グランビア("Granvia" )は、トヨタ自動車の3ナンバーサイズのワンボックス型ミニバンでトヨタオート店(現ネッツ店)にて販売されていた。3ナンバー専用ボディーを持つ、トヨタのワンボックスカーでは初めてとなるフロントエンジン車であると同時に、当時のトヨタの最上級ミニバンであった。広い室内が特徴であったが、のちに発売される2代目ハイメディックと同様、欧州の新しい衝突安全基準を充たすためにセミキャブオーバー化されたハイエースの欧州仕様とデザイン・メカニズムの大部分を共用する。そのため高額車であるにも関わらず、内装がいわゆる日本的な高級感など皆無でチープだったことなど、旧来のワンボックスカーたる、商用車の雰囲気を色濃く残していた。しかしFRベースであるため旧来のワンボックスよりも乗り心地が良く、こもり音なども少なくなり、トヨタのミニバンのフラッグシップとしての快適性は備えていた。また、この種のワンボックスとしては乗降をできるだけ楽に行なえるようにステップに工夫をこらしていた。しかし、FRとはいえ、エンジンはバルクヘッドにめり込むほど後部に設置されており、整備性はキャブオーバー並にすこぶる悪かった。反面、エンジン搭載位置からフロントミッドシップに近い状態の重量配分となり、このサイズのミニバンとしては思いのほか操安性は良く、安心して運転できた。また、欧州型ハイエースとの共用部品が多いとはいえ、実質的にはほぼ専用設計のシャシ(後にレジアス等共用できるモデルも誕生したが)、オーバークオリティーのボディーワーク、凝ったサスペンションなどはコスト増加を招き、少ない販売台数とあいまって、決して成功作とは言いがたかった。搭載エンジンは、2.7Lガソリン(3RZ-FE型)と3.0Lディーゼルターボ(1KZ-TE型)の2つが用意された。トランスミッションは全車4速AT。発売当初は、7人乗りの「Q」と8人乗りの「G」のみでスタートした。後に、国産ミニバン初の両側スライドドアが装備された「Q デュアルスライドドア」「Q エクセレントセレクションデュアルスライドドア」、「Q プレステージセレクション」、「G クルージングセレクション」「G コンフォートセレクション」が追加された。ウィンドウガラスは上級グレードが濃色ブロンズガラス、下級グレードがグリーンガラスとなっていた。当初は販売台数は安定していたが、1997年5月に日産・エルグランドが同クラスの車種としてデビューすると、押し出し感のあるダイナミックなフロントマスクや豪華で広い室内、ハイパワーなエンジンなどが評価され、グランビアを遥かに凌ぐ売り上げ(月販1万5000台)を見せてセールス面で苦戦した。1999年8月からは4車種でエルグランドに対抗したが、既存のハイエースシリーズも販売されており、車種が多かったことで購買層が混乱して売り上げには貢献しなかった。結局、モデル末期までエルグランドに売り上げ台数の差をつけられたままだった。その後、後継のアルファードではこの屈辱を晴らすかのような驚異的なセールスを見せることになる。イタリア語で「偉大な道」という意味をこめて作られた。なおスペイン・マドリードの中心部にある「グランビア通り()」との直接の関連はない。
出典:wikipedia
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