盆唐線(プンダンせん)は、大韓民国ソウル特別市城東区にある往十里駅から京畿道水原市八達区にある水原駅を結ぶ、韓国鉄道公社(KORAIL)の鉄道路線である。ラインカラーは黄色。元はソウル特別市内から城南市にある盆唐新都市までを結ぶ路線として建設された路線で、全区間でワンマン運転を実施している。世界的に珍しい交流電化の地下鉄で、ほかのKORAILの路線と同じく左側通行である。本来は盆唐(梧里)〜往十里間の同時開通を予定していたが、江南区内の工事計画が非常に遅れた為、梧里〜水西間が先行開業した。そのため、開業から2012年までは他のKORAIL路線と接続がない飛地路線となっていた。1995年に宣陵〜水西間の工事は開始されたが、往十里〜宣陵間は無期限延期となった。宣陵〜水西間の開通予定は当初1998年、往十里〜宣陵間の開通予定は2002年であったが、結局宣陵〜水西間は2003年に開通しており、往十里〜宣陵間は2004年に一歩遅れて着工され、2012年10月6日に開通した。ソウル江北地域との連携を図り、中央電鉄線、5号線、7号線との乗り換えを可能にし、宣靖陵駅でも2015年に9号線と乗り換えが可能になる。また、これとは別に、盆唐区以南の龍仁市の開発による需要の増加に備えるために、龍仁市水枝区、器興区を経て水原駅までの路線延長が計画された。梧里〜水原間のうち宝亭駅は2004年11月26日に、竹田駅は2007年12月24日に開業。竹田〜器興間は2011年12月28日に開通し、同時に暻園大駅が嘉泉大駅に改称され、宝亭駅は車両基地内の地上駅から地下駅に移転された。器興〜網浦間は2012年12月1日に開通し、最後の網浦〜水原間は2013年11月30日に開通した。2016年12月には、水仁線との直通運転が開始される予定である。上りは竹田行と往十里行があり、下りは竹田行と水原行がある。運行系統は、次のとおりである。深夜終電の時間帯に中間駅に留置される列車はなく、全て竹田駅到着後に車両基地に入庫する。水原駅発の急行列車は平日朝ラッシュ時に、往十里発の急行列車は平日の夕ラッシュ時にそれぞれ4本運行されており、往十里 - 竹田までの各駅と、器興、網浦、水原市庁、水原に停車する。ホームの有効長は、往十里・宣陵 - 梧里間は10両、それ以外の駅は8両分の長さがあるが、現在盆唐線のすべての電車は1編成6両で運行している。最初の開業区間である水西〜梧里間は全区間が地下に建設されたが、コスト削減のため、道床をバラスト軌道ではなくスラブ軌道で敷設された。そのため、列車走行時の騒音が大きくなり、音がトンネル内で反響する状態となった。さらに線路が激しく摩耗され、溶接も不良だったため騒音はさらに拡大し、盆唐線は「騒音線」と揶揄されるなど批判を受けた。この騒音は車内で会話の声がよく聞こえなかったり、前の駅で列車の発車音が聞こえるほどの状態であり、開通初期には騒音が100dBを記録するほどで、当時の鉄道庁に多くの苦情が寄せられた。その後対策として、ホームにフルスクリーンタイプのホームドアを設置したり、車両のVVVFインバータを東芝製GTOから宇進産電製IGBTに交換したり、新型車両を導入したことにより、騒音がある程度減少した。一時期、同じく新都市(ニュータウン)へ向かう路線の一山線や果川線と共に赤字経営であり、需要予測に問題があったと指摘された。1997年当時、鉄道庁が保有する果川線、盆唐線、一山線の赤字規模はそれぞれ223億3700万ウォン、188億5000万ウォン、124億4400万ウォンだった。盆唐線は京畿道城南市の住民がソウル特別市にアクセスするために計画された広域電鉄である。しかし、最初にソウル特別市の郊外にある水西から梧里までを部分開通したため、問題が発生した。開業当初は、当時の盆唐線の始発駅である水西で3号線へ乗り換えることによりソウルの都心へアクセスが可能だった。ところが、当時の3号線の方面案内標識に「梧里」の表示があったために、一部利用者が「3号線と盆唐線が直通している」と誤解し、江南・盆唐新都市のマンションの分譲広告でもそのような誤表記があったため、利用者の混乱を招くこととなった。この背景には、当時のラインカラーが3号線・盆唐線共に同じ橙色を使用していたということもある。この事態は盆唐線が2003年に宣陵まで延伸するまで続いた。1996年に8号線が開通し、福井駅から8号線に乗り換えが可能になることにより利用者が多少増加したが、盆唐線はバイパスの役割を兼ねていることもあり、一部遠回りしているため、盆唐地区からソウル中心部への最短アクセスルートではなかった。このため、城南市からソウル中心部に行くときは盆唐線より広域バスを利用する方が時間の面ではるかに有利であった。これらの問題点を克服するために、盆唐線とは別に盆唐と江南地域・江北の中心地域を直通でさらに迅速に接続することができる新盆唐線が民間資本事業として推進され、現在第1段階区間が完成し、2・3段階の区間は建設中である。新盆唐線は盆唐の近くに新たに開発された板橋新都市の交通対策とも連携して建設されている。新盆唐線は既存の盆唐線に比べて表定速度が2倍程度速い。こうして盆唐区の亭子駅から江南駅にアクセスするのにかかる時間が40分から16分と大幅に短縮された。当初、江南区内の道谷〜水西間には、途中の逸院洞と開浦洞に1駅ずつ中間駅を設置する予定だった。これは、付近は商業地域でもないうえに、集客効果を誘発するほどの要素もないと判断されたからである。しかし交通影響評価で、この区間に駅を追加しても大きな問題はないことが発表されると、江南区側は駅を増設することを要求し、鉄道庁がこの要望に対応した。最終的に、この区間には大母山入口駅・開浦洞駅のほか、九龍駅を新設することに決まり、九龍駅は路線開通から1年遅れて完成し、営業を開始した。しかし、これにより3つの駅は駅間距離が近くなり、前後駅に停車した列車の姿が見えたり、各駅の周辺案内図にも3つの駅が確認できるほどの状態となった。また、九龍駅付近で路線が急カーブを描いていることもあり、この区間の列車の表定速度も33.0km/hと、水西〜宝亭間(39.5km/h)に比べて遅くなった。2006年の統計で3駅の中で一番利用されている開浦洞駅より一日の利用客が少ない駅は大母山入口駅と九龍駅を抜いて35ヶ所しかない。このため時間とエネルギー、税金などの無駄使いという批判があるが、これは駅間の所要時間が非常に短く、他の交通手段が十分にあるのにも関わらず地域の要望で建設されたため、利用する人が非常に少ないという現実が反映されたものである。盆唐線の2期区間の工事が行われる時点で、城南市盆唐区二梅洞の住民が書駅〜野塔駅の距離が長く、盆唐線の利用が不便だという理由を挙げて駅の新設を継続的に求めた結果、鉄道庁側は要求を受け入れ、二梅駅を2000年3月に着工し、2004年1月16日に開業させた。城南市でも城南市庁の新庁舎(寿井区太平2洞から中院区麗水洞に移転)の建設前から牡丹〜野塔間に複数回、新駅を誘致するために関連機関との業務協議をしたが、区間の勾配、トンネル工法などの技術的な問題で駅の追加が難しいという意見が出ており、今でも着工すらない。当時の終点だった梧里駅と車両基地の盆唐車両事業所の距離はおよそ2.5kmとかなり離れていた。当時、途中の竹田駅は未開業だったため、盆唐線の利用に不便を訴えていた龍仁市駒城邑宝亭里(現:器興区宝亭洞)の住民の要望により、龍仁市に総額54億ウォンの建設費用のうち49億5千万ウォンを負担させ、盆唐車両事業所に隣接する形で宝亭駅臨時ホームを設置し、営業を開始した。本来、宝亭駅は竹田駅が開通すれば廃止される予定であったが、住民の要望により竹田駅開業後も営業を続けた。しかし、2011年10月28日に開通した新盆唐線の車両を収容するため等の理由で、盆唐車両事業所を拡張することになったため、竹田-器興間延長開通とともに臨時駅舎を廃止し、300mほど南側の地下に宝亭駅を移転した。最初の開業区間である盆唐線の水西〜梧里間では、全区間が地下に建設されるため厳格な管理が必要だったにも関わらず、鉄道庁は厳格な管理をしていなかったため、手抜き工事が進められて問題となった。同様に一山線・果川線などでもこのような問題が発見された。第1の問題は、トンネルのコンクリートの手抜き工事である。壁面が非常に脆く、あちこちで水漏れなどの問題が発生するようになった。第2の問題は、鉄道庁の不良管理である。盆唐線の建設当時、ダイナマイトを用いた掘削を行った。本来、発破時には警察や火薬の専門家の厳格な管理が必要だったが、実際の工事では火薬の専門家でない一般の建設業者が直接発破まで行うなど、大事故に繋がりかねない作業が行われていた。他にも、3m建ての鉄筋を使用するところで2m鉄筋と1m鉄筋を組み合わせて使用していたり、測定をでたらめに行った結果、一部でトンネルの形が歪んでいたなどの問題が発覚している。2009年2月20日、盆唐線の2段階区間(宣陵-水西間)で軌道の横の部分のコンクリートに深刻な亀裂が発生したことが確認された。宣陵-ハンティ間だけでも40以上の亀裂が発生し、そのうちの大きいものは7mを超えるものもあった。問題が発生した原因は、盆唐線のコンクリート施工法が初めて試みられたために試行錯誤で行い、韓国鉄道技術公社による不適切な枕木の設計をしたためだと分かった。区間内の排水口から流れる水が枕木に流入しないように膨張剤を使用したが、この膨張剤が水を吸収したため膨張し、コンクリートにひび割れが発生した。鉄道施設公団は運行には問題がないと、問題が発生した区間のみの緊急措置を取ったがまだ安全性を確保することができない状態である。盆唐線は1段階区間工事時にも手抜き工事が行われており、2段階区間でも問題が発見され、後に延長された区間にもこのような問題が発生する可能性があるとして憂慮されている。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。