ごまだしは、焼いたエソ類などの魚の身、胡麻を擂り潰して、醤油等を混ぜて作られる大分県佐伯市の調味料である。湯に溶き入れ、うどんと共に「ごまだしうどん」として食すのが一般的で、この「ごまだしうどん」は農山漁村の郷土料理百選に選定されている。丼に茹でたうどん玉を入れ、ごまだしを載せて、湯を掛けて、「ごまだしうどん」とするのが最も一般的な食べ方である。食べる際には、ごまだしと湯、うどんを良くかき混ぜていただく。また、うどんだけではなくそうめんを使ったり、その他の麺類や茶漬けのようにご飯等を用いた料理のトッピングや調味料として利用されることもある。他に豆腐や茹でた野菜などと和えて一品を作ることもできる。ゴマには酸化防止作用があるため臭くなりにくく、ごまだしは広口の瓶に入れておけば、夏は1週間、冬は1ヶ月は保存が利く。ごまだしは家庭で作られていたため、その味は各家庭により様々である。うどんのだしとして用いる場合には、ごまだしや湯の量を各自の好みにより加減できるので、さらに個人によっても薄味、濃味が存在する。また、釜揚げうどんのように、茶碗にごまだしを入れて、好みの濃さで、都度うどんを混ぜながら食べる人もいる。食堂でも「ごまだしうどん」をメニューとしているところがあるが、各店でだしの味は異なる。佐伯は豊後水道を挟んで隣り合う四国との交流が古くからあり、現在も高知県宿毛市との間にフェリーが運行されているが、讃岐うどんをはじめとする四国のうどんの影響はさほど受けてない。ごまだしうどんは、唯一の佐伯独自のうどん料理であるが、本来家庭料理であることもあり、佐伯市には現在もうどん専業店は少なく、食堂や居酒屋で提供される方が多い。「佐伯の殿様、浦でもつ」と謳われるように、佐伯は水産物が豊富な土地で、新鮮な寿司でも知られている。ごまだしは元々は観光客向けの食材ではなく、水産物が豊富な佐伯の漁師の家庭で、エソが大量に採れた時の保存食としていつの頃からか作り始められた郷土料理の一つであった。保存性があるのに、作り置きしてすぐに食べることが可能な便利な調味であるが、近年は食の多様化や保存技術が進む中、魚の身をほぐす必要があるなど作るのに手間がかかることと、地元漁業の衰退もあって材料のエソが以前よりも手に入りにくくなったことから、家庭で「ごまだし」が作られることは少なくなり、現在では希なメニューの一つとなってしまった。しかしながら、近年は佐伯市内において瓶詰めなどの形で市販される物が増えたので、これを利用すれば手軽にごまだしうどんが楽しめるようになった。
出典:wikipedia
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