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SH-60K (航空機)

SH-60Kは、日本の海上自衛隊がSH-60Jを基にして、三菱重工業と防衛庁(当時)で独自に改造開発を行い、哨戒能力の向上を目指した哨戒ヘリコプターである。SH-60 シーホークは元々対潜哨戒専用に作られたヘリコプターであり、1991年(平成3年)から配備したSH-60Jでは捜索用電子機器を大量に搭載したため機内空間が狭く、ヘリコプターが本来持つ汎用性に欠ける面があった。また、武装はMk46短魚雷2本のみであり、74式機関銃を搭載する場合は装備品の一部を取り外さなければならず、通常の潜水艦捜索任務に加え、不審船など脅威対象の変化や、阪神・淡路大震災を教訓として大規模災害など突発的な事態への対処など、任務の多様化が求められ、SH-60Jの老朽による代替を機に、能力向上を図るべく、同機を基にした日本独自の改造開発が行われた。SH-60K開発にあたっての競合機としてはNHインダストリーズ NH90、掃海輸送ヘリMCH-101としてひゅうが型ヘリコプター護衛艦での運用が決定していたアグスタウェストランド AW101、三菱重工業が共同開発と分担生産しているシコルスキー S-92があった。これらの機体の落選理由は、時期の問題に加えてNFH90はペイロード余裕小、EH101はむらさめ型汎用護衛艦への格納不可、S-92は要甲板補強であった。なお、対潜哨戒機の改造開発の例としては、川崎重工業のP-2J おおわしやHSS-2A/B ちどりが挙げられる。SH-60J後継機に求められたのは、「対潜戦・対水上戦能力の向上」、「人員物資輸送・警戒監視など多用途性の向上」、「安全性の向上」であった。これらを実現する為、搭載機器類の追加・変更にとどまらず、機体形状の変更やローター、エンジンまで手が加えられた。SH-60Kは機内空間を拡大したほか、エンジン換装、新開発の高性能ローター、着艦誘導支援装置、戦術情報処理表示装置を装備している。多目的化に付随して、捜索救難および輸送のため、キャビン内の完全防水化と床面強化が要望されていたが、計画段階で見送られた。物品搬出入の効率化のため、キャビンドアが2重式となっている。対水上レーダーは分解能の高い逆合成開口レーダー(ISAR)に、ディッピングソナーは探知距離の長い低周波ソナーに変更した。また、対潜魚雷以外にも対艦ミサイル(AGM-114M ヘルファイアII)や対潜爆弾の装備も可能となり、探知能力とともに攻撃能力も向上した。これらの新技術の導入により、SH-60Jとは全く別種の機体と呼べるものとなり、開発にも長い時間を必要とした。すでに研究は、SH-60Jが配備された翌年の1992年(平成4)に始まっており、1997年(平成9)にSH-60J改として正式に開発・試作を開始した。防衛庁ではUS-1A改と同列の改造開発扱いであったが、三菱では新規開発なみの体制であった。2000年(平成12)7月の初飛行を予定していたが、複合材により一体成形されたメインローターに不具合が生じたため調整が行われ、2001年(平成13)に試作機が工場初出荷、3月27日に初飛行した。2002年(平成14)より2004年(平成16)度まで2機(シリアルナンバー:8401・02)が防衛庁技術研究本部(TRDI)と試験部隊である第51航空隊において、技術・実用試験が行われた。2005年(平成17)3月に防衛庁長官の部隊使用承認を受け、SH-60Kとして正式採用、同年8月10日に量産初号機(8403)と2号機(04)が海上自衛隊に納入された。なお、元SH-60J改の8401号機は、制式採用後に汎用ヘリコプター(装備試験用のテストベッド)USH-60Kとなり、ナンバーも8901に変更された。機首は赤外線探知装置(FLIR)や各種アンテナ搭載の為に再設計されたが、空気抵抗を考慮して各部分を滑らかに配置、長くとがった形状となった。FLIR(AN/AAS47)は機首右側に設置され、AGM-114M ヘルファイアII空対艦ミサイル(元々は対戦車ミサイル)誘導用のレーザー・デジグネーター機能を有する。また、ヘルファイアミサイルは元々対戦車用に開発されたものなので大型艦船の撃破はできないが不審船対処にはかなりの能力を発揮できるものであろうと期待されている。機首前方左右にはESMアンテナ、機体下部の円形アンテナの横にはMWS(AN/AAR)用のセンサーが設置された。また、機首の延長により、ピトー管も伸ばした。室内空間は前方に33cm、上方に15cm拡大した。室内配置では対潜戦でソナーやソノブイを搭載、人員輸送では9名分の座席、災害時には担架、警戒・監視では74式機関銃を配置するなど、様々な仕様があるが、これらは簡単に交換が可能であり、高い多様性を有している。胴体右舷キャビンドア開口部も拡大し、救難や輸送任務に対する適応性も向上した。それに伴い、右舷ドアは従来の1枚式から分割2枚式に変更、ドアの上部には救助用のホイストを設置し、救難作業にも対応する。また、ドアスライドが長くなった為、右舷のウェポン・パイロンが後方に移設された。同時に、尾部右舷のMAD(磁気探知装置)パイロンも後方へ移設された(このため、MAD投下ポイントに若干の変更が生じている)胴体左舷のウェポンパイロンは外側へ大きく張り出し、M299ランチャーを介してAGM-114Mミサイル2基を搭載できるほか、従来のMk46短魚雷に加えて国産の97式短魚雷や対潜爆弾が搭載可能となった。左舷バブルウィンドウも大型化され、目視での警戒・監視がしやすくなった。尾部両舷にはESMアンテナを装備、前方のアンテナと合わせて周囲360度の電子情報をくまなく収集できる。左舷後方にはチャフ/フレア・ディスペンサー(CMD)装着用のマウントを通常装備、さらに後方には多機能型フライトレコーダーが装備、基本的な飛行諸元だけでなく、機体の各部に追加されたセンサー情報や振動データも記録できる。飛行情報統合表示装置(IFDS)用15インチディスプレイ5基と、戦術情報処理表示装置(AHCDS)用の大型多目的ディスプレイ1基で構成された、完全なグラスコックピットである。飛行情報統合表示装置(IFDS)は、飛行情報が統合されたPFD(Primary Flight Display)、航法情報が統合されたND(Navigation Display)、エンジン関連情報が統合されたEICAS(Engine Indicating Crew Alerting System)などで構成され、通常はパイロットの正面にPFDとND画面、計器板の中央右にEICAS画面が表示されている。AHCDS用大型画面は計器板中央に置かれ、戦術情報やデジタル地図、レーダーや赤外線探査装置(FLIR)による探知映像、逆合成開口レーダー(ISAR)の解析画像が表示される。エンジンは、試作機の2機(8401・02)はSH-60Jと同じゼネラル・エレクトリック T700-IHI-401Cであったが、量産型はIHIで改良された T700-IHI-401C2 に換装された。エンジン出力は2145軸馬力(離昇)となり、耐久性も向上した。SH-60JはMk46短魚雷しか携行できなかったが、SH-60Kでは加えて国産の97式短魚雷、対潜爆弾、AGM-114M ヘルファイアII空対艦ミサイル、警戒監視用に74式機関銃を携行できる。SH-60Jが重量制限によって携行できなかった97式短魚雷は、高速・深深度潜航を行う現代の潜水艦を攻撃することができる。また、魚雷が機能を発揮できない浅い海域での攻撃には対潜爆弾を使用することができるなど、海上警備行動での威嚇や警告として有効な手段が増加した。AGM-114M ヘルファイアIIは敵の警備艇やミサイル艇といった小型艦艇等への対水上戦において使用する。機銃はこれらとの接近戦で使用する。メインローターブレードが新開発の特殊な形状に変更された。翼端は内側から外側へ向かって、まず10度の上反角、次いで20度の下反角、50度の下反角が付けられている。これらの部分には40度の後退角と先細り(テーパー)が付けられ、翼端の翼弦はコードの約30パーセントとなっている。前縁や翼端を除いて複合材料で形成されており、スパー部分にケブラー繊維(AFRP)を使用したことによって、軽量かつ高強度のブレードが仕上がった。このシステムは、ローター直径を変更することなく、構造や形状の変更によって効率向上を図るもので、ホバリング可能重量を10,900kg(24,000lb)へと、SH-60Jの9,900kg(21,884lb)から1tも引き上げることができた。翼端の特徴的な形状によって、翼端から発生する渦の干渉による抵抗が低減し、また、高速飛行時の後退側ブレードの失速と、前進側ブレードの衝撃波の影響を軽減できた。ただし、開発段階では、翼端に何度も亀裂を生じている。また、この翼端の形状が空気抵抗を生むため、最大速力がSH-60Jよりも時速30キロ程度低下している。同時に、メインローターのハブ構造も改良が加えられ、8本ボルト固定式から2本のシェアボルト固定式となり、ブレード交換時の作業効率が格段に向上している。先進戦術情報処理表示装置(Advanced Helicopter Combat Direction System)は、SH-60JのHCDSが有する探知情報表示機能に加え、知識データベース(人工知能)技術を使用した戦術判断支援機能が追加されたもので、敵潜水艦の行動に対し、最も効果的な捜索計画を自動的に提供する。また、地図表示機能や、GPSと飛行制御基準装置を組み合わせた複合航法システムが組み込まれており、パイロットの負担が大幅に軽減される。さらに、編隊内での戦術情報の自動で行う僚機間情報交換機能が付与され、自機が潜水艦を探知してから僚機が捜索海域に到着するまでの時間が短縮され、より高速化した現代の潜水艦に対抗する能力が向上した。SH-60Kの高性能ディッピングソナーは、発振周波数を低周波とすることにより、吸音素材を使用して無反響化した現在の潜水艦に対抗、探知距離も延伸した。海上自衛隊のSH-60Jが使用しているHQS-103に対しHQS-104に変更されている。このシステムは機上搭載が前提となっているゆえ、小型化と低周波発振という相反する要求を満たす為、送受波機は折りたたみ式を採用した。また、従来のヘリはソノブイの情報を中継するだけで戦術データ・リンクによって搭載艦上で解析を行っていたため、搭載艦とヘリの位置によってはデータリンクが断絶して連続した目標探知を行えなくなることがあったが、新たにソノブイ機上解析能力が追加されており、データリンクが途絶した際も自機のみで継続して追尾が可能となった。攻撃精度の向上にも貢献できる。捜索装置には、従来のレーダー、ソノブイ、磁気探査装置(MAD)、電子戦支援装置(ESM)に加え、赤外線探知装置(FLIR)、逆合成開口レーダー(ISAR)が追加された。ISARは、目標に反射したレーダー波のドップラーシフトを解析し、目標の映像化を可能としたレーダーである。これらを組み合わせることにより、捜索・識別能力、監視能力が格段に向上した。取得した情報は従来からデーターリンクによって搭載艦や僚機に伝送されているが、新たに画像伝送機能を追加し、詳細な情報提供が可能である。敵のミサイル攻撃からの生残性を高める為、ミサイル警報装置(MWS)とチャフ/フレア・ディスペンサー(CMD)を組み合わせた自機防御システムを装備した。MWSは機体の前後左右に設置された紫外線光学パッシブ式センサーによってミサイルを感知し、到来方向を検出、操縦士へ警告する。また、CMDと連動することにより、自動的にチャフやフレアを放出して機体を防衛する。CMDは機体尾部両舷に3基設置され、MWSと連動する自動・半自動モードのほか、手動による射出も行う。着艦誘導支援装置(SLAS)は、搭載艦に自動で着陸進入できる、世界で初めて実用化されたシステムである。ディファレンシャルGPSの位置情報によって搭載艦から60ヤード付近まで自動案内、着艦までは赤外線とレーザーによって自動誘導される。甲板が目視しにくい夜間や悪天候時における操縦士の負担を大幅に軽減できる。海上自衛隊では夜間や悪天候時にはSLASを使用を指導しているが、SLASによる着艦は時間がかかることや、装置に頼り技量が落ちることを懸念するパイロットも多く、夜間でもSLASを使わずに誘導灯を頼りに着艦する者が多いという。機器類の精度・性能向上によって、任務遂行能力は格別に良くなっている。武器搭載量が増加し、突発的な事態にも柔軟に対応することが可能である上、防御システムによって生残性も向上し、より実践的な機体となった。また、拡大した機内空間によって輸送や救難など様々な任務が行える。任務の多様化に対応して、SH-60Jではセンサーマンが1名配置であったのに対し、SH-60Kでは常時2名配置と増員された。また、SH-60Kのセンサーマンは、降下救助員を兼務している。災害派遣などで使用する場合は、機上救護員の搭乗も計画されている。近年重要性が高まる哨戒任務においては、GPS対応電子海図表示装置、自動船舶識別装置(AIS)、AN/ASR-3ソノブイ自動位置表示装置、ビデオ映像転送装置、LLLTV(低光量テレビジョン)などの追加装備が求められている。救難任務にあっては、降下救助員を降下遊泳させて、ウインチで収容する効率的な救難作業が可能である。作戦機定数に合わせて、生産数は103機が生産されたSH-60Jより少ない90機程度が想定されている。海上自衛隊は2015年3月末時点でSH-60Kを44機保有している。※予算を計上してから海上自衛隊に引き渡されるまでの時間差により累積調達数と保有数に差がある事に注意。SH-60K後継機には、同機をベースにした能力向上型が当てられる予定で平成30年代の実用化に向けて開発する。平成27年(2015年)度予算案には開発費として70億円が計上された。

出典:wikipedia

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