『パッチギ!』(韓国語 : 박치기)は2004年製作、2005年1月22日公開の日本映画。2006年には韓国ソウルの明洞CQNでも公開された。監督は井筒和幸。キネマ旬報ベストテン1位、毎日映画コンクール最優秀作品賞、ブルーリボン賞作品賞を受賞した。タイトルの「パッチギ」は朝鮮語(韓国語)で「突き破る、乗り越える」ならびに「頭突き」の意。2009年12月には山本裕典主演で舞台化された。舞台演出は茅野イサム(劇団扉座)が務め、映画版の監督だった井筒和幸は総合演出を務めた。1968年。京都にある府立東高校2年生の松山康介は、常日頃から争い事の絶えない朝鮮高校(朝高)にサッカーの練習試合を申し込むことになった。康介と友達の紀男はしぶしぶ朝高を訪れるが、そこで康介は音楽室でフルートを奏でていた少女・キョンジャに一目惚れする。しかしあろうことかキョンジャの兄アンソンは同校の番長であった。どうしてもキョンジャと仲良くなりたい康介は韓国語を必死で習得すると同時に楽器店でギターを購入。キョンジャが演奏していた「イムジン河」(/)を覚え彼女の前で演奏することを決意する。京都における日本人の少年と在日コリアンの少女との間に芽生える恋を中心とした青春映画。オール京都ロケで撮影された。京都の町並みはほとんどが撮影時の風景そのままの姿であり、CGで電線やアンテナ、ビル群などを消すことはほとんどなかったという。エキストラには朝鮮総連協力の下、実際の在日朝鮮人が多数出演した。本作では韓国と北朝鮮に分断された朝鮮半島のうち、北朝鮮を支持する総連系在日社会側を描いており、韓国側からの視点は少ない。しかし日本側の人々が言う「朝鮮」「朝鮮人」とは朝鮮半島に出自を持つものを総称的に呼ぶもので、必ずしも北朝鮮や北朝鮮国籍者を指すものではない。毛沢東主義に傾倒している教師や学生運動の盛り上がり(鉄棒の登場時期もこの頃で、鉄棒を勧める描写もある)、密入国者の問題、GSブームなど当時の世相も戯画的に盛り込まれている。他にも性・快楽・暴力を取り入れた映画である。日本人と朝鮮人にまつわる民族問題が主軸であることから、特に韓国側の歴史認識・被害者意識への異論を唱える人からは視点が偏っているとの批判がある。例えば、元在日韓国人3世の帰化者・浅川晃広名古屋大学専任講師は「在日朝鮮人の意図的な異質化と、それと北朝鮮との関係の隠蔽が意図的に行われ、異質化の正当性を予備知識のない観客を大いにミスリードしながら訴える映画」「朝鮮総連翼賛の宣伝娯楽映画といっても過言ではない」と感想を述べている。また、冷戦下での東西対立(西側の日本と東側の北朝鮮)という視点が無視されている、また逆に「現代のロミオとジュリエット」との謳い文句に反して、主人公カップルの交際に双方の家族・友人からの抵抗がほとんどなかった。他方、主人公が恋をバネに朝鮮人への理解を深めるという作劇や、全編に「イムジン河」を流し、「あの素晴しい愛をもう一度」をオリジナル形で映画主題歌に提供するなど音楽監督の加藤和彦が力を入れた音楽面の充実もヒットに貢献した。※特に順位を記していないものは、すべて1位シネカノンの舞台・ミュージカル製作事業の第1弾としてフジテレビと共同で製作され、2009年12月4日-23日に新国立劇場中劇場で上演された。映画版の監督である井筒が総合演出、映画版の脚本を担当した羽原が舞台版の脚本も担当。舞台演出は劇団扉座の茅野イサムが担当した。映画版に続き音楽を担当するはずだった加藤和彦が公演前の2009年10月に死去したが、「帰ってきたヨッパライ」・「イムジン河」・「悲しくてやりきれない」・「あの素晴しい愛をもう一度」など加藤の楽曲が全編に渡って登場し、加藤の名前もそのままスタッフとしてクレジットされている。公演はフジテレビにより収録・映像化され、CS放送のフジテレビNEXTにて2010年2月5日に放送された。
出典:wikipedia
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