牙神 幻十郎(きばがみ げんじゅうろう)は、SNKの対戦型格闘ゲーム『サムライスピリッツ』シリーズに登場する架空の人物。『真サムライスピリッツ 覇王丸地獄変』(以下『真サム』と表記)より登場。金で人斬りを請け負っている剣客であり、かつての同門・覇王丸を付け狙う。以後、ほとんどのシリーズに登場している。六尺という長身に鍛え上げられた体を持ち、長く伸ばした髪の毛を後ろに結び、真紅の上物の着物を着こなし、釣り上がった鋭い目付きと威容を備えた男である。背中には、母親によって付けられた(後述)大きな刀傷がある。斬り合い中は上半身裸になることが多い。勝利時には銀のキセルを吹かす。もともとは覇王丸と同じく花諷院和狆に師事していたが、暗黒に近すぎたその魂を師の和狆に看破されたことで破門され、追放された。それ以後は覇王丸を憎悪するようになる。なお、破門されてから幻十郎が斬殺した人間の数は200人を超える。自身の幼い頃の体験の影響もあり、世の中のあらゆるものに厭世と虚無を感じている。生きることを楽しみながらも否定し、あらゆることを刹那的に楽しんだ末に「くだらぬ世の中だ」と斬り捨てる。いざ斬り合うとなれば、敵愾心と殺意を剥き出しにして刀を振るう。慈悲心というものが欠落しており、仕事の報酬を受け取ってから依頼主を殺害することもあり、冷酷そのものである。彼の心を占めているのは、枯華院にて一緒に修行していた覇王丸の存在であった。『サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣』(以下『斬紅郎無双剣』と表記)でも、「鬼」と呼ばれし壬無月斬紅郎には大した興味は見せておらず、仕事の標的・金子を得る手立てとしてか見ていない。エンディングメッセージでも覇王丸の名を呼んでおり、「殺す」と呟いている。どれほどの金や女を手にしようとも、幾多の人間を斬殺しようとも、幻十郎の心が満たされることはない。刀を抜き身で持ち歩いているが、その理由は「すぐ人が斬れるように」からである。なお、この刀は設定上では「刀の鞘が無い」が、初期の幻十郎のイラストでは腰に刀の鞘を挿しているものも存在し、後述の『武士道烈伝』では戦闘していない時は腰に刀を差している。特技にある「千人斬り(男女問わず)」とは、すなわち「両刀」であることを表している。『サムライスピリッツ アスラ斬魔伝』(以下『アスラ斬魔伝』と表記)での羅刹側のプロフィールでは「男女を問わない好色家」と明言されている。また『Days of Memories ~大江戸恋愛絵巻~』のバッドエンディングでは、「幻十郎が主人公(男性)と事に及んだ」ことになるものがある。『アスラ斬魔伝』のOVAでは、冒頭でアスラにあっという間に倒される。さらに、ゲーム『アスラ斬魔伝』のエンディングでは、覇王丸との斬り合い中に、背中の傷を1人の子供に刺される。そのメッセージから、その子供の父親は幻十郎によって殺されたようである。幻十郎は自身を刺した少年をはり倒したものの、殺しはせず、覇王丸に肩を貸されたまま息絶えるという結末を迎えた。幻十郎の声を務めたコング桑田の演技はほぼ共通して低声の野太い声だが、『真サム』のみ高い声で覇王丸との違いを強調していた。ロールプレイングゲーム『真説サムライスピリッツ武士道烈伝』では主人公にしか選ぶことができず、他のキャラクターを仲間にすることができないため、「邪天降臨之章」では最後まで一人旅、「妖花慟哭之章」では強制的に仲間になる疾風の鈴音と二人旅になる。「邪天降臨之章」の京都での超奥義取得の経緯も、ほかのキャラクターとは大きく異なる独特の演出である。「邪天降臨之章」のオープニングでは、突如現れた天草四郎時貞に戦いを挑むもあっさりと敗北し、己の力量不足を痛感する。なお、「妖花慟哭之章」で幻十郎を主人公に選ぶと疾風の鈴音と意外な関係にあったことになる。覇王丸のいる所には必ず現れるといった感もあるが、『SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS』(以下『SVC CHAOS』と表記)では覇王丸のいない中で登場した。これは覇王丸のみが登場した『頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM』(SNK側が製作)や『CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001』(CAPCOM側が制作)との差別化であり、幻十郎が覇王丸とともに登場しなかったのは後にも先にもこの一作限りである。『ザ・キング・オブ・ファイターズ』(以下『KOF』と表記)の登場キャラクターである八神庵とは、主人公を付け狙っていることや赤い髪などいくつか共通点が見られる。そのせいか、『SVC CHAOS』での対戦前会話デモはお互いに「気に入らん…殺す!」という台詞を言い合うものだった。また『ストリートファイター』のサガットとも、主人公の宿敵であることや大きな傷といった共通点があり、『SVC CHAOS』での対戦前会話デモでは同じような台詞でお互いを挑発するやりとりがある。さらに『KOF』の草薙京からは、「アンタ見ているとむかつく奴を思い出す」と云う趣旨の事を言われる。なお、庵は『KOF XIII』で幻十郎の台詞を使った事がある。『SVC CHAOS』と『ネオジオバトルコロシアム』(以下『NBC』と表記)では八神庵と草薙京の他に、『餓狼伝説』のテリー・ボガードと不知火舞とキム・カッファンとギース・ハワード、『メタルスラッグ』のマーズピープル、『龍虎の拳』のリョウ・サカザキ(『NBC』では二代目Mr.カラテ)、『アテナ』のアテナ姫とも共演している(キムとマーズピープルとアテナ姫以外はCAPCOMとのクロスオーバー皆勤である)。ちなみに「幻十郎と『餓狼伝説スペシャル』の頃のギースの風貌が似ている」という反応があったが、SNKは「両者との間に特別な関係は無い」と述べている。幻十郎は、いつでも人を斬れるように抜き身のまま刀を持ち歩く、世のあらゆるものに対して殺意と怨恨を剥き出しにして斬り捨てることがあるなど、歪んだ人格の持ち主である。これは幼少時の体験によるところが大きい。幻十郎の父親の素性は不明。すでに彼のもとにはいなかった。母親は幼少時の幻十郎に優しく接することがあるかと思えば、ひどく罵ることもあり、精神が不安定な人物であった。見知らぬ男を自宅に連れ込んでは性行為に及んでいたが、これは体を売って生計を立てるためでもあった。行為の前に幻十郎にわずかな金を渡して家から出し、終わるまで帰ってこないよう命令していた。ある時、一人の浪人が幻十郎の母親の内縁の夫となったが、この浪人は幻十郎に辛く当たった。母親も幻十郎を庇うことはなく、この時に幻十郎は浪人への殺意を抱いた。幻十郎は性交中で忘我にあった母親の「助けておくれ。母さんはこの男に殺されちまうよ」の言葉が引き金となり、浪人を斬首した。しかし直後に我に返った母親に背中から斬り付けられ、さらには「さっさと殺してしまえばよかった、お前のせいであたしは不幸だった」と言い放たれた。これによって怒りが爆発した幻十郎は母親をその場で全身が刀傷に塗れるまでに斬り続けて嬲り殺した。この時の背中の傷は消えることなく幻十郎の背に残り、この時の体験が幻十郎の精神に歪みを残している。なお、幻十郎の背中の傷は左肩から右脇腹についている。これは普通の剣士との斬り合いでは付かない傷であり、剣の素人の母親に斬られたことを傷痕からも伺うことができる。ほとんどの技は、花札をモチーフにしている。
出典:wikipedia
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