鉄道模型シミュレーター(てつどうもけいシミュレーター、Virtual Railroad Models 略称 - VRM)とは、1998年にアイマジックが発売したWindows用の鉄道模型シミュレーションソフトウェア、およびそのシリーズである。ゲームソフトにも分類される。便宜的に後続のシリーズと区別するため、1998年に発売されたソフトウェアを「鉄道模型シミュレーター(初代)」あるいは「初代」と呼ぶ一方で、単に「鉄道模型シミュレーター」と表記・呼称した場合はシリーズ全体を指す。ソフトウェアの正式名称は「鉄道模型シミュレーター」であるが、ユーザー間では一般的に「VRM」と略称で表記、呼称されることが多く、版元も正式パッケージ名表記以外の項目では「VRM」と略式名称を使用している。現実では空間的な制約や経済的な問題などから作成困難な鉄道模型レイアウトを、コンピュータ上で楽しむことを目的とした鉄道模型のシミュレーターである。3D空間にレールやストラクチャー等のパーツを並べ、ジオラマのデザインを確認したり、列車を配置してレール上を走行させたりすることが出来る。ソフトウェアはパーツ配置や地形造成を行うCAD風の『レイアウター』と、作成したレイアウトを3D描画する『ビュワー』の2段構成となっている。「レイアウターで鉄道模型のレイアウトを検討し、ビュアーで見え方をシミュレーションする」という用途に限らず、一般的な鉄道シミュレーターとして「ビュアーの実行を念頭に、レイアウターでデータを作成する」という用途で利用される場合もある。鉄道模型での製作が現実的でない東京駅や品川駅などターミナル駅の再現や、ビュアーの運転台視点を利用し鉄道運転シミュレーションとして使用する方法もある。公式ブログで、鉄道模型シミュレーター5の機能を応用して(本来の鉄道模型ではありえない)雪煙の発生を再現する方法も紹介された。鉄道模型の概念にとらわれず「純粋に列車を運転することに特化したシミュレーターソフト」と指摘し評価する声もある。製品群はリリースバージョンとパッケージ番号によって区別され、リリースバージョンが同じパッケージを追加することによって機能や使用可能な部品数が増加する。ソフトウェア自体の開発はプログラミングからモデリングまで自社(アイマジック)内で行っている。コンパイラはMSBuild、モデリングにはLightWaveを用いている。特に車両のモデリングは、1000枚以上の写真やムービーなどの資料をもとに、工学的な側面から車両構造を理解できるスタッフが行っている。1両あたりのポリゴン数は、鉄道模型シミュレーター(初代)では100~200ポリゴンだったが、鉄道模型シミュレーター3では2000ポリゴンを超えており、ストラクチャーには建築学の考察を取り入れている。週刊アスキーではディテールの細かさが評価された。1995年に正式に開発を開始し、1998年に発売した。Windows95+DirectX5での環境で動かすことが出来る。マップサイズは7m×7m。なお、開発研究の段階ではDirectXではなくOpenGLが使われていた。1999年に初版が発売された。レイアウターに「レイヤー機能」を搭載。「立体交差」が作成可能になり「ポイント自動切り換え機能」やレールの長さを任意に設定できる「バリアブル・レール」が収録された。マップサイズは20m×20mに拡張された。2001年に初版が発売された。鉄道模型シミュレーター2に比べ3Dモデルのポリゴン数が増加。システムには「地形エディター」や「加速度設定」、「架線敷設ツール」などの機能が搭載された。また、「車両変換ツール」が別ツールとして用意され、鉄道模型シミュレーター2の車両データを本バージョンに組み込むことが出来る。後に発売された統合パッケージはインストール時にインターネット接続環境が必要。2005年に初版が発売された。ソフトウェアインストールはインターネット認証を使用している。信号や踏切、列車操作など一連の動作をキー入力で操作したり、センサーやタイマーを利用して自動的に実行することが出来るスクリプト機能が搭載された。ビュワーではシェーダに対応し、照明や環境光の表現が可能となった。要求ハードスペックは高いものの「回転する車輪」や「車両内装」など、鉄道模型シミュレーター3に比べて高密度かつポリゴン量を増やした3Dモデルとなっている。ビュワーとは別に3Dモデルの確認用として「ワイヤーフレーム表示」機能が追加された。車両変換ツールを使用することによって 鉄道模型シミュレーター3の車両データと、予め鉄道模型シミュレーター3に組み込んだ鉄道模型シミュレーター2の一部車両データを本バージョンに組み込むことが出来る。(後記はパッケージに含まれる主要パーツ)2009年に初版が発売された。新たにシャドウマップが追加され、ブルーム効果や素材情報ごとに光の反射計算を行うことで、より高度な光影表現が可能となった。「スプライト機能」では画面上に画像リソースを貼り付けることができ、画面上の情報表現力が広がった。スクリプト機能も命令などが拡張された他、簡易エディタやグループ機能、自動センサーなどの設定ツールが登場している。収録部品は鉄道模型シミュレーター4の同じ号数をベースに、新たな部品が収録されている。鉄道模型シミュレーター4時代より収録部品数が多かった第8号以降は、それぞれ「第8A号」「第8B号」といった具合に分割して継承された。以下に記すものは、鉄道模型シミュレーター3時代に制作されたモデルにパンタグラフ昇降などの一部機能を付加したものである。2008年より上記鉄道模型シミュレーター5のオンライン版として、トレイン・トレイン上で運営されている。鉄道模型シミュレーター5とゲームシステム上に大きな差違はない。2008年9月1日より自社内のサーバを用いてオープンベータテストが開始され、12月15日より正式版の運営がスタートした。ゲーム自体はクライアントで動作するが、常時インターネット接続環境が必要。今までパッケージ別で販売していたパーツをパーツ単位で購入が可能で、必要なパーツのみに投資することが出来る。ただし、パッケージと同量のものを購入した場合、価格は割高な傾向にある。アイマジックは自社サイトに「会議室」と呼ばれる掲示板を設けている。ユーザーが希望するパーツのアンケートを行っているほか、ユーザー間のコミュニケーションスペースがある。2010年2月にはユーザーに対して利用マナーの向上が呼びかけられた。2010年3月よりシステムがphpBBに移行した。ユーザーの中から選ばれた「スーパーバイザー」と呼ばれるボランティアスタッフが存在し、他のユーザーのサポートや公式見解の発表が行われている。2004年には20歳以上の社会人を対象・条件に公募されたこともあり、技術情報が提供される関係上秘密保持契約の締結が求められていた。2009年頃から一部を除き機能していないことが指摘されている。基本的には、ユーザーから要望された車両から順次開発をしていく方針である。ただし、資料不足や開発難易度、各鉄道会社との車両商品化のライセンス契約の関係により、必ずしも要望が反映されるわけではない。車両を収録(データ作成)するにあたり、ユーザーから写真などの資料提供を歓迎しており、2014年7月には実際に車両の開発資料となる写真や動画をユーザーから募集していた。背景には、各鉄道会社からライセンス契約はしているものの資料提供がされておらず、自社(アイマジック)で行う取材・調査にも限界があることによる。ユーザー側から資料を提供することで商品化されたケースもある(追加キット ホキ9500形)。2002年から毎年10月頃、ユーザーの制作したレイアウトファイルを募集する「レイアウトコンテスト」を開催している。2008年まで前述のスーパーバイザーが主催しアイマジックが協賛していたが、2009年からはスーパーバイザーとアイマジックが共同で主催している。2010年から「VRMコンペティション」も同時に開催している。
出典:wikipedia
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