アメーボゾア () は真核生物の主要な系統の1つである。部分的に訳しアメーバ動物とも。分類階級は通例アメーバ動物門を当てる。アメーバ類(アメーバ様生物)のうち一部の典型的なものとさらに粘菌類から成る。アメーバ類のなかでも葉状仮足と呼ばれる丸く指のようになった仮足を持つものが含まれるが、アメーバ類はアメーボゾア以外の系統に属するものが多く含まれている。アメーバ類はほとんどが単細胞性で、土壌や水圏に普通に見られるが、他の生物に共生するものも見付かっており、病原体もいくつか含まれている。一方、粘菌類(変形菌や細胞性粘菌)は多核ないし多細胞で胞子を作り、たいてい肉眼的な大きさに達する。アメーボゾアは生物の大きさに非常に幅がある。10-20 μmほどの大きさのものが多いが、もっと大きな原生生物も多く含まれている。有名な種オオアメーバ (') は長さ800 μmに達することがあり、そのサイズのおかげもあって細胞の代表としてよく研究されている。カオス ' や ペロミクサ (") のような多核のアメーバ類では長さ数ミリメートルにおよび、変形菌では数十cm四方に広がるものもある。細胞は、顆粒を含んだ内質(エンドプラズム)と、透明な外質(エクトプラズム)とに分けられる。移動の際には、内質は前方に流れ、外質は取り残されるように細胞の外側に沿って後方に動く。多くのアメーバは明確な前後を持って移動する、つまり本質的には細胞全体が1つの仮足として機能する。これらは亜仮足()と呼ばれるたくさんの透明な突起を出すが、これは長さが有限な限定仮足()で直接には運動に関わらない。アメーボゾアの他の生物では、非限定的な仮足()を複数作ることがある。それらは管状で、たいてい顆粒を含んだ内質がその内部に入り込んでいる。細胞は全体としては先行する仮足に向かって流動し、それ以外の仮足は進行方向が変わらない限り、次第に縮まる。亜仮足は普通ない。アメーバ ' やカオス ' のような裸のもの以外にも、アメーボゾアには殻を作るアメーバのほとんど(有殻アメーバ)が含まれる。この殻は、ナベカムリ(')のように有機物質でできていたり、ツボカムリ(')のように集めた粒子を接着していたりしており、仮足が出てくる口が1カ所開いている。アメーボゾアのほとんどの生物は鞭毛を欠き、それどころか有糸分裂以外で微小管による構造を作らない。しかし、古アメーバ類 () には鞭毛を持つものがあり、また変形菌は二鞭毛性の配偶子を作るものが多い。こうした鞭毛は微小管の円錐で固定されており、オピストコンタとの近縁性を示唆する。ミトコンドリアは特徴的な分岐する管状クリステを持っているが、古アメーバ類ではミトコンドリアが失われている。栄養様式は基本的に食作用、すなわち細胞が食物になりそうな粒子を取り囲み、食胞に閉じこめてそこで消化吸収することによる。アメーバ類の一部は、後部におそらく老廃物を蓄積しているウロイドという瘤を持ち、周期的に細胞から切り離される。ほとんどの種は食料が不足したときにシストを形成することができ、これが空中を運ばれて新しい環境に移入することがある。変形菌ではこうした構造は胞子と呼ばれ、子実体とか胞子嚢と呼ばれる柄の付いた構造の上に形成される。伝統的には、葉状仮足を持つ全てのアメーバ類をまとめて葉状根足虫()とし、他のアメーバ様生物と共に肉質虫ないし根足虫という群においていた。しかしこれは自然分類群ではないと考えられており、微細構造観察や分子系統解析に基づいて、かつて肉質虫にまとめられていた生物群は基本的にはアメーボゾアとリザリアとに再編された。古アメーバ類や粘菌類は、初期の分子系統解析では真核生物進化の根元付近から生じたそれぞれ独立したグループだと考えられていたが、解析手法の発展成熟により現在では葉状根足虫と一体のグループを成すことが明確になっている。一方でヘテロロボサと呼ばれる群は、外見上はアメーボゾアの生物とよく似ているが、全く異なる系統である盤状クリステ類に属していることが示されている。ミトコンドリアが分岐する管状クリステを持つという類似性に基づいて、有殻糸状根足虫も含める意見があったが、これは分子系統解析によって否定されてリザリアのケルコゾア門に位置付けられている。アメーボゾア内部の系統関係については解析が遅れているが、ここでは に準拠してその概略を示す。アメーバ類は、仮足が一方向的で全体として棍棒状になるツブリナ類、扁平で仮足が多方向的に出る 、ミトコンドリアが退化した古アメーバ類とに大別され、他に多数の小さなグループがある。古アメーバ類が粘菌類と近縁でコノーサと呼ばれる明確な群を成すという説もある ()。これ以外に現状では位置不確定な様々なアメーバ類がある。有名なものでは、海産のステレオミクサ類 の位置がはっきりしない。
出典:wikipedia
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