『バルトの楽園』(バルトのがくえん、独題:"Ode an die Freude")は、2006年公開の日本映画。タイトルの「バルト」とはドイツ語で「ひげ」の意味。主人公の松江豊寿やドイツ人捕虜が生やしていたひげをイメージしている。第一次世界大戦中の徳島県鳴門市の板東俘虜収容所が舞台で収容所所長・松江豊寿の活躍や、俘虜となったドイツ兵と地元の住民の交流などを史実に基づいて描いた作品。松江は俘虜に対し人道的な扱いを心がけ、俘虜による楽団が『交響曲第9番 歓喜の歌』を日本で初めて演奏した。撮影に際しては、実際に収容所のあった鳴門市大麻町板東に、当時の施設を再現する形でロケセットが建設された(位置、規模とも実際とは異なる)。セットは撮影終了後に鳴門市に譲渡され、「BANDOロケ村〜歓喜の郷」の名で2006年3月から2年間の限定という条件で一般公開された。市の予想を上回る23万人の入場者を集め、2008年3月でいったん予定通り公開を終えたが、地元から公開の延長や形を変えての存続要望が出たことから、地元のNPOが市と運営に関する委託契約を結んだ上で、同年4月13日より公開が再開された。当初は6月までの予定であったが、その後延長され、2009年2月で公開を終えた。最終的な入場者数は25万9千人。土地が河川敷であることや地権者との関係から、現地での恒久的な存続は困難であり、これに加えて鳴門市側はセットである建物の安全性も理由として、委託契約の再延長は認めなかった。閉村後にセットは取り壊されることになっていたが、市側はNPOに対して移築による保存案を示し、NPOは実際の収容所跡地であるドイツ村公園近くに敷地を確保した上で、市から無償譲渡を受けたセットの一部を移築して公開する方向となった。2009年3月の時点では資金面の目処が立てば2009年夏にも移築に着手し、秋にオープンする見込みと報じられていたが、着工は予定より遅れて2009年11月となり、「阿波大正浪漫 バルトの庭」の名称で2010年4月25日にオープンした。場所はドイツ村公園から徒歩3分程度の鳴門市大麻町桧で、敷地は元のロケ村の約1/3の規模である。また、実際の収容所で使用されたバラッケ1棟も移築された。収容所があった時代の民具なども展示されていた。オープンから約5年後の2015年5月6日限りで閉園となった。そのほかにもバラッケ(兵舎)の一部について、2008年の最初の閉村時より引き取り希望の申し出があり、こちらも譲渡されることが報じられた。小説家の中村彰彦は、著書である「二つの山河」と酷似していると『週刊文春』で語った。その後、「バルトの楽園」の小説版出版元である潮出版社と映画製作元である東映とシナノ企画に公開質問状を送付、2006年9月4日に当事者間で和解が成立した。和解の条件として金銭の支払いは無く、映画のDVD化の際に参考資料として「二つの山河」と中村の名前を記載し、また小説重版の際にも参考資料として記載することとなった。
出典:wikipedia
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