放射壊変（ほうしゃかいへん）とは、不安定な核種が、放射線を放出して、より安定な核種に変わろうとすることだ。　これらは、代表的な放射壊変だ。　①ウラン238→トリウム234　②ルビジウム82→クリプトン82　③ビスマス214→ポロニウム214　④アルゴン37→塩素37　⑤プロトアクチニウム234m→プロトアクチニウム234　そして、①はα壊変、②はβ+壊変、③はβ-壊変、④はEC壊変、⑤は核異性体転移、となる。　α壊変は、ヘリウム4の原子核を放出する放射壊変だ。原子番号が2、質量数が4、それぞれ減少する。　β+壊変は、電子を放出する放射壊変だ。原子番号は1減少し、質量数は変わらない。　β-壊変は、電子を放出する放射壊変だ。原子番号は1増加し、質量数は変わらない。　EC壊変は、電子を放出する放射壊変だ。原子番号は1減少し、質量数は変わらない。　核異性体転移は、励起状態の核種が、γ壊変より長い時間をかけて、より安定な核種をめざす。　γ壊変は、γ線を放出する放射壊変だ。励起状態の核種は、より安定な核種をめざして、γ壊変をする。ここで、γ線は、もっとも波長の短い電磁波だ。テレビやラジオの電波、光、X線よりも波長が短い。波長が短い電磁波であるほど、高いエネルギーをもっている。よって、γ線は、一番エネルギーが高い電磁波だ。X線やγ線のように、エネルギーが高い電磁波は、放射線とよばれる。そして、核種が放射線を放出することを、放射壊変という。　カリホルニウム252のような大きな核種は、自発核分裂をおこす。この放射壊変の際には、大量のエネルギーが放出される。これは大変危険だとされている。よって、厳重な管理体制がしかれている。

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