成東・東金食虫植物群落(なるとう・とうがねしょくちゅうしょくぶつぐんらく)は、千葉県山武市島(旧成東町島)と千葉県東金市上武射田(かみむざた)にまたがる国指定天然記念物の湿原のことである。当群落は、九十九里平野のほぼ中央に位置し、標高は5m前後である。九十九里平野にはかつて、「茂原・八積湿原」に代表されるように、沼沢や低湿地が数多く存在していた。しかし、戦中から戦後の食糧政策による農地への転用、近年では宅地・工業地化により沼沢や低湿地は激減しており、当群落は残された貴重な湿地と言える。当群落には、千葉県に自生する10種の食虫植物のうち、8種が自生している。群落内には2本の木道が整備され、中央水路によって北区・南区と追加指定区に分かれており、地表の高低差による水環境の違いによりそれぞれ異なった植生を呈している。作田川寄りの北区は他区よりも標高が低く地下水位が高いためモウセンゴケやナガバノイシモチソウが多く、くぼ地部分にはミミカキグサ、ムラサキミミカキグサが自生している。南区は北区よりも標高が若干高いため、やや乾燥気味の土壌に育つコモウセンゴケ、イシモチソウが多い。また、全域にわたってホザキノミミカキグサが自生している。そして管理棟内には、一時期群落から姿を消していたタヌキモが展示されている。群落のすぐ北東側には二級河川作田川が流れており、江戸時代から作田川堤防改修のための砂取り場や芝剥ぎ地として地元の人々に利用されていた。そのため、人為的に常に地表面がかく乱されていたのでススキやセイタカアワダチソウなどの大型植物が育つことなく、食虫植物などが育つ環境が維持されていた。しかし、天然記念物に指定されてからは砂取りや芝剥ぎが行われなくなったため大型植物が進入し、さらには耕地整理による周囲の水田の乾田化などにより地下水位が低下し、群落全体が乾燥化していった。そのため、乾燥化を防ぐために作田川から水を引くポンプを設置し、大型植物の進入を防ぐために毎年、ボランティア団体の「成東・東金食虫植物群落を守る会」や地元・島地区の「島愛土会」などにより野焼きや大型植物の刈り取り・掘り取り作業を行っている。また、盗掘も相次いでいるが、これは文化財保護法で禁止されており、処罰の対象となるため、珍しいから、花がきれいだからなどの理由で特別な許可なく動植物をむやみに採取、捕獲してはならない。逆に、遺伝子汚染や外来種・移入種などの帰化を防ぐため群落以外からの植物を持ち込むことも許されない。
出典:wikipedia
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