ヘキサメチレンテトラミン (hexamethylenetetramine,HMT) は4個の窒素原子がメチレンによってつながれた構造を持つ複素環化合物である。ヘキサミン (hexamine) あるいは1,3,5,7-テトラアザアダマンタンとも呼ばれる。無色で光沢のある結晶もしくは白色結晶性の粉末である。医療においては、膀胱炎、尿路感染症、腎盂腎炎の治療に用いられ、日新製薬(山形県天童市)からヘキサミン静注液 2g「ニッシン」として販売されている。これは、ヘキサミンが尿内でホルムアルデヒドに分解し、尿が防腐性を持つことを利用したものである。このため、腎不全の患者には禁忌である。また、尿をアルカリ性にする炭酸水素ナトリウムなども効果を減衰させるため禁忌である。産業面では化学工業において樹脂や合成ゴムなどを製造する際の硬化剤として用いられる。また、生物学の分類学や生態学の研究現場では、脊椎動物や甲殻類の標本をホルマリン固定で保存するときに、標本の脱灰を防止するために添加することがある。通常ホルマリンの原液にヘキサメチレンテトラミンを飽和させ、これを3~5%に希釈して使用する。ホルマリンに含まれるホルムアルデヒドは酸化して徐々にギ酸に変化する。これらの動物の硬組織は石灰質(リン酸カルシウムや炭酸カルシウム)によって硬化したもので、ギ酸によっても脱灰を生ずる。ヘキサメチレンテトラミンは水中でアンモニアとホルムアルデヒドとに分解するため、このアンモニアがギ酸を中和する。食品用防腐保存剤としても用いられる。EUでは使用許可食品添加物リストのE番号に保存料として掲載されており、チーズに添加されることがある。ロシアでも塩蔵のイクラにしばしば添加される。アメリカ合衆国、オーストラリア、ニュージーランドでは食品添加物として承認されていない。本邦でも承認されたことはないが、軍用に限っては旧陸軍でグルタミン酸ナトリウムとの混合物を米飯用防腐剤に利用していた。RDX爆薬を製造する際の原料ともなる。1,3,5-トリオキサンと合わせて棒状に固めたものは、野外で使う固形燃料として用いられる(en:hexamine fuel tablet)。
出典:wikipedia
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