働事(はたらき-ごと)は、能楽において、演者の所作と、囃子によって構成される部分のうち、その所作が一定の表意的・具象的な要素を持つものを指す。舞事と同じく、能管、小鼓、大鼓、太鼓(太鼓は入るものと入らないものがある)の四種の楽器が囃子に用いられる。舞事に比べると、全体的に勇壮で活発なものが多いのが特色である。また舞事は大半がシテまたはツレなどによって一人で行われるが、働事には「斬組」や「立廻り」のようにシテを中心とする多人数によって行われるものが含まれる。能管、小鼓、大鼓によって奏される働事には「カケリ」(翔)、「イロエ」(彩色)、「斬組」、「立廻り」(ハタラキともいう。また立廻りには太鼓入りもある)の四種がある。なおこれらの名称は慣習や流儀によってさまざまに混用されており、斬組をカケリと称したり、カケリや立廻りをもイロエに含んだりすることもあるので、注意が必要である。能管、小鼓、大鼓、太鼓によって奏される働事には「舞働」、「打合働」、「イノリ」(祈)、「立廻り」(上記参照)がある。太鼓物の通例として、シテの役柄はことごとく人間ではない「異類のもの」に限られる。狂言の働事には、大小物の「舞働」と「責メ」、太鼓物の「カケリ」がある。舞働は能の舞働を模したもので、『夷大黒』のような福神物か『歌仙』のような大勢物に用いられる。責メは地獄の鬼が亡者を責めたてる狂言独自の働事で、『朝比奈』のような鬼狂言のほかに、『瓜盗人』などで祭の出し物の稽古として用いられる。笛の主奏による比較的簡略な働事である。カケリは能のカケリをやや単純にしたもので、『名取川』などに使われる。緩急の変化をつけないのが特色である。
出典:wikipedia
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