造り酒屋(つくりざかや)とは、蔵で酒を醸造し、店舗でそれを販売する職業。軒先に提げてある杉玉が目印となる。鎌倉時代に発生し、室町時代には隆盛期をむかえた。単なる酒屋との定義の境界線が明確にあるわけではないが、一般に酒屋は土倉(どそう)として、金融業や、荷送りなどの流通業、通信業などさまざまな業種を扱う総合的な豪商で、都市の中心にしっかりとした店舗をかまえ、手代や丁稚などの店員のほか、用心棒なども養っていた大所帯である概念が強い。一方、造り酒屋は純粋に酒を造りそれを売っていた所という概念で、規模も必ずしも大きくなく、ときには蔵人が一人で営んでいて、場所も都市の中だけでなく農村部や山間部にも多かった。かなりさびれた街道沿いにも造り酒屋が点在していた様子が昔の紀行文などからうかがえる。蔵や店舗は自前の所有であったが、たとえば、関東地方から東北地方に点在した江州蔵(ごうしゅうぐら)のように、はるか遠方に住む経営者が資本を持ち、派遣された蔵人が必要に応じて土地の労働者を季節雇用して営んでいるところもある。江戸幕府の酒造統制や明治政府の造酒税増税に翻弄され、衰滅したり、再生したり、新しいものが生まれたりした。バブル経済以後の地酒復興期における零細な地方蔵のように、現在もその流れは細々と続いている。多くの造り酒屋では毎年2月ごろに蔵開きの最盛期を迎え、その年に醸造した新酒のお披露目や利き酒、酒粕・酒饅頭を始めとする関連商品の販売などが行なわれる。また、周辺では地域の特産品を生かした肴が販売されるなど、造り酒屋にとって一つの区切りであると同時に、地域にとっても一大行事となっている。納豆菌が麹米に繁殖すると、スベリ麹と呼ばれるヌルヌルした納豆のような麹になるので造り酒屋では仕込みの時期に納豆は食さない。造り酒屋は元々素封家が多く、地域の名士的存在である。近代以降、政界、経済界、学界他あらゆる分野の第一線を担う人物を輩出してきた。
出典:wikipedia
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