マイクロカセット(Micro Cassette)は、オリンパスによって1969年に開発されたオーディオ用磁気記録テープ媒体の規格である。フィリップスが1967年に開発したミニカセットとは別の規格である。コンパクトカセットを小型化したもので、体積はコンパクトカセットの約25%となっている。メモ録音や留守番電話向けの録音媒体用テープ向けとして登場した規格で、1980年代の初めごろは後述のとおり音楽向け用途の製品も登場したが、定着しなかった。コンパクトカセット同様、A面とB面があり、録音・再生時間として表示されているのは両面合わせたものである。なお、マイクロカセットテープは標準速度である2.4cm/sモードの他、1.2cm/sの低速モードがあり、これを使うと音質は犠牲となるが、表示の倍の長さの録音が可能となる。テープ長は90分のものまで発売されていたが、こちらもコンパクトカセットと同様に、90分タイプのものは60分以下のものと比べ、ベースフィルムを薄くして長時間録音を可能にしたものであり、記録分数に比して価格が高い。テープの進行方向は右から左へ巻き取られる。コンパクトカセットやオープンリールとは逆である。コンパクトカセットとは異なり、リーダーテープがない場合が多い。また融着ハーフが大半で、分解は困難である。よってコンパクトカセット以上にスプライシング等のテープ編集は難しい。主に、会議・メモ・留守番電話のメッセージなど、小型化が必要とされる一方で音質があまり重要視されない録音向けの製品を中心に、一定範囲の普及を見た。特に会議録音などに使うテープレコーダーを発売している電機メーカーのほとんどがマイクロカセットレコーダーを手掛けていてメーカーによってはフルロジック方式のハイスペック機も存在していた。会議録音用のマイクロカセットレコーダー(開発元のオリンパスでの商標は「パールコーダー」)は発売はされていたが、留守番電話用はICタイプに、メモ録音もICレコーダーに、それぞれ置き換えが進んでいる。最近までオリンパスをはじめパナソニック・ソニーが製造していたが、2010年7月にソニー製のすべての機種の生産が完了したことで、全てのレコーダーの販売が終了した。なお、録音用テープとクリーニングテープの供給は、現在でも継続している。1980年代前半に現在のノート型パソコンの前身であるハンドヘルドコンピュータが開発され、EPSONHC-20、カシオFX-801P、ソードIS-11など一部の機種の本体に内蔵され、外部記憶装置として利用された。1980年代に普及したデータイーストの業務用ゲーム基板『デコカセットシステム』にもマイクロカセットテープが使用されていた。マイクロカセットは、超小型ポータブルオーディオとしても市場に投入された。開発元のオリンパスをはじめ日本ビクター・アイワ・ソニー・三洋電機・松下電器産業からラジカセやステレオのテープレコーダーが登場し、一部メーカーからは据え置きデッキやステレオラジオカセットも登場した。デッキの場合、ドルビーB NRが搭載されたていたが、日立製作所「Lo-D D-MC50」はドルビーC NRも搭載し、メタルテープにも対応していた。一時期はミュージックテープや、音楽用途向けにメタルテープを使用したハイグレードタイプの製品も発売されファッション雑誌にまでオリンパス製マイクロカセットの特集が組まれたほどだが、テープスピードが2.4cm/sとコンパクトカセットの4.75cm/sに比べておよそ半分であったことと、周波数帯域が10KHzまでと狭いことから、コストのかかるメタルテープを用いてもコンパクトカセットのノーマルポジションと比べて音質が低かったためほとんど定着しなかったが、レコーダーがコンパクトで携帯しやすいことから(モノラル機であっても)ウォークマンの代用として愛用する者もいた。
出典:wikipedia
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