『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(せかいのおわりとハードボイルド・ワンダーランド)は、村上春樹の4作目の長編小説。1985年6月15日、新潮社より刊行された。著者としては初めての書き下ろし長編小説である。装丁は司修。第21回谷崎潤一郎賞を受賞した(30歳代での受賞は大江健三郎以来史上二人目)。1988年10月5日、新潮文庫として上下巻で文庫化された。1990年11月刊行の『村上春樹全作品 1979~1989〈4〉』に収録された際、若干の修正が加えられた。2002年時点で、単行本・文庫本を合わせて162万部が発行されている。作品は40章からなり、「ハードボイルド・ワンダーランド」の章と「世界の終り」の章が交互に進行し、それぞれ世界を異にする一人称視点(「私」と「僕」)で描かれる(『海辺のカフカ』の同時間軸とは異なり、厳密な意味でパラレルに進行する訳ではない)。『ノルウェイの森』(単行本)のあとがきの中で、村上はこの小説を自伝的な小説であると位置づけている。「世界の終り」の部分は『文學界』(1980年9月号)に発表された中編小説『街と、その不確かな壁』が基になっているが、結末は大きく異なる。本作品の構造は、以後のサブカルチャーに多大な影響を与えたと評されている。「ハードボイルド・ワンダーランド」の章は、暗号を取り扱う「計算士」として活躍する私が、自らに仕掛けられた「装置」の謎を捜し求める物語である。半官半民の「計算士」の組織『組織(システム)』と、それに敵対する「記号士」の組織『工場(ファクトリー)』は、暗号の作成と解読の技術を交互に争っている。「計算士」である私は、暗号処理の中でも最高度の「シャフリング」(人間の潜在意識を利用した数値変換術)を使いこなせる存在である。ある日、私は老博士の秘密の研究所に呼び出される。太った娘(博士の孫娘)の案内で「やみくろ」のいる地下を抜けて研究所に着き、博士から「シャフリング」システムを用いた仕事の依頼を受けた。アパートに戻り、帰り際に渡された贈り物を開けると、一角獣の頭骨が入っていた。私は頭骨のことを調べに行った図書館で、リファレンス係の女の子と出会う。翌朝、太った娘から電話があり、博士が「やみくろ」に襲われたらしいと聞く。私は謎の二人組に襲われて傷を負い、部屋を徹底的に破壊される。その後、太った娘が部屋に現れ、私に「世界が終る」ことを告げる。「世界の終り」の章は、一角獣が生息し「壁」に囲まれた街(「世界の終り」)に入ることとなった僕が、「街」の持つ謎と「街」が生まれた理由を捜し求める物語である。外界から隔絶され、「心」を持たないが故に安らかな日々を送る「街」の人々の中で、僕は「影」を引き剥がされるとともに、記憶のほとんどを失った。図書館の「夢読み」として働くことになった僕の仕事は、一角獣の頭骨から古い夢を読み解くことである。一方、僕は「影」の依頼で「街」の地図を作る作業を続け、図書館の少女や発電所の管理人などとの会話の中から「街」の謎に迫っていく。音楽その他
出典:wikipedia
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