マンチカン () は、北アメリカに起源を有する猫の一品種。マンチキンと呼ばれることもある。犬種のダックスフントやコーギーを思わせるその全体像、そして何よりもその短い脚を特色とするこの猫は、その特殊性から長年にわたり論争の的となってきた。マンチカンという猫種それ自体の歴史は他猫種に比すれば浅いものの、突然変異体としての「短足猫」の存在は古くから確認されてきた。20世紀の記録としては、イギリスのある獣医による極めて健康的な個体の発見(1944年)、ソビエト連邦のスターリングラードにおける発見(1956年)、米国のニューイングランドにおける発見(1970年)、そしてこの品種の直接の起源にあたる、1980年代における米国ルイジアナ州での発見の報告などが挙げられる。その本格的な繁殖が始まったのは、1983年に米国ルイジアナ州で突然変異の短足猫が発見されてからのことであった。トラックの下で暮らしていたところを保護されるに至ったその猫は、それから様々な研究の対象とされ、遺伝学上の検査の結果において健康体であることが確かめられた。そしてこれと通常の脚を有する個体との交配が試みられたところ、同様の短い脚を持つ子猫が誕生したのである。やがてブリーダーの主導によるこの突然変異体を用いた異種交配の計画が始動。これは論争を巻き起こした。その骨子は、これを積極的に肯定する陣営と、遺伝的な異常であるからして公認は避けられるべきとする陣営との衝突であった。そうして1980年代から北アメリカの地にて繁殖が続けられた末に、1995年、ザ・インターナショナル・キャット・アソシエーション (; TICA) から新種として認定された。ブルース・フォーグルは、「普通の猫と根本的に異なった構造を持つ猫であることは否定できない」とする。その名の由来は「短縮」を意味する英語の同一語句にあり、最も顕著なる特色はその短い四肢である。この目立って短いマンチカンの脚は、常染色体に自然発生的に現出した優性突然変異によって生まれたものである。この脚の短さが日常生活に支障を及ぼすことはない。普通の猫のように跳躍することができ、木に登ることもできる。ただ後ろ脚の短さからその跳躍力は制限される。同様の短脚を持つダックスフントという犬種は背の骨格に問題を抱えているが、この猫種における同様の問題の存在を示唆する証拠は挙がっていない。初期の頃には研究方面からの脊椎の構造的な欠陥を指摘する声があり、それは1995年の初公認までに10年以上の時を要した背景でもあったが、最終的には否定された。その交配の歴史においてありとあらゆる猫種を相手にしてきたため、頭の形から被毛の色まであらゆる種類のものが存在している。ペルシャと交配させているブリーダーもいれば、シャムやアビシニアンとの掛け合わせを行っているブリーダーもおり、更にはデボンレックスのような縮れ毛や、アメリカンカールのような屈曲した耳を持つマンチカンの作出の事例も報告されている。体長より少しばかり短い、動作豊かな尻尾を持つ。片足をもう一方の足と同じ直線上に置きつつ、尻尾を直立させたうえで腰を振りながら歩くという、ファッションショーにおけるファッションモデルのいわゆる「キャットウォーク」を想起させるような風変わりな歩き方をする。その外観上の愛らしさが好評を博すに至っている。マンチカンの繁殖が日本でも見られるようになったが、TICAは他の純血種との交配を認めていない。TICAはマンチカン同士もしくは雑種との交配を公認している。これは遺伝子プールを広げるために行うものと規定されており、純血種との交配を認めていないのは、他の猫種の主に骨格に関しての遺伝因子と交雑することや、雑種に比べ純血種に多い遺伝病の因子などの危険を回避するためとされている。このためTICAは、自らの主催するキャットショーにおいて、マンチカンの出場条件に「耳が立っていること」という条項を設けている。これは折れ耳を特色とするスコティッシュフォールドおよびアメリカンカールという純血種との交配をそもそも認めていないためである。日本の一部のペットショップやブリーダーにはスコティッシュフォールドとマンチカンを交配させてスコマンチや耳折れマンチカンなどという名前で販売している例があるが、そのような品種をTICAは公認しておらず、そのように書かれた血統書があったとしても、マンチカンを認定しているTICAが公認していない以上、血統猫としては実質的には意味のない血統書である。
出典:wikipedia
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