奏曲を作曲しており、第2期にはこの分野の作品はほとんど見られない。ヴィラ=ロボスは全部で17曲の弦楽四重奏曲を作曲した。死の直前に第18番に着手したが、完成させることなく亡くなった。第1番から第4番までが初期の1915-17年に作曲され、14年のブランクを経て第5番が書かれ、さらに7年の空白期の後、1938年の第6番以降1957年の第17番までをコンスタントなペースで書き上げた。民謡風な魅力はあるものの、交響曲の項でも述べたように古典的な形式という枠組みが足かせとなって、才気の飛翔を妨げている憾みがある。ピアノ曲は、ヴィラ=ロボスの作品の中でも演奏、録音される機会が多い作品群である。また、長年教育に携わった作曲者らしく、初心者向けの作品、子供の小さな手を意識した作品や、子供を題材にした作品が多いのも特徴である。ギター作品の数は、ヴィラ=ロボスの膨大な作品数から言えば、決して多くはなく、先述のショーロス第1番を含めてもCD1枚に全作品が収まってしまうほどだが、そのいずれもがギターリストにとっては重要なレパートリーとなっている。
出典:wikipedia
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