『あさりちゃん』は、室山まゆみによる日本のギャグ漫画作品。およびそれを原作としたテレビアニメ。36年間の長期に渡り“小学館の学習雑誌”誌上にて連載された。コミックスは全100巻。小学館の学習雑誌『小学二年生』で、1978年8月号から2014年3月号まで足掛け36年に渡って連載された漫画作品であり、作者・室山の代表作でもある。過去には『月刊コロコロコミック』や『ぴょんぴょん』、『ちゃお』、『小学一年生』、『小学三年生』、『小学四年生』、『小学五年生』、『小学六年生』などの雑誌にも連載されていたが、のちに初出誌の『小学二年生』のみの連載となり、『小学二年生』2014年3月号を以て終了した。本作の連載第1話となる「小二」初出の話は単行本未収録となっているが小学二年生2014年3月号に再掲載された。第31回(昭和60年度)小学館漫画賞受賞。1982年にはテレビアニメ化されている。小学4年生の主人公、浜野あさりの周囲で起こる出来事を中心に描いたギャグ作品であり、日常的な出来事の他にも異世界やファンタジーなど、SF的な風味も取り入れた幅広い作風が特徴である。作中の時代設定は掲載時とほぼ同じに合わせてあり、時代に合わせた言葉遣いや時代を象徴する物(スマホやパソコンなど)も数多く登場する。また、登場人物が年を取ることはないが、誕生日を祝うシーンはある。作者はもともと友達が少ないタイプだったので学校行事などの集団生活に思い入れがなく、連載当初の登場人物は一家のみで、家庭内で物語が完結するスタイルをとっていた。しかし、テレビアニメ化の際、登場人物の少なさを補う為、アニメスタッフからの要望でかなりの数の新キャラクターを追加(カバ先生、森野カケスなど)。これが原作にも逆輸入の形で反映されたことで、物語の幅が広がる転機となったという。最終回は「あさりがオリンピックに出て金メダルを取る話」という構想もかつてはあったが、最終的には「特別じゃない終わり方にしよう」とごく普通の回(タタミの卒業・あさりの5年生進級)で最後を締めくくることになった。また、最終巻おまけの「作者のぺえじ」では読者から送られてきた最終回予測である「『あさりちゃん』は病弱で漫画好きな女の子あさりが自分をモデルに描いていた漫画だった」を実際に漫画化しているが、あまりにも悲しい結末ということで最後のコマで作者が「こんなのあさりじゃない」「不可(ボツ)!こんな話ぜったいダメ!」と却下している。単行本完結後も廉価版コミックで新作を発表している。2015年『小学二年生8月号増刊 あさりちゃん ゆうれい&妖怪大集合!?』ではあとがき「作者のぺえじ」で「皆様があさりちゃんを応援してくださるかぎりわたし達は何度でも不死鳥のようによみがえるでしょう」とコメントしている。本作はもともと『ドラえもん』などと同様、小学館の学年誌に掲載される為の低年齢向けギャグマンガというジャンルで開始された。開始から10年目程度までは読者層の性別を問わない、1話完結のスラップスティックギャグ中心の内容だった。しかし、女性の著者が少女を主人公に描いていたこともあり、アクセサリーや服飾の話など、男児をあまり意識しない内容が盛り込まれるようになっていった。1988年、少女漫画誌『ぴょんぴょん』創刊の際に新作連載がそちらに移ると、この傾向は加速して行き、1990年代頃にはギャグマンガではあるものの、内容は女児向けを主体としたものになっていた。のち『ちゃお』移籍を経て学年誌に戻った後もこの傾向は解消されずむしろ強まっていく。この為、本作品を「低年齢向けギャグマンガ」とするか「少女マンガ」とするかは意見が分かれる。なお「少女マンガ」と分類した場合、一般に“少女マンガ最長”とされている『パタリロ!』よりもわずか数カ月だが早く連載が始まっている。またコミックス刊行数でも凌いでおり、ジャンル内最長作品となる。単行本は小学館のてんとう虫コミックスより発行。全100巻。てんとう虫コミックスでは最長の巻数と掲載期間を持ち、総発行部数は2500万部を超える。また、ぴっかぴかコミックスより10巻まで発行され、以下続刊している。『小学三年生』・『小学四年生』の休刊に伴い、100巻での連載終了が決定。98〜100巻は書下ろしとなる旨ファンクラブ会報「ざしきぶた通信」で作者が公表している。全巻、Kindle版、デジタル版(コミック小学館ブックス)で発売されている。単行本では通常(下稿の特別編などを除く)、1話約8頁読みきりのストーリーで完結し(まれに続編として、数話にわたって続くものもある)、浜野家や学校を舞台とした読者が感情移入しやすい身近な出来事をネタとしたものが多い。また、読者から送られてきた手紙の内容を元に作者が構成をしたストーリーも数多く載録され、採用者は毎巻、巻内の「作者のぺえじ」で紹介されている。いくつかの巻では重版の際、不適切な表現を含む作品が修正または別の作品に差し替えられているが、詳細は公表されていない。2014年9月10日、小学館は『あさりちゃん』が「2人組によるコミックシリーズとして最多の発行巻数(女性作家)」としてギネス世界記録に認定されたことを発表した。二人は「ただ普通に漫画を描いてきたことが記録として認定されるのは気恥ずかしくもありますが、それ以上に誇らしい思いもしています」とコメントした。上述の通り、定期的な連載が終了したあとも、不定期な新作発表は行われており、作品そのものは継続している。小学5年生に進級したあさりの姿を描いた「あさりちゃん5年2組」の単行本が2016年7月22日に刊行された。あさりちゃんをはじめとする浜野一家は帆立市巻貝町十番地に住む。帆立市巻貝町にある創立六十周年になる公立の小学校、あさり、タタミが通う学校である。学校自体にこれといった特色はないが男子生徒になぜかイケメンが多く、女子生徒も芸能活動をしている子供が多い等、生徒の外見的なレベルは高いのが特徴。「あさりの小学校=桜貝小学校」という設定はアニメ化と共になされたもので、アニメ化以前の話では、あさりの学校が「凡倉小」となっている話(7巻「わたしがエースよ」など)も存在する。ゲストの中でも、一回のみの登場にもかかわらず印象深い脇役たちを挙げる。『あさりちゃん』ではサブタイトルに「大長編」と付く話が4話収録されている(86巻現在)。33巻に収録。いわゆるクロスオーバー作品。作者の同じ『どろろんぱっ!』の大福寺あんこと小野小町が登場。物語が『どろろんぱっ!』サイドから始まり、小町の行動をメイン軸としてストーリーが展開していく。さらにラストも『どろろんぱっ!』サイドの顛末でしめられるため、どちらかと言えば『どろろんぱっ!』の外伝と言ったほうが近い。この作品でのあさりたちの役割は、狂言回しもしくはツッコミで、特にあさりは小町の(本人的には)必死の行動に辛辣なチャチャを入れている。この作品で、タタミとあんこは県下学力テストで一点差のライバル同士だったと語られる。このテストで勝ったのはタタミ。しかもタタミはこの一件であんこを脅威に感じており、持ち前の心の狭さをいかんなく発揮する。61 - 65巻、67巻に収録。タタミが主人公の漫画。小学2年のタタミと幼稚園児のあさりが登場する。当時のタタミは小学2年生。このころから頭が良く、既にメガネをかけていた。あさりにいつもふりまわされていた。当時のあさりは、桜貝幼稚園の年長である。当時の母・さんごはヘアスタイルがストレートヘア。当時の父・イワシは今とあまり変わらないが、ちょっとだけ若々しい。56 - 69巻、73 - 79巻、83 - 84巻、86 - 87巻、89巻、93 - 99巻に収録(61、66、75、94、95、97巻は除く)。高校生になった浜野姉妹を描いている。あさりは高校1年生。小学生の時と同じで運動大好きの勉強嫌いだが、地元の巻貝中学を卒業後、名門貝柱高校にて陸上短距離選手として学費・学力免除の特待生になっていた。陸上での成績は優れているが素行の悪さは相変わらずで、顧問とコーチを悩ませている。身長は低いままで基本的な性格はほぼ変わっていないが、髪を茶髪に染め、口紅の色や化粧に凝ったりと、小学校時代には疎かったファッションに敏感になっていることが大きな相違点である。得意の絵で漫画家を志し、既にコンクールで入賞経験がある。しかし画力が高い反面ストーリーの構成力がイマイチであるため、大きな賞を受賞するまでには至っていない。タタミは高校3年生。英才学院中を卒業後(「中学生あさりちゃん」では巻貝中学に進学したあさりと同じ制服を着た姿で登場している)、貝柱高校に進学。受験を控えており、背もかなり伸びていて(あさりとの身長差が頭一つ分以上になっている)顔立ちの整った美少女へとなっており、見違えるほど大人っぽく成長している。生徒会に所属しており、大磯潮をはじめとする後輩たちに頼られている。巻数が増えていくにつれて顔がどんどん可愛くなっていき、その事は作者自身も認めている。母・さんごは中年女性となり、ちょっと顔が老けている。出番は少ない。父・イワシは中年男性となり、あまり変わっていないがちょっと太っている。出番は57巻のみ。うにょはこの頃もまだ生きており、「にょん」と鳴くのは今と同じ。出番は57巻のみ。藪小路いばらは貝柱高校を受験したが、不合格。同窓会には出席していない。岬みりあ・島井沙紀は同じ高校(私服の高校)に進学。吉川ゆかりは2人とは違う高校に進学。港海里・鮎川守も同じ高校(高校名不明)に進学。より大人っぽくイケメンになっており、女子生徒からモテている。また相変わらず仲が良く未だにつるんでいるため、「ホモ」だと言われることも多いらしい。田西マイケルは国籍のあるアメリカに渡り、そこで暮らしている。大磯潮は高校1年生。貝柱高校に進学。風紀委員となっている。速井太郎は高校1年生。スポーツ名門高校・揚巻高校に進学。あさりを「ライバル」と公言し度々勝負を挑んだりしているが、その気持ちの中には恋愛感情も含まれている様子。単純な性格から、大磯潮や美大和とあさりとの関係を誤解し、嫉妬の念を抱いたことも。顔がそっくりな親戚が登場したことがあった。本編での出番の少なさとは裏腹に、「ハイスクールあさりちゃん」では、「ハイスクールあさりちゃん」の代名詞的なキャラクターとなっているほど出番は多い。桜貝小学校校長・岩穴鱓之介は教職を退職。不真面目なあさりを指導できないと部を去ったコーチの後任として、貝柱高校陸上部にやってくる。美大和は貝柱高校に並ぶ名門進学校・鴎学園の2年生。長身で筋肉質な体格を生かし投擲選手として活躍。図書館で出会ったタタミに好意を抱く。なお、87巻のハイスクール編は彼をメインに据えた物語となったため『ハイスクール美大和』として収録されている。70巻と75巻に収録。保育士となって活躍するあさりの姿を描いている。雑誌「幼児と保育増刊号」に掲載された。保育士になったあさりは、園長からは「園児並保育士」と言われる。よって子供には大人気だが、園長からは給料を渡すより託児料を取った方がいいのではないかと思われている。児童を思う余り保護者に向かって一方的に捲くし立てる感情的な面は見られるものの、子供の理解者たりうる見事な保育士ぶりを発揮している。後輩として副担任の田丸良彦先生も登場。あさりは客観的に先輩として振舞う落ち着きすら見せる。ただし、以上の話の筋立てに対して作者(作者ちゃん)は「あさりが保育士なんかなれるわけがない!」「こんな保育士に子どもを預けたくなんかない!」とコメントしており、あくまでも雑誌の企画によって執筆された『あさりちゃん』本編とは繋がりえないパラレルワールド的なストーリーであることが明言されている。65巻、76巻、77巻に収録。「人生の達人」を自称するさんごママこと浜野さんごが、読者からの悩み相談に回答するコーナー。「相談室」とは名ばかりで、実際には何の役にも立たない回答が多い。その為、あさりから「鬼畜系身の上相談」と評されている。単行本完結後に書き下ろされた新作。あさりは5年生、タタミは中学1年生という設定。新しい担任の松原さより先生登場。『あさりちゃん』のアニメは1982年1月25日 - 1983年2月28日の13カ月間、テレビ朝日系列で放送された。当初はコロコロコミックでも連載されていたが、関東などでは同誌の当時の看板漫画『ゲームセンターあらし』のアニメが裏番組となったため、1982年3月号をもって同誌での連載を終える。当時のアニメ・放送業界には強い東京集中意識があったため、方言(熊本弁)が抜けきっていなかった作者姉妹は、アニメ製作スタッフに意見をしても方言をからかわれてしまいまともに話し合いにならなかったと、アニメに対して必ずしも自分たちの意図が反映させていないことを語っている。1982年3月30日にTVアニメ第53話を『あさりちゃん 愛のメルヘン少女』の題で東映まんがまつりの一編として公開。同時上映は『世界名作童話 アラジンと魔法のランプ』、『大戦隊ゴーグルファイブ』、『まんが日本昔ばなし ほらふき天狗・おけさねこ』。2005年、「あさりちゃんセレクション」としてDVD全4巻が発売された。最高視聴率は1983年12月9日再放送の第42話。(視聴率(関東)22.9%)初の全話収録、完全デジタルリマスター版DVDとして、2014年1月29日に「想い出のアニメライブラリー 第16集 あさりちゃん DVD-BOX デジタルリマスター版 Part1」、2014年2月28日に「想い出のアニメライブラリー 第16集 あさりちゃん DVD-BOX デジタルリマスター版 Part2」がTCエンタテインメントより発売された。Part1は第1話から第27話、Part2は第28話から第54話が収録されている。なお本作が終了して3年1カ月後の1986年3月31日には、同じ室山原作でありながら、シンエイ動画制作によるスペシャルアニメ『Mr.ペンペン』にも、あさりが端役で出演している。系列は現在のもの。
出典:wikipedia
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