アリエテ(Ariete)はイタリアの第三世代主力戦車である。第二次世界大戦後初めての独自開発による設計で、1995年より配備を開始した。アリエテとは「雄羊座」の意であり、ギリシャ神話の主神であるゼウスのとった姿の一つである。第二次世界大戦以前から国産戦車を製造・運用してきたイタリアであるが、敗戦後はNATOに所属して90mm砲を搭載したアメリカ製のM47パットンや、105mmライフル砲を搭載した西ドイツ製のレオパルト1を使用してきた。1970年代初めにはレオパルト1のライセンス生産を行った。1970年代後半からはレオパルト1A4をベースに初の国産主力戦車OF-40を独自開発した。OF-40は輸出用戦車として1980年代から1990年代にはアラブ首長国連邦を中心に輸出されたが、イタリア軍自体には採用されなかった。1980年代前半、イタリア陸軍は1950年代以来使い続けて旧式化したM47戦車の更新が迫られた。主力戦車の技術開発力の向上も合わせて図るため、1982年に国内企業へ国産戦車の開発・生産を依頼した。OTOメララ社を中心とした国内兵器メーカーのコンソーシアムはこの開発契約を請け、新型主力戦車の研究・開発を開始した。コンソーシアムではOTOメララ社が主導して1986年に最初の試作車が完成し、1987年2月に陸軍に引き渡された。その後6輌の試作車が製作され、1987年に「carro armato da battaglia C-1 Ariete(C-1 アリエテ主力戦車)」の名称が与えられた後、1990年には陸軍への正式採用が決まった。同コンソーシアムはその後、B1チェンタウロ戦闘偵察車の開発も行なっている。戦後初めて本格的に開発した国産戦車でありながら、120 mm 滑腔砲や複合装甲を採用する戦後第三世代主力戦車である同車は、1994年までに合計300輌の調達が予定されていたが、イタリアの国家財政危機や冷戦終結に伴う軍予算削減により同車の調達計画は先送りと削減が行なわれ、結局、1995年から2002年にかけて合計200輌が生産された。200輌の調達が計画されていた発展型の「アリエテMk2」も同様の理由によりキャンセルされている。1982年に開発契約として示された設計仕様は以下の通りである。圧延鋼板の溶接構造による全体に四角いシルエットを持ったデザインであり、全周旋回式砲塔の前部の避弾経始の傾斜が強く、これが外観上の特徴となっている。砲塔は多少前後に長い。車体と砲塔の前面部に複合装甲が使用されている。車体前部中央右に操縦手席と左に27発分の弾庫を有し、さらに砲塔後部バスルにブロウオフ・パネル付きの15発分の弾庫がある。砲塔内右に車長と砲手、左に装填手が搭乗する。車体後部にエンジンのパワーパックが収まる標準的なレイアウトである。120 mm 砲の薬室規格がNATO戦車の実質標準であるラインメタル 120 mm L44滑腔砲と同寸であるため、他国のNATO軍の120 mm 弾薬を相互に使用できる。2軸安定であり走行間射撃が可能。本車ではAPFSDS-TとHEAT-MPが主に使用される。下記のエンジン部がパワーパックとして搭載されている。
出典:wikipedia
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