胃瘻(いろう、英語表記はGastrostomy)とは腹壁を切開して胃内に管を通し、食物や水分や医薬品を流入させ投与するための処置である。最近では人工的水分栄養補給法と呼称される。食物や飲料や医薬品などの経口摂取が不可能または困難な患者に対し、人為的に皮膚と胃に瘻孔作成、チューブ留置し、食物や水分や医薬品を流入させ投与するための処置である。1980年代にアメリカ合衆国において上部消化管内視鏡を用いての内視鏡的胃瘻造設術(PEG)が開発され、世界的に普及し広まった。先天的な原因または後天的な病気や外傷により、脳神経や口腔や咽頭や食道の機能に障害があり、口腔・咽頭・食道を経由して食物や水分や医薬品などの経口摂取が不可能または困難な嚥下障害がある場合、患者に胃瘻からの人工栄養や水分や医薬品を投与することにより、必要で十分な栄養や水分や医薬品を摂取し、患者の生命を維持しQOLを向上させる目的で造設する。下記の条件の少なくともどれかひとつに合致する場合は胃瘻の造設は行わない、または、造設済みの胃瘻からの人工栄養投与を中止する。体外から胃内腔へ向けて、皮膚・皮下組織・胃壁を貫通した瘻孔に、栄養チューブの一端を体外へ、他の一方を胃腔内に留置する。栄養のためには水分・食餌を体外から注入する。嘔吐に対しては、チューブを開放して、胃内腔を減圧する。基本的に気管切開と同様にチューブを抜去すると自然閉鎖してしまう。そのため自然抜去、誤抜去の際には自然閉鎖する前に緊急にチューブ留置を行う必要がある。日本では終末期の認知症や老衰の人にも積極的に胃瘻がつくられるようになった。その多くはいわゆる寝たきりの高齢者である。その現状に対して、日本老年医学会は「高齢者の終末期の医療およびケアに関する立場表明2012」を発表した(2012年1月28日)。そのなかで、「胃瘻造設を含む経管栄養や、気管切開、人工呼吸器装着などの適応は、慎重に検討されるべきである。すなわち、何らかの治療が、患者本人の尊厳を損なったり苦痛を増大させたりする可能性があるときには、治療の差し控えや治療からの撤退も選択肢として考慮する必要がある。」と述べている。
出典:wikipedia
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