格子欠陥(こうしけっかん, Lattice Defect)とは、結晶において空間的な繰り返しパターンに従わない要素である。格子欠陥は大別すると「不純物」と「原子配列の乱れ」があり、後者だけを格子欠陥と呼ぶときがある。狭い意味では特に格子空孔(後述)を指すこともある。伝導電子や正孔も広い意味では格子欠陥に含まれる。点欠陥は空間的な繰り返しパターンを含まない格子欠陥である。点欠陥はそれぞれ熱平衡濃度を持っており、点欠陥を全く含まない結晶は存在しない。点欠陥には例えば次のようなものがある。線欠陥は点欠陥が一次元的に連続して配置したものである。例えば転位など。塑性変形を加えると大量に線欠陥が導入される。面欠陥は点欠陥が二次元的に連続して配置したものである。例えば双晶面、結晶粒界、結晶表面など。点欠陥が三次元的に連続して配置した空隙をバルク欠陥(体積欠陥、ボイド)と呼ぶこともあるが、これは結晶内部にあるとは言えないため格子欠陥とは区別される。結晶を構成する要素は空間的な繰り返しパターンに従う場所に位置する時に安定であるが、温度の影響によって異なる場所に移動する確率が発生する。例えば原子が結晶内部の隙間に移動して格子間原子を形成するとともに格子空孔を形成した状態をフレンケル欠陥と呼び、結晶を構成する一組の原子が結晶外部に移動して残された一組の格子空孔をショットキー欠陥と呼ぶ。また、温度の影響によって結晶を構成する異なる原子同士が入れ替われば異種原子となる。真性半導体における伝導電子・正孔対の発生も温度による。結晶を構成する原子は一定数の電子を含んでいるが、このうちの一部がその原子から離れて伝導電子として振る舞うことがある。あるいは原子が電子を捕らえて独自に振る舞う正孔を生成することもある。これに関わった原子は原子価が変化し、荷電要素となっている。完全な結晶を構成するためには原子が厳密に一定の比率で含まれていることが必要であるが、ある範囲内であれば原子数の比率がずれても結晶を構成することができる。このとき余剰あるいは不足した原子が格子欠陥となる。結晶内部に結晶を構成する原子とは異なる種類の原子を添加するとしばしば格子欠陥となる。例えば添加物原子が結晶内部の隙間に侵入し格子間原子となった結晶を侵入型固溶体と呼び、添加物原子が結晶内部のもとの原子を置き換えて異種原子となった結晶を置換型固溶体という。結晶に応力を発生させると点欠陥が発生しやすくなる。さらに大きな応力を加えると点欠陥が集合して線欠陥を形成し、さらに大きな応力を加えると線欠陥が集合して面欠陥を形成し、やがて破断する。結晶は外部環境との間で化学平衡に従う。外部環境において結晶を構成する原子の自由エネルギーが低い場合(例えば分圧が低い場合)、原子が外部に漏出し格子空孔を生成する。例えば多くの酸化物は酸素空孔(酸素の格子空孔)を含んでいるが、この濃度は外部の酸素分圧によって変化する。有限の大きさを持つ結晶は表面や結晶粒界を持つことになるため面欠陥が存在することになる。格子欠陥を直接観測する方法としては以下がある。
出典:wikipedia
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